2000年代東京・オカルトサスペンスゲーム『イタチの家渡り』発表。事故物件に住んで怪異事件を解き明かす、ゼロ年代サブカル怪異譚
room6は9月22日、『イタチの家渡り』を発表。本作は事故物件に住むアルバイトをきっかけとして、2000年代のサブカルチャーに関連した怪異事件に挑むアドベンチャーゲームだ。

room6は9月22日、『イタチの家渡り(イタチの家渡り Wandering Through 2000s Tokyo Culture)』を発表した。対応プラットフォームはPC(Steam)で、2027年発売予定。発表にあわせて、SteamのストアページやPVなどが公開されている。
『イタチの家渡り』は、事故物件に住むバイトをきっかけにゼロ年代サブカルチャーに関連した怪異事件へと挑む、オカルトサスペンスADVである。本作の舞台は、2000年代の東京だ。メインキャラクターの大学生イタチは帰る家を失くし、いわゆる事故物件に住むアルバイトを始める。そのアルバイトは履歴書不要、衣食住つき。簡単な確認作業をするだけで、1週間後に10万円がもらえるという美味しいバイトだった。しかし物件には亡くなった前住人が遺した怪異「産土」が存在。同居する不動産屋社員・田貫たちの目的は、イタチを囮に産土を顕現させて、物件を開放することであった。心理的瑕疵物件に住むアルバイトをきっかけに怪異事件へと巻き込まれていく、ゼロ年代サブカル怪異譚が繰り広げられる。


古の東京サブカルチャーを巡る冒険はイタチと同居人の田貫、2人の視点から展開される。本作で彼らはベーシストの死にまつわる事件など、いくつかのサブカル絡みの事件に立ち向かうようだ。メインキャラクターの大学生イタチは、一般人であるため怪異がまったく見えない。代わりに抜群のコミュニケーション能力をもっており、初対面のバンドギャルやメイド相手でも情報収集が可能。彼の視点では、手当たり次第に情報を集めまくるのだという。もう一人の田貫は、人見知りであるものの、怪異を直接「視る」能力をもつ。彼の視点では、産土の攻撃を無効化しつつ情報を取得。本作の調査パートでは、対照的な2人の視点から情報を集めて、隠された真実へと迫っていくのだ。

また除霊パートでは、「産土結び」なる儀式によって、怪異の正体を突き止める。調査パートで集めた情報やアイテムを使用して、産土の名前/出身地/死因を言い当て、彼らをあるべき故郷へと還す。本作では事件の調査によって、怪異「産土」を故郷へと還していくわけだ。収録エピソードは、突然のベーシストの死とバンギャたちの情愛を巡る「百目鬼ベーシスト」。萌え文化とメイドの秘密にも迫る、メイドの殺人にまつわるストーリー「おしらさまメイド」。過労死したOLの正体に迫る、原宿ロリータと働く意味を問うという「きのこロリータ」。そしてすべての謎が解けるという、故郷との因縁に決着をつける「ななしゴシック」が収録。事件の調査中には、ゼロ年代東京のサブカルスポットを訪れ、歴史を巡る中で事件の謎が明かされていくそうだ。

本作では、ディレクター/シナリオ/プログラマーをAchamoth氏が担当している。同氏の過去作としては、ロック文化を元にしたフリーゲームを数作公開。2021年には廃墟の底で触手を育てるゲーム『触手を売る店』をスマートフォン向けに正式リリースしていた。本作『イタチの家渡り』では、元バンギャであるという同氏が、あの頃のライブハウスや原宿神宮橋、オタクやメイド喫茶、オカルトを混ぜてゲームにしたという。当時の空気が感じられる1本になっていそうだ。また本作は、一般向けには9月27日より開催予定の「東京ゲームショウ2025」に試遊出展予定となっている。会場では高円寺の四畳半で展開される、イタチと田貫のストーリーの最初がプレイ可能。ウィッシュリストに登録すると、オリジナルステッカーがもらえるそうだ。
『イタチの家渡り』は、PC(Steam)向けに2027年発売予定だ。