小島秀夫氏がThe Game Awards 2016で「Industry Icon」賞の受賞が決定。出席を禁じられた昨年の同アワードから一年、晴れて壇上へ

 

12月1日(現地時間)にアメリカ・ロサンゼルスで開催されるゲームの祭典The Game Awards 2016。同アワード主催者は、その壇上でKojima Productionsを率いる小島秀夫氏に「Industry Icon 」賞を授与することが決定したと発表した。

今回の受賞理由について、小島氏はゲーム業界における物語の作り手としてもっとも革新的かつ優れた才能を有する人物の一人であることが評価されたためだとしている。同アワード主催者のGeoff Keighley氏は、「今年のThe Game Awardsを計画する際にまず最初に取り組んだことは、彼に対して、彼の同僚やファンの前でその栄誉を称えるということでした」とコメントしている。

過去にはSierra Entertainmentの創設者であるKen Williams・Roberta Williams夫妻や、『Command & Conquer』シリーズなどを手がけたWestwood Studiosの創設者であるBretty Sperry・Louis Castle両氏にもこの賞が贈られている。

The Game Awards 2015の模様。小島氏不在の経緯が説明される場面は1:40:41あたりから

昨年開催されたThe Game Awards 2015ではコナミの『Metal Gear Solid V』が「Best Action/Adventure Game」を受賞したが、同作の監督を務めた小島氏はコナミから同アワードへの出席を禁じられ、主人公スネークの英語版声優を務めたKiefer Sutherland氏が代わりに壇上にあがりトロフィーを受け取るという場面があった。

同作が発売されるまでには、そのタイトルから「A HIDEO KOJIMA GAME」の記載が削除されたり、小島氏がコナミの役員から降格されるなどしており、『Metal Gear』シリーズや小島氏のファンからコナミへの批判の声があがるようになっていた。そしてこのThe Game Awards 2015での一件には業界関係者からも非難の声が寄せられ、コナミ批判の動きにいっそう拍車がかかる結果となった。小島氏退社後のコナミの『Metal Gear』関連のニュースには、毎回コナミバッシングが巻き起こっている現状だ。

その後コナミから独立しKojima Productionsを設立した小島氏は今年のThe Game Awards 2016には出席する予定で、小島氏と親交もあるGeoff Keighley氏は、ようやくトロフィーを手渡すことができると喜びのツイートを投稿している。

昨年は理不尽とも思える仕打ちを受けた小島氏だが、コナミとの間に実際なにがあったのかは知るよしもない。いずれにせよ、氏は独立してすでに新しい目標へと歩みを進めている。Kojima ProductionsはPlayStation 4向けに『Death Stranding』を開発中で、小島氏も出席するThe Game Awards 2016では何らかの新情報が公開されるのか、そちらにも注目が集まる。