JRPGの「お気に入りのメニュー画面」を紹介しあう流れ広まる。スタイリッシュ系だけじゃない、にくい演出光るメニュー画面集まる

X上では、JRPGにおけるお気に入りのメニュー画面を語り合う流れが盛り上がっているようだ。

Xにて、JPRGでお気に入りのメニュー画面についての話題が盛り上がっている。海外のJRPGファンであるAndy氏の呼びかけが発端となり、各々が好きなメニュー画面について語り合ったようだ。

RPGにおいて、メニュー画面はステータスや所持アイテムなどの情報を確認する画面であると同時に、その作品のアートスタイルを表現する場にもなっている。普段あまり話題になりにくい部分ということもあってか、Andy氏の呼びかけにはかなりの数のリプライが寄せられた。

Andy氏は自身のお気に入りとして『ペルソナ3 リロード』、『スターオーシャン セカンドストーリー R』、『ファイナルファンタジータクティクス』、『ファイナルファンタジーXIII』を挙げ、ほかのユーザーにも自身のお気に入りを教えてほしいと呼びかけた。

寄せられた意見の中でもやはり人気が高かったのは、『ペルソナ5』や『メタファー:リファンタジオ』といった近年の『ペルソナ』シリーズとその派生作品のメニュー画面だ。スタイリッシュで洗練されたデザインや演出もさることながら、『ペルソナ5』では反体制や大衆志向、『ペルソナ3 リロード』では浮遊感や儚さ、『メタファー:リファンタジオ』ではリアルとファンタジーの狭間といったように、それぞれのタイトルのテーマがデザインに反映されていることも高評価の一因だろう(関連記事1関連記事2)。

『ペルソナ5』がメニュー画面の新しい時代を築いたとする一方で、それ以前の意欲的なメニュー画面についての話題も見られた。とあるユーザーは、“オンライン風オフラインRPG”こと『.hack』シリーズのデスクトップ風に表現されたメニュー画面を紹介している。『.hack』シリーズは、作中に存在するオンラインゲーム『The World』をプレイする主人公を操作するという、いわば入れ子構造のゲームだ。つまり、ゲーム内に登場するキャラクターはみな『The World』をプレイしている生身の人間という設定であるため、味方とのコミュニケーションはメールを通しておこなうことになるのだ。Andy氏も、こうしたデザインのおかげで『.hack』シリーズにはまるでMMORPGをプレイしているかのような感覚があったと述べている。

ビジュアル面や設定面に凝ったメニュー画面が話題に挙がるなか、シンプルかつ機能的なメニュー画面への愛を語るユーザーも散見される。『ゼノブレイド3』や『メタファー:リファンタジオ』のようなスタイル重視のメニュー画面と同じぐらい「cleaner and more minimal UIs(よりクリーンでまとまったUI)」を愛していると述べたユーザーは、例として『ドラゴンクエスト8』や『真・女神転生3』のメニュー画面を挙げている。

確かに、両作ともシンプルながら世界観が把握でき、かつ情報も読み取りやすいデザインだ。特にアトラスのRPGである『真・女神転生3』に関しては、同じくアトラス製の『ペルソナ』シリーズや『メタファー:リファンタジオ』と対比してみるのも面白い。色鮮やかで躍動的な『ペルソナ』の世界と、死と荒廃が常にプレイヤーのそばにある『女神転生』の世界との違いを表現していると言えるかもしれない。

なおステータス画面などでキャラクターが一挙に表示される場合、仲間の集合写真のような一枚絵を表示するスタイルのメニュー画面もよく見られる。特に近年の『アトリエ』シリーズなどに代表される、まるで旅の一幕を切り取ったかのようなメニュー画面には好評の声が集まっている。『アトリエ』シリーズは以前からメニュー画面のUIに力を入れて制作されており、かつての定番であった日記帳のようなスタイルも人気だ。

JRPGというジャンルでは、仲間たちの成長や関係性の変化に焦点を置いたストーリーが描かれることが多い。キャラクターの性格がストーリー上だけでなくメニュー画面でも垣間見えるような表現は、JRPGと相性がよいのだろう。

ストーリーと連動したJRPGのメニュー画面といえば、『ロマンシング サ・ガ2』のフルリメイク版である『ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン』の話題は避けて通れないだろう。数千年の時をかけた戦いが描かれる本作では、次の世代のキャラクターに皇帝の座を引き継いでいく「皇帝継承」システムが存在。そして新たな皇帝となったキャラクターはメニュー画面において堂々と玉座に腰掛け、仲間を従えた皇帝としての威光を放つこととなるのだ。ストーリーとシステムの両方をリンクさせた秀逸な演出として、本ツリーでも評価する声が見られた。

ゲームによってメニュー画面のデザインも千差万別であり、作風や機能性など、それぞれに開発者が重視したデザインが反映されているだろう。また昨今では『ペルソナ5』を筆頭にメニュー画面に大きな注目が集まる作品もあり、単なるUIにとどまらないほど存在感を増している要素といえそうだ。またスタイリッシュなメニュー画面もある一方で、目立ちにくいさりげないメニュー画面でもじっくりと観察して配慮やこだわりに想いを馳せるのも面白いかもしれない。

Daijiro Akiyama
Daijiro Akiyama

ゲームをすることと、ゲームの話をしたり聞いたりすることが同じぐらい大好きです。

記事本文: 73