世界大会開催中の『League of Legends』をネット観戦、試合序盤で注目すべきポイントとは

『League of Legends』観戦の手引きシリーズ第4回目は、「ゲーム序盤」について解説。LoLは毎試合Lv1からスタートし、時間帯ごとに装備やスキルをどの程度まで取得しているかや、Towerとチャンピオンとの強さの関係が変化していくことになり、必然的に戦いの焦点も時間帯ごとに変化していく。

League of Legends』(以下、LoL)観戦の手引きシリーズ第4回目は、「ゲーム序盤」について解説する。LoLは毎試合Lv1からスタートし、徐々に成長しながら敵チームと戦っていくゲームだ。そのため、時間帯ごとに装備やスキルをどの程度まで取得しているかや、Towerとチャンピオンとの強さの関係が変化していくことになり、必然的に戦いの焦点も時間帯ごとに変化していく。今回はまず、序盤の戦いとその見どころについて解説する。

 

序盤の戦い

各ポジションの動き

両チームがチャンピオンを選択し終えたら、いよいよ試合開始だ。まず最初にチームのメンバーはフィールド上にある三つの道(レーン)へと散らばり、雑魚キャラであるミニオンを倒していくことが最初の目的となる。

試合が始まったばかりのチャンピオンは装備も無くレベルも低く、敵陣地へのレーン上に存在するTowerに対抗することが困難なのだ。ミニオンを自らの手で倒すとお金と経験値を得られるので、最初はミニオンを確実に倒していくことが重要だ。敵チームも同様にミニオンを倒しにやってくるため、おのずと三つのレーンでは敵味方が衝突することになる。

レーン上では、ミニオンを倒すことと、同レーン上の相手チャンピオンの邪魔をすること(そして可能なら倒すこと)を平行して行い、いかに相手よりも早く強く成長できるかどうかがこの時間帯の重要なポイントだ。また、レーンの間を行き来するJungleというポジションの加勢で数的有利を作り、一気に相手を倒す戦術も一般的な選択肢だ。

このような時間は概ね試合開始から10分程度続き、中盤以降への布石として各チームが丁々発止の戦いを繰り広げる。

左からTop、Mid、Botレーンのレーン戦の様子。主に各レーンで戦況が展開するため、「レーニングフェーズ」とも呼ばれる。序盤が終わる目安は、いずれかのTowerが折れるか、Dragon争奪戦が起こるか、くらいだ。
左からTop、Mid、Botレーンのレーン戦の様子。主に各レーンで戦況が展開するため、「レーニングフェーズ」とも呼ばれる。序盤が終わる目安は、いずれかのTowerが折れるか、Dragon争奪戦が起こるか、くらいだ。

 

JUNGLEの介入

レーンを担当するチャンピオン達の戦いは、その相性やプレイスタイルからどちらが優勢になるかはある程度決まってしまう。しかし、ここに第三者が介入するとなればもちろん事態は全く異なってくる。そこで登場してくるのがJungleを担当するチャンピオン達だ。彼らはレーンとレーンの間にあるジャングルと呼ばれるエリアの中でモンスターを倒して成長し、ときにレーンの加勢へと駆けつける。このプレイングを実況などでは「Gank(ガンク)」と呼んでいる。上手く仕掛けることができれば2vs1の状況を作って、不利な相性の相手を倒してしまうことも可能だ。そこで得た資金を元に相性をひっくり返してしまうことすらある。

観戦しているときはマップ全体が見えているので分かりづらいが、LoLというゲームはもともとWardなどで視界を確保しないかぎり、茂みの中などが見えない有限情報のゲームである。実際にプレイしたことのある方はわかると思うが、ジャングル内などは何もしないと「真っ暗」な状態なのだ。この情報の差の存在が、ゲーム上でのJungleの「奇襲作戦」を実現可能にしている。これがGankだ。もちろんレーン上のプレイヤーもそれをわかっているので、Wardをレーダーのようにばらまいて視界をうまく確保し、奇襲を未然に防いでくる。こういった情報による攻防もこの時間帯の醍醐味である。

無論、敵側も同じようにGankを仕掛けてくるので、序盤は特にどのタイミングでどのレーンに対してGankを仕掛けるかに、チームの戦略やチームの力関係が見えてくることがある。レーンを離れたチャンピオンにカメラが当たれば、それはGankからゲームを動かそうという意志が見てとれる瞬間だ。観戦の際は、仕掛けるタイミングに注目してほしい。

 

レーンスワップ

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特にプロプレイヤーの対戦でよく見られる。もともとのレーンの担当にこだわらず、有利な立ち回りを求めて別のレーンと立ち位置を交換してしまう作戦だ。最もよく見られるのがBotとTopのレーンスワップであり、一人でレーンを担当している相手TopをBotの二人組で成長させないよう圧倒してしまう作戦だ。もちろんその間BotレーンはもともとのTopが担当することになり、敵二人組を相手にして遅れを取らないチャンピオンの組み合わせ、あるいは腕前が必要とされる。

これに対応して相手もレーンスワップをしてくる可能性があり、その場合はTopとBotがそっくり入れ替わった対戦が展開されることになる。もちろん状況に応じて流動的にスワップを元に戻したり、あるいは早々にTopタワーを破壊してしまうなど、レーンスワップは序盤から展開の早い対戦になることが多い。もしレーンスワップがおきていたら、そういった各チームの警戒点に注目してみると一層楽しめるだろう。

 

今回はLoLの試合における序盤のポイントを解説した。ゲーム開始直後のチャンピオンは、フィールド上で特に強力な存在ではなく、Towerを巡る戦いなどはかなり慎重に進められることになる。しかし、この時間帯に作ったリードを中盤、そして終盤まで維持し、さらに大きくしていくことは勝利を得るために欠かすことができない。

一瞬たりとも気を抜くことが許されない序盤のやり取りに注目してほしい。

 

[記事原案: ユラガワ@Wired-Lynx]
[構成編集: 山口佐和子岡野繁浩]


『League of Legends』観戦の手引き
vol.1: いよいよ始まる世界大会、『League of Legends』の試合をネットで観戦するには?
vol.2: 『League of Legends』ネット観戦の予備知識、まずは試合の基本的な流れを知ろう
vol.3: 『League of Legends』TOPやJUNGLEなど、チームメンバーが担当する5つのポジションとは
vol.4: 世界大会開催中の『League of Legends』をネット観戦、試合序盤で注目すべきポイントとは
vol.5: 世界大会配信で盛り上がる『League of Legends』、試合中盤の見どころを解説
vol.6: 『League of Legends』試合終盤を彩るのは華々しいぶつかり合い。劇的な幕切れを目撃せよ

Sawako Yamaguchi
Sawako Yamaguchi

雑食性のライトゲーマー。幼少の頃からテレビゲームに親しむが、プレイの腕前は下の下。一時期国内外のTRPGに親しんでいたこともあり、あらゆるゲームは人を楽しませるだけでなく、そのものが出発点となって人と人を結びつけ、新しい物語を作る力を持っていると信じている。2012年から始めた『League of Legends』について、個人ブログやTwitterにて日本語で情報発信を続けている。

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