『雀魂』新アプデでついに牌譜分析AI「MAKA」ベータ版実装。ゲーム内で手軽にAIに打牌を評価してもらえるように

Yostarは2月26日、オンライン麻雀アプリ『雀魂』にアップデートを配信し、AIアシスト牌譜分析ツール「MAKA」のベータ版をテスト実装したと発表した。ベータ版の現在は四人麻雀の分析のみ可能とされている。

『雀魂』は2018年に中国でサービス開始され、日本では2019年4月にWebブラウザ版が公開されたオンライン対戦型の麻雀ゲームである。中国のキャットフードスタジオが開発し、日本ではYostarが運営している。基本プレイは無料で、アバターとなるキャラクターや、リーチ棒などの外観を変更できるアイテムをガチャで獲得するアイテム課金制となっている。現在はWebブラウザ版の他にiOS版、Android版、Windows版が存在し、幅広いプラットフォームで四人麻雀と三人麻雀をプレイすることが可能だ。対局はランダムマッチングで行われ段位昇格を目指す「段位戦」、知り合い同士での対局が可能な「友人戦」、プレイヤーが企画して主催できる「大会戦」などが存在している。

今回そんな『雀魂』にAIアシスト牌譜分析ツール「MAKA」がテスト実装された。使い方は非常に簡単で、『雀魂』の牌譜閲覧の画面を開いたら解析したい牌譜に付いている「MAKA」のボタンを押し、「分析開始」ボタンを押すだけだ。解析終了まで少しだけ待つ必要があるが、半荘戦でも数秒で終了する。解析が終了した牌譜を閲覧すると、「MAKA」のON・OFFを切り替えることができるようになっており、ONにすると自分の打牌と「MAKA」の打牌が食い違った局面へ飛べるボタンが追加される。分析した結果は7日経過するまで閲覧可能となっている。

すべてのプレイヤーは1日に5局まで分析をすることが可能で、開運御守（月額パスのようなもの）が有効中のプレイヤーは20局まで分析できる。開運御守の価格はそのままに、新たな付加価値が加わった形だ。

『雀魂』は多彩なキャラクターのデザインのほか、多くの動画配信者や麻雀プロが配信に採用したことから人気を拡大。それまで麻雀に触れてこなかった層までも開拓し、プレイヤー数を増やしてきた。しかし牌譜のAI解析に関してはDwango Media Villageが開発した「NAGA」や、AGPLライセンスで公開されている「Mortal」といったAIを用いた外部サービスに頼らざるを得ない状況もあった。アプリそのものに「Mortal」での解析が実装されている『麻雀一番街』や、「NAGA」と緊密に連携していた『天鳳』の後塵を拝してきたといえる。今回の「MAKA」の実装は、そうした状況を打破する狙いがあるのだろう。

なお肝心の「MAKA」の精度については今後の評価が待たれるところだ。「MAKA」はオリジナルの牌譜分析システムとされており、「NAGA」や、「Mortal」とはまったくの別物だと思われる。

ちなみにSNS上ではすでに朝倉康心氏や綱川隆晃氏といった複数のプロ雀士が「MAKA」を試用してみた感想を投じており、基本に忠実で平面の精度は高いようである（平面：対局相手を考慮せず自分の手牌だけ見る場合のこと）。一方で早めにオリた場合などは評価が低くなる傾向があり、極めてハイレベルな局面では解析が機能しないこともあるようだ。AIは常に正解を示してくれるものではないと理解した上で利用する必要があるだろう。

いずれにせよ今回の「MAKA」の実装により、『雀魂』でも手軽にAIによる解析が可能となった。ベータ版の現在は四人麻雀にしか対応していないが、三人麻雀の分析も鋭意開発中とのことである。オンライン対戦型麻雀ゲーム界に投じられた新たな一手により、今後ますます麻雀が活気づいていくことに期待したい。

『雀魂』はPC/Android/iOS向けに基本プレイ無料で配信中だ。