インディースタジオのAlderon Gamesは7月11日までに、インテルの一部CPUの問題についての声明を発表した。インテルより発売されている13世代、14世代の一部CPUの不具合について、対応や見解を述べている。
Alderon Gamesはオーストラリアのビクトリア州に拠点を置く、独立系のインディーゲームスタジオだ。同スタジオは、オープンワールドの恐竜サンドボックスMMOゲーム『Path of Titans』などを手がけている。同作でプレイヤーは恐竜となり、自然豊かなフィールドに降り立つ。また友人や見知らぬ人との協力プレイも完備。最大200人のプレイヤーが存在するフィールドで、恐竜として生き抜いていくのだ。
Alderon Gamesの創設者Matthew Cassells氏は、そんな本作の開発・運営チームについて、インテル製CPUの安定性にかかわる「重大な問題」に遭遇している、と声明を発表した。同声明では、「インテルが欠陥のあるCPUを売っている」と名指し。具体的には、インテル製の第13世代、第14世代CPUに不具合があるとしている。ユーザーや開発チームなど、複数の分野にまたがって不具合が報告されているという。
まずエンドユーザー、つまりプレイヤーからの不具合報告として寄せられるクラッシュレポートでは、で数千件のクラッシュが報告されているという。ほかにも該当のインテル製CPUを使用しているという公式・非公式のゲームサーバーでは、頻繁にクラッシュが発生するそうだ。さらに本作開発チームは、該当のCPUを利用している開発機で作業中にPCが不安定になるなどの症状に出会うという。さまざまな箇所で、問題が報告されているようだ。
インテル第13世代、第14世代CPUにおける動作不安定化の問題は、Alderon Games以外からも報告されており問題視されている。特にハイエンド向けの、K/KF/KSモデルのCPUにてその傾向は顕著。一定期間の使用を経たのちに、高負荷な状況になると動作が不安定になるという症状が多数報告されている。別タイトルでの症例としては、Epic Gamesが手がける『フォートナイト』でも不具合が見られる模様。同作ヘルプページにて、ゲームがクラッシュする問題への対処法が案内されている。
販売元のインテルもこの問題は把握しているようで、6月中旬には調査の中間発表をおこなった。対策として、BIOSアップデートというかたちでのパッチも展開しているものの、根本的な原因は判明しておらず、現在も調査が進められているようだ。
この問題に対し、Matthew氏は公式サーバーのCPUをすべてAMD製のものに換装していくと発表。AMD製CPUではクラッシュは“インテルCPUの100分の1”になるとしている。加えてインテル製の第13世代、第14世代CPUをサーバーのホスティングに使用しないよう呼びかけ。該当CPUを利用しているユーザーへの注意喚起として、ゲーム内にポップアップメッセージの追加もおこなうとのこと。
そしてMatthew氏は声明の最後に、インテルに対して「インテルのためにも、(問題のある)CPUをリコールし、返金対応してほしい(For Intel’s sake, we hope they recall these CPUs and refund consumers)」と苦言を呈した。なおCPUにおける不具合は、今回の製品に限らずしばしば報告されることがある。そうした不具合について、ゲーム開発元が名指しで言及・批判するのは珍しいことといえる。とはいえ、インテル製の第13世代、第14世代CPUについては、あまりの報告の多さや影響の度合いを鑑みて、開発元という立場からも意見を投じずにはいられなかったかたちだろう。
『Path of Titans』はPC(公式ゲームランチャー)/PlayStation 4/PlayStation 5/Xbox One/Xbox Series X|S/Nintendo Switch/Android/iOS向けに配信中だ。