ゲーム開発者間で、「自分の作品の15秒トレイラー」投稿が流行る。短いけど短すぎない、分かりやすさ絶妙動画集まる
X上でインディーゲーム開発者を中心に、自分が手がけているゲームを15秒で紹介する動画の投稿が流行を見せている。短い時間ながらも、ゲームプレイを巧みに紹介している動画が集まっている。
発端になったとみられるのは、個人開発者のvidhvat氏のポスト。同氏が制作中のゲーム『TAMASHIKA』を「my indie game for 15 seconds」という文面と共に15秒の動画で紹介したポストだ。
『TAMASHIKA』はFPSであり、チェックポイントが無く死ぬたびに最初からやり直すゲームとなっている(関連記事)。日本語の文字や虹色を使った刺激的なビジュアルが特色であり、15秒の短い時間でゲームプレイとグラフィックの双方が伝わる紹介動画だろう。個性的な作風が注目されたことからか本稿執筆時点で1.7万リポスト・14万いいねを記録。そんなvidhvat氏のポストに倣って、インディー開発者を中心に自作ゲームを15秒間の動画として切り抜き、「my indie game for 15 seconds」としてポストする宣伝が流行している。
たとえば、個人開発者のRJ氏の上記ポストもそのうちのひとつだ。同氏の15秒動画では制作中のターン制戦略ゲーム『Mecha Simultactics』の特徴が紹介されている。同作は一見すると一般的なターン制戦略ゲームのように見えるものの、毎ターンアクションを選択して行動する目まぐるしいバトルが特徴になるようだ。使用できるアクションは、前のターンの結果に左右されるとのこと。動画では、パリィにより相手をひるませて攻撃し、次のターンで追撃を続けるシーンがピックアップされており、UIデザインなどを含めた持ち味が15秒間で素早くアピールされている。
また、日本語圏の個人開発者にも流行は伝わっている。個人開発者のNamaTakahashi氏は、同氏の次回作である『Öooo』の15秒プレイ動画を投稿(関連記事)。上記の動画からは、爆風を移動手段として利用できる点や、ピンク色の爆弾から爆発するといったゲームシステムが確認可能。この場面では「ハエを取り、通路をふさぐカエルに食べさせる」ことが目標であった点も分かりやすい。
15秒という短い時間ながら、パズルゲームなどの複雑なルールも動画でなら直感的に分かりやすく、さまざまな開発者が自分のゲームの紹介を寄せ合っているわけだろう。なおこうしたSNS上でショート動画を使ってゲームのプロモーションを行う流行は以前にも見られ、11月には「3秒トレイラー」が数多く投じられていた(関連記事)。一方で3秒トレイラーは流石に短すぎるからか、インパクトと勢いで押し切るシュールさもある動画も多く見られた。
今回は15秒の動画にて、少なくとも3秒トレイラーよりはじっくりとゲームを紹介する動画が流行している格好だ。短時間でゲーム内容を使えるショート動画は広告などでも活用されているものの、15秒というとかなり短い部類。とはいえ今回は開発者自らが制作していることもあり、ゲームの見どころを上手くまとめたこだわりの15秒動画が多く投じられているようだ。
この記事で紹介した以外にも、tiny cactus studioが開発中の『絶対ロケット防衛主義』など国産ゲームも含め(関連記事)、ジャンルを問わない15秒トレイラーが「my indie game for 15 seconds」としてXに多数投稿されている。独自性のある新作ゲームが多数紹介されているため、ぜひチェックしてみてほしい。
【UPDATE 2025/2/5 15:25】
本文中の表現を一部修正