バラバラ殺人少女尋問ゲーム『It was a human.』7月27日配信へ。事件とSF世界の謎に、容疑者への質問で迫る


国内のサークルLoser/sは7月22日、『It was a human.』を7月27日に配信開始すると発表した。対応プラットフォームはPC(Steam)で、通常価格は税込580円。8月2日までの期間は、10%オフのリリース記念セールも実施予定となっている。

『It was a human.』は、バラバラ殺人事件の容疑者女性を尋問して真相へ迫る、短編SFサイケデリック尋問ADVである。本作のメインキャラクター・勇魚虎魚(いさなおこぜ) は、バラバラ殺人の容疑者だ。本作の舞台では、佐賀県嘉瀬市のホテルで、身元不明の男性2名の遺体が発見された。遺体の死因は、全身打撲による外傷性ショックと、窒息死だと推定されている。また警察が駆けつけた際、現場には糸ノコギリを手にした少女・勇魚虎魚が立っていた。捜査本部では、彼女がバラバラ殺人事件の犯人だと考えられている。

本作の主人公は、軍に所属する中佐だ。主人公の中佐は、任務として容疑者・勇魚虎魚の尋問を担当し、事件の詳細を聞き出す。なぜ彼女は2名の男性を殺害したのか。そして、どのような方法で犯行をおこなったのか。尋問によって、かつて人間だった者たちの無駄な足掻きの物語が繰り広げられるという。


主人公の中佐は、彼女への尋問によって世界の意味へ迫るようだ。本作の尋問では、勇魚虎魚から聞き出したい情報を主にふたつの質問から選んでいく。スクリーンショットを見る限りでは、彼女が単独犯であるか、凶器は何を使ったかといった質問が存在。そうした質問の選択によって、少女から情報を引き出すわけだ。

また勇魚虎魚は主人公に対し、尋問中に甘い言葉や媚びた態度を取るかもしれないという。しかし彼女は重大な罪を犯した人物であり、本作の最終的な目標は彼女に対する断罪だとされている。そのほかプレイヤーはサイケデリックなサイエンスフィクションの世界で、おかしな人々とも遭遇。世界や彼らの正体といった謎も解くことになるといい、プレイヤーは事件以外の謎とも相対するようだ。なお本作では背景や街の住人が、AIイラストによって表現されている。


本作を手がけているLoser/sは、シナリオライターの逢縁奇演氏イラストレーターのゼンゼンウナギ氏によるサークルだ。サークルの過去作としては、『MECHANICA――うさぎと水星のバラッド――』『うさみみボウケンタン』といった成人向けの作品をリリースしてきた。『MECHANICA――うさぎと水星のバラッド――』Steam版では、記事執筆時点で698件中96%の好評を得てステータス「圧倒的に好評」を獲得。プレイヤーからは世界観や先が気になる展開、収束していくストーリーなどが評価されている。

また逢縁奇演氏は『ゴーヘルゴー つきおとしてこ』にシナリオ(ユニーク)担当として参加。「こちら、終末停滞委員会」「運命の人は、嫁の妹でした。」といったライトノベル作品も手がけている。

本作『It was a human.』は、Loser/sの全年齢向けの新作として2022年9月に発表。当初は2022年冬リリース予定とされており、2023年3月には完成が報告されていた。今回発売日が決定するまでの間には、パブリッシャーの翻訳やSteamのAIイラストに対する姿勢の影響もあったようだ。また同サークルCi-enの記事によれば、本作は逢縁奇演氏にとってとても個人的な作品であり、自分のために作ったのだという。プレイヤーが遊んで面白いかどうかはよくわからないものの、ゲームを遊んで勇魚虎魚への感情を抱いてもらえれば嬉しいとしている。発表当初に語られていたとおり、同氏自身も含めて一部のプレイヤーへ向けた、尖った内容になっているのだろう。


It was a human.』はPC(Steam)向けに、通常価格税込580円で7月27日リリース予定だ。リリースから8月2日までの期間はセールが予定されており、10%オフの税込522円で購入できる。