ふるさと納税の返礼品で「TRPGシナリオ」がもらえると話題に。岡山県西粟倉村・地元林業団体が、現地舞台のケモノ林業シナリオ「Hour cry」を制作

プレイヤー同士でコミュニケーションを取り、セッションをしながら遊ぶテーブルトークRPG。とあるシナリオが岡山県西粟倉村のふるさと納税の返礼品となったことがSNS上で話題になっている。

プレイヤー同士でコミュニケーションを取り、セッションをしながら遊ぶテーブルトークRPG(以下、TRPG)。そのTRPGのとあるシナリオが岡山県西粟倉村のふるさと納税の返礼品となったことがSNS上で話題になっている。

今回ふるさと納税の返礼品となったのは『エモクロアTPRG』のシナリオだ。『エモクロアTPRG』とはダイスタス・チームによって企画・制作されたTPRG。舞台となるのは現実とよく似た、怪異エモクロアが人々の傍らに存在する世界。プレイヤーキャラクターは共鳴者と呼ばれ、ディーラーによってつむがれる物語に共鳴しその当事者となる。こちらは『エモクロアTRPG』公式サイトにて、ルールブックやキャラクターシート、サンプルシナリオなどがダウンロード可能だ。なお「エモクロア」とは、エモーショナル(感情)とフォークロア(伝承)を組み合わせた言葉となっている。

そんな『エモクロアTRPG』向けシナリオ「Hour cry(あわくら)」が、岡山県西粟倉村(にしあわくらそん)のふるさと納税の返礼品として選択できることが発表された。これのシナリオは、西粟倉村の林業者を中心とした地元団体である「西粟倉百年の森林協同組合」が手がけているという。

同シナリオは実際の西粟倉村を舞台としているという。西粟倉村に訪れた共鳴者は突如として木工と林業の特徴を持った「モリケモ」に代わってしまう。ケモノ化と同時に、共鳴者はモリケモとしての追加技能を取得。技能を駆使して情報収集をしたり、ミニゲームを有利に進めながらシナリオに参加していくことになるとのこと。なおシナリオ内では実際の西粟倉村の施設も登場するようだ。

Image credit by:西粟倉百年の森林協同組合 エモクロアTRPGシナリオ「Hour cry」プロジェクト

また「Hour cry」の特徴として、シナリオのプレイの生配信と視聴者参加を推奨している。チャットにコメントを投稿するなどして、配信の視聴者がストーリーに参加して楽しむことができるようになっているという。

また発表にあたり、『エモクロアTRPG』シナリオ「Hour cry」公式Xアカウントは、本プロジェクト実現に至るまでの経緯も公開している。同アカウントによると、プロジェクト開始初期、西粟倉村民のなかでTPRGを知っている人は「3人しかいなかった」という。そのため約1年をかけた“TRPG布教活動”を実施、初心者用シナリオ「モリとケモノ」まで制作し体験会をおこなったという。その他西粟倉村役場のフットワークの軽さなど、さまざまな努力や巡り合せが重なり、晴れて実現に至ったという。

そんな投稿はさっそくSNS上で反響を呼んでおり、ふるさと納税の返礼品が「TPRGのシナリオ」であるという思いがけない組み合わせに多くのユーザーが驚嘆の声を上げているようだ。また「西粟倉百年の森林協同組合」の行動力もさることながら、プロジェクトを推進し公認した西粟倉村の柔軟な対応を称賛する声が上がっており、西粟倉村のポジティブなプロモーションとしてもすでに一定の効果が上がっているかもしれない。興味を持たれた方は西粟倉村への寄付を検討してみてはいかがだろうか。

『エモクロアTRPG』シナリオ「Hour cry」は西粟倉村ふるさと納税特設サイトにて、寄附金額7000円の返礼品として選択可能。また西粟倉百年の森林協同組合BOOTHでも税込2000円にてシナリオが頒布されている。

Jun Namba
Jun Namba

埼玉生まれBioWare育ちです。悪そうなやつはだいたいおま国でした。RPG全般が好きですが、下手の横好きでいろいろなジャンルに手を出しています。

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