「HUNTER×HUNTER」の対戦格闘ゲーム『HUNTER×HUNTER NEN×IMPACT』オーストラリアでなぜか発売禁止に。レーティングを取得できず
ブシロードが手がける対戦格闘ゲーム『HUNTER×HUNTER NEN×IMPACT』について、対象年齢を決定するレーティング機関での審査において、オーストラリアでは「Refused Classification(審査拒否)」と判断されたことが明らかになった。同国では発売できないことを意味する。
本作は、冨樫義博氏の人気漫画「HUNTER×HUNTER」をもとにした2D対戦格闘ゲームだ。PC(Steam)/Nintendo Switch/PS5向けに2025年内に発売予定。開発は、『ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3』や『NARUTO-ナルト- 激闘忍者大戦!』シリーズなど、格闘ゲームや漫画・アニメ原作ゲームに携わった実績をもつエイティングが担当している。
『HUNTER×HUNTER NEN×IMPACT』には、ゴンやキルア、レオリオ、クラピカ、ヒソカなど、原作のキャラクターたちが多数登場し、3対3のチーム制にてプレイする。ゲームモードには、ストーリーモードやオンラインバトルモードなどが収録。ボタンを連打するだけで強力なコンボを繰り出せるラッシュコンボや、オーラゲージを溜めて繰り出す超必殺技オーラアーツ、チームが受けたダメージ量に応じてパワーやスピードなどがアップするオーバーギアといったシステムが特徴だ。
本作は、もともと2024年内の発売が予定されていたが、オンライン対戦向けにロールバックネットコードを導入することを理由に2025年へと延期。そして発売に向けて、本作の対象年齢を決定するレーティング機関での審査が世界各国・地域にて進められている。そのうちオーストラリアでは11月18日に審査結果が公開され、「Refused Classification(審査拒否)」と判断されたことが明らかに。同国の審査機関Australian Classificationは政府組織であり、この結果は同国内での発売禁止を意味する。
「Refused Classification(審査拒否)」とは、もっとも高い年齢区分である「R18+(18歳以上対象)」にも収まらない表現が作品に含まれており、レーティングを付与しないということ。作中の暴力表現や性的表現、薬物表現、児童虐待表現などの内容で判断される。ただAustralian Classificationは、本作を審査拒否とした理由については公開しておらず、何が問題だったのかは現時点で不明だ。また、同国での販売元アークシステムワークスからも特に発表はない。
ほかの国・地域での本作のレーティングを確認してみると、韓国では12歳以上対象、ドイツでも同じく12歳以上対象という審査結果が公表されている。また日本でも、公式サイトではまだ審査中とされているが、SteamストアページにはCERO: B(12歳以上対象)のマークが確認できる。つまり本作は、基本的には比較的対象年齢の低い内容であるが、オーストラリアでは特定の表現が問題視された可能性がありそうだ。
ゲームのリリースにおいて、オーストラリアはレーティング審査が厳しいことで知られてきたが、発売可能な年齢区分に「R18+(18歳以上対象)」が2013年に導入されてから、徐々に緩和されてきている。一方で、特定の表現により審査拒否とされる例はあり、たとえばアクション・アドベンチャーゲーム『We Happy Few』は薬物の使用が報酬に結びついているとして一時審査拒否とされた(関連記事)。また、シューティングゲーム『デススマイルズI・II』では、18歳未満とみられる子供の描写について不快に感じさせるとして審査拒否と判断されている。
本作『HUNTER×HUNTER NEN×IMPACT』には、原作にて18歳未満と設定されたキャラクターが複数登場する。そうしたキャラクターのゲーム内での何らかの表現が問題視されたのだろうか。また一部では、原作にて描かれたD²という麻薬が、本作で使用できるのではないかと推測する意見もみられる(GamesRadar+)。なお「HUNTER×HUNTER」の過去のゲーム作品では、オーストラリアでの審査において特に問題はなかった模様。弊誌では、本作を審査拒否とした理由についてAustralian Classificationに問い合わせており、回答があれば追記する。
『HUNTER×HUNTER NEN×IMPACT』は、PC(Steam)/Nintendo Switch/PS5向けに2025年内に発売予定だ。