煙草がテーマの“縦書き”恋愛ビジュアルノベル『Keep Only One Loneliness』9月22日無料公開へ。『ghostpia』を手がけた超水道が贈る

超水道は9月14日、『Keep Only One Loneliness』を9月22日にリリースすると発表。ブラウザ向けのビジュアルノベルとして、無料プレイタイトルとして公開予定だ。

国内のビジュアルノベル制作チーム超水道は9月14日、『Keep Only One Loneliness』を9月22日にリリースすると告知した。ブラウザ向けとなっており、PC/iOS/Androidからプレイ可能。価格は無料となっている。発表にあわせて、動画も公開されている。

『Keep Only One Loneliness』は、煙草を軸に寂しさと男女の恋愛を描く、縦書きビジュアルノベルゲーム作品である。本作のメインキャラクター平和真は、大学時代にサークルの先輩である兼園香に恋をしていた。平和真と兼園香の関係は、告白をきっかけに急速に深まり、傍から見れば恋人同然の関係となる。しかし、実態としては友人のまま関係が止まっており、平和真は兼園香への想いを忘れるため、彼女の嫌う煙草を吸い始めるのだった。いつしか煙が唇に馴染み、日常の一部となった平和真は、ある日喫煙所でひとりの女性と出会う。社会人としての目まぐるしい日々の中、平和真は女性に想いを告げる。しかし彼女が示した条件は、禁煙だった。寂しさの熱とその温もりの名前を知る、煙草を軸とした男女の物語が繰り広げられる。

平和真の煙草を軸とした恋愛は、「デンシノベル」として描かれる。超水道の公式サイトによると、デンシノベルとは新しい小説の器であり、ビジュアルノベルの一形態。「文庫本のようなビジュアルノベル、ビジュアルノベルのような文庫本」がコンセプトとされており、文庫本の雰囲気をベースに、ビジュアルノベルのグラフィックやサウンドの演出が用いられているのだという。本作では縦書きのテキストを基本としつつ、音やグラフィックの演出とともに物語が読み進められるわけだ。

デンシノベルの前作『short HOPE long Peace』では、セーブ&ロードに相当するようなしおりにはさむ/しおりから読むといった機能や、ギャラリーやサウンドテストといったモードが搭載されていた。本作においても、ビジュアルノベルらしい機能も用意されていることだろう。

前作『short HOPE long Peace』の画面

本作は、社会人4名による創作ユニット超水道が手がけている。代表作としては、『ghostpia』を制作中。有料版となる『ghostpia シーズンワン』Steam版では、記事執筆時点でユーザーレビュー713件中95%の好評を得てステータス「圧倒的に好評」を獲得している。同作においては、リッチな演出と緻密な心情描写による、ときに暴力と寂しさをまじえた少女たちの物語が、プレイヤーの評価を掴んできた。また本作の関連作としては、2024年11月にデンシノベル『short HOPE long Peace』をブラウザ向けに公開。超水道の公式サイトによると、前作は多くのプレイヤーから好評を得たそうだ。

本作『Keep Only One Loneliness』は、超水道によるデンシノベルの第2弾となる。制作陣としては、『ghostpia シーズンワン』には制作進行などとして携わっていた蜂八憲氏が、前作から引き続きシナリオを担当。斑氏がイラスト、真島こころ氏が音楽を手がけている。3月の記事によれば、本作では前作と比べてシナリオ・イラストともに増量しているとのこと。より厚みのある物語体験が待っているのだろう。

『Keep Only One Loneliness』はブラウザ(PC/iOS/Android)向けとして、9月22日に無料公開予定だ。

Keiichi Yokoyama
Keiichi Yokoyama

なんでもやる雑食ゲーマー。作家性のある作品が好き。AUTOMATONでは国内インディーなどを担当します。

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