ソーシャルメディアの統計サービスを展開するBrandwatchは、SNS上のユーザーたちがE3 2016へ現在までにどれほどの反応を示したのかを分析したデータを公開した。調査対象となったのは「EA」「Bethesda」「Microsoft」「Ubisoft」「ソニー」のプレスカンファレンス、および「任天堂」が実施した1日目の配信イベント。統計は、SNS上で発せられたユーザーの言及の数(mention volume)に基づいてデータが収集されている。今回は各社への言及のトータルで計算し、どの程度の割合で言及されているかをパーセンテージで示すという形だ。これらはあくまでSNS上での統計としながらも、いくつかの興味深い結果が判明している。
まずプレスカンファレンスにおいては、Microsoftが頭ひとつ抜けて話題を集めるという結果となった。カンファンレンスに言及したSNS上の反応のうち、30%はMicrosoftのものとなっており、18%のUbisoftや19%のソニーに10%以上の差をつけている。Microsoftのカンファンレンスは人気シリーズの続編と新作をうまく混ぜながら最後に新ハードを発表するという、ゲームハードを開発する企業としては理想的なプログラム構成であり、ユーザーの興味を十二分に引きつけた内容であったと言えるだろう。また意外にも話題をかっさらったのが、Xbox One Wireless Controllerのカラーカスタマイズ対応だ。新ハード「Project Scorpio」に次ぐ盛り上がりを見せており、ハード・ソフトともに発表が充実していたのが注目を集めた理由のひとつといえる。
ソニーのカンファレンスも多数の大型タイトルの発表で盛り上がりを見せている。ついに発売日が決定した『人喰いの大鷲トリコ』や、Insomniac Gamesが開発していることが話題となったPlayStation 4独占『Spiderman』などが特に話題にのぼったようだ。E3開催前に言及されていた新型PlayStation 4の発表がなかったことを考えれば、十分な話題を集めたと言えるだろう。
Ubisoftはソニーに次ぐ18%の数字を記録したものの、安定性が欠けていた印象だ。冒頭に期待作『Tom Clancy’s Ghost Recon Wildlands』の詳細を公開し、出だしは良かったものの、『The Division』の紹介に移ったところで注目度は急落。『For Honor』や『Watch Dogs 2』といった期待作で盛り返したものの、中盤の低調さを脱せずに終わってしまった。
Electronic Artsの発表は、堅調な推移を見せ14%の話題を獲得した。正式にお披露目となった『Titanfall 2』のほかにも『Star Wars: Battlefront』のVR対応が話題となり、もともと期待度の高かった『Battlefield 1』は勢いそのままにユーザーに語られることとなった。
Bethesdaのカンファンレスは9%と、ほかのカンファレンスと比較するとSNS上ではあまり話題にされない結果となった。『The Elder Scrolls V: Skyrim』のリマスター版の発表などで盛り上がりを見せたものの、期待されていた『TES VI』など昨年の『Fallout 4』に匹敵する発表がなかったという影響が大きかったのかもしれない。
今年の任天堂はカンファレンスをとりやめ、特定のタイトルを扱うライブイベントをおこなった。その影響か、SNS上で言及された割合もBethesda のカンファレンスと同じ9%となり、ほかのカンファレンスと比較すると低い割合となった。ただこのデータはDay1のみを対象にしたものであり、またDay1にて発表されたのは『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』と『ポケットモンスター サン・ムーン』の詳細のみ。次の日に開催されたDay2のデータは含まれていない。
これまではイベントという括りでSNS上での人気を考察してきたが、ゲームタイトルという観点から見ると、異なるものが見えてくる。特に任天堂のライブイベントで発表された『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』は2位のタイトルの倍近くの話題を集め、現在までのE3 2016においてもっとも語られたゲームタイトルとなった。同作の人気は現地メディアのPolygonでも報じられており、160台という量の試遊機がありながら、現在でも長蛇の列が並び続けているという。2番目に話題を集めたのは『Battlefield 1』。先日公開された映像がYouTubeで大好評を得るなどその人気は折り紙付きだったが、E3でも存在感を示すこととなった。