中世で“現代兵器無双”するゲーム『Kingmakers』、土壇場でまたしても発売延期。広大マップでのAI・物理演算に課題、妥協したくない
\Redemption Roadは10月4日、『Kingmakers』のリリースを延期すると発表した。

デベロッパーのRedemption Roadは10月4日、『Kingmakers』のリリースを延期すると発表した。本作は日本時間10月9日に早期アクセス配信が開始される予定であった。
『Kingmakers』は、TPSとリアルタイムストラテジーを組み合わせたウォーシミュレーションゲームだ。対応プラットフォームはPC(Steam)で、ソロプレイおよび最大4人でのオンライン協力プレイに対応。500年前の中世イングランドの戦場を舞台としながら、プレイヤーは現代兵器を持ち込み、軍隊を率いて数千人規模の兵士が入り乱れる戦場で戦う。未来の世界における黙示録を食い止めるため、歴史を書き換えることが目標だ。

戦場では、TPS形式にてプレイヤー自ら戦う戦闘モードと、リアルタイムストラテジー形式でプレイする指揮モードをシームレスに切り替え可能。弓兵や騎兵などの軍団を割り当てて命令を出したり、下士官に任せたり、あるいは要塞を築いたりして策を練ってから、自らも戦場に立つといったゲームプレイを楽しめる。そして先述した戦闘モードでは、周りは中世の兵士ばかりの中で、プレイヤーは現代兵器を駆使して戦うことができるのだ。アサルトライフルやショットガン、グレネードランチャーといった銃器が用意されるほか、戦車や攻撃ヘリ、バイクに乗ることも可能だ。
戦場にいるすべての兵士には、意思決定や経路探索、忠誠心をコントロールする、マルチスレッド対応の次世代AIが制御する仕組みが採用。このAIに、独自のアニメーション自動生成システムを組み合わせることで実現した、キャラクターや戦闘の真に迫る表現も本作の特徴となる。

本作は2024年2月に発表され、当初は2024年内に早期アクセスでリリースされる予定であった。その後、発売時期は2025年第1四半期、そして第2四半期へと複数回変更され、今年5月には早期アクセス配信日が日本時間10月9日になることが発表された。本作はユーザーから大きな注目を集めており、2024年12月には、Steamのウィッシュリスト登録数が100万件を突破したことも発表されていた。
そうしたなかで、今回リリース日がさらに延期されることが発表された。延期後の発売日は未定となっている。Redemption Roadは理由として、予定していた要素を削るような妥協はしたくないからだと説明している。本作ではゲームエンジンとして採用しているUnreal Engine 4をフル活用して、ミドルスペックのPCでもネイティブで60fpsが出せるようにすることを目指しているという。そして前述したとおり、本作ではNPCにAI制御が導入されており、それらが数万体フィールド上で動作。さらにゲーム内にはあらゆる部屋に入ることができ、壁や床の破壊も可能な6階建ての巨大な城なども存在する。そうしたAIや物理演算の仕組みを広大なマップで実現し、さらにはこれを途中参加または離脱が可能な4人協力マルチプレイに落とし込もうとしており、コンテンツを磨くためにはもう少し時間が必要とのこと。

今回の発表からは、本作の野心的なコンセプトの実現に向けて、まだ技術的な課題が残っていることが明かされた。同スタジオいわく、ハイエンドPCを使ってるユーザーにも、型落ちのPCを使っているユーザーにも、本作に夢中になって、お金を払う価値があったと感じてもらえるようにしたいとの願いがあるそうだ。なお、近日中に本作のゲームプレイを30分にわたって深堀りする映像を発表するとのこと。これまでの同スタジオの取り組みがお披露目されるそうだ。期待して待ちたい。
『Kingmakers』は、PC(Steam)向けに開発中。現時点では発売時期は未定だ。