インテルのCPU「Core Ultra 200S」シリーズ、今後のBIOSアプデで“ゲーミング性能大幅強化”をアピール

「Core Ultra 200S」シリーズについて、インテルはBIOSアップデートを今後も配信すると発表。インテルによれば、このアップデートによりパフォーマンスが大きく向上するとされている。

インテルは2024年10月にCPU「Core Ultra 200S」シリーズをリリースした。またインテルは先日より開催されているテクノロジーの見本市「CES 2025」に出展。同イベントでは、Core Ultra 200Sに関して、今後のBIOSアップデートによって、ゲームパフォーマンスが平均で17%ほど向上すると発表された。

Core Ultra 200Sシリーズは、「Arrow Lake」というコードネームで開発され、10月25日に発売されたデスクトップPC向けのCPUだ。昨年リリースされた「Core Ultra シリーズ1(Meteor Lake)」に続く世代の製品となる。Core Ultra 200Sには5種類のラインナップがあり、一番下位となるCore Ultra 5モデルにおいても、P-core数が6、E-core数が8の14スレッドとなる。

さらに本シリーズはNPUを搭載したモデルであり、省電力でAI処理がおこなえることが特徴とされる。発売前にはゲーミング性能について、従来のCPUからの電力効率の劇的な改善などもアピールされていた(関連記事)。

Image Credit: Intel, wccftech on Web

しかしながらCore Ultra 200Sシリーズについては、プレビュー記事を含めた一部環境についてカタログ通りのスペックが発揮できないと報告が寄せられていた(関連記事)。これに対しインテルは発売後から4~6週間をかけ調査。原因を究明しすでに複数の問題が解消済みであるとの報告とあわせて、BIOSに向けた新たなパフォーマンス最適化を図るため、アップデートを配信することで修正をおこなっていた。

今回インテルは、そんなCore Ultra 200Sシリーズに向け、さらにBIOSアップデートを配信する予定としている。インテルによれば、このアップデートによりさらにゲームプレイ時におけるパフォーマンスが向上するとのこと。

具体的には、リリース時のCore Ultra 200Sシリーズと比較し、『サイバーパンク2077』で26%、『DOTA 2』で21%、『Far Cry 6』で16%の改善が見込まれるという。またゲーム以外にも、ベンチマークソフト「3DMark」のTime Spyスコアは97%増、CPUスコアのみに限れば10%増が確認できたとしている。「Cinebench」によるシングルコアテストでも52%のスコア増加がみられたとのこと。

とはいえ、先述のゲームのパフォーマンス向上については、比較に「Reviewer Config」との表記があるものの、どのような環境・条件でおこなわれたのかは明示されていない。これまでのBIOSアップデート以上の劇的向上が謳われていることもあり、新たなアップデートにて今回示されたようなパフォーマンス向上が実際にみられるかどうかは注目されるところだ。

昨年には13/14世代の一部ハイエンド向けプロセッサーにおいて、不安定性の問題の対策にも追われていたインテル。同社による、製品の安定性およびパフォーマンスに関するユーザーからの信頼回復への取り組みを継続していると見え、今回のBIOSアップデートも、そうした流れを汲んだものだと思われる。ゲーミング性能の大幅改善がアピールされたアップデート配信後の動向にも注目が集まる。

Kosuke Takenaka
Kosuke Takenaka

ジャンルを問わず遊びますが、ホラーは苦手で、毎度飛び上がっています。プレイだけでなく観戦も大好きで、モニターにかじりつく日々です。

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