Steam350円・後部座席ホラー『The Deadseat』“怖面白い”とブームの兆し。ひとりぼっちで挑む、「侵入者」との緊迫の攻防ホラー

Curious Fox Soxは5月15日、車の後部座席を舞台としたホラーゲーム『The Deadseat』をリリースした。さっそく高い評価を得ている。

デベロッパーのCurious Fox Soxは5月15日、ホラーゲームThe Deadseatをリリースした。対応プラットフォームはPC(Steam)。また、一部機能が存在しないバージョンがPC(itch.io)向けに、ユーザーが価格を決めるName your own price方式で配信中。

『The Deadseat』は自動車の後部座席を舞台としたサバイバルホラーゲームである。主人公は親の運転する車の後部座席にいて、祖母の家からの長い帰り道を退屈に過ごしている。しかも両親は喧嘩を始めてしまい、車内の空気は最悪だ。携帯ゲーム機だけが唯一の心の慰めという状況だが、ここで奇妙なことが起こり始める。ゲーム内の状況が現実にも反映されるのだ。ゲーム内で獲得したアイテムは後部座席にも出現する。さらに後部座席には恐ろしい怪物が侵入しようとしてくる。アイテムを駆使して怪物を撃退しなければならない。

ゲームプレイは携帯ゲーム機のミニゲームと、後部座席の防衛の2つを同時にこなすことで進んでいく。ミニゲームは車を左右に動かして、道路に配置されているガソリンを回収するといったものだ。帰り道のドライブを成功させるためにはガソリンを満タンにしなければならないというルールらしい。

一方で、ミニゲームの進行中にも怪物が侵入を試みてくる。プレイヤーは後部座席の左・右・後ろに気を配り、撃退する必要がある。ミニゲーム進行中にも周囲の音だけは聞こえる。何か聞こえたらすぐさまゲームを置いて、音のした方向にアクションしなければならない。

こうした基本的なゲームやストーリーはitch.io版でも体験することができるため、気になった方は、まずitch.io版をプレイしてみるのも良いだろう。Steam版では高難度でストーリーのボリュームが増した「Hard Mode」をプレイ可能となっている。

そんな本作のSteamユーザーレビューは本稿執筆時点で59件、そのうち98%が好評とする「非常に好評」のステータスを獲得している。本作では後部座席のホラーな演出と、ゲーム内に登場する携帯ゲームのレトロな雰囲気とのギャップが、恐ろしさとノスタルジーをともに引き立て合っている。また怪物の侵入を防ぎつつゲーム内ゲームをプレイするというダブルタスクも緊張感を高めている要素。そうしたゲームプレイを『Five Nights at Freddy’s』になぞらえる声もみられる。短編作品ながら、安価で濃密な時間が味わえると好評だ。

本作の開発を手がけたのは3人組のインディゲームデベロッパーCurious Fox Sox。同デベロッパーは現在ホラーゲーム『Feed The Pit』を開発中で、完成が近くなってきたものの、予想以上の時間がかかってしまったという。そこで、この長い開発期間を経て「今の自分たちなら短いゲームの1本くらい24時間で簡単に作れる」との意気込みで、実際に作ってみたのが『The Deadseat』の発端となった。

開発の様子はYouTubeで公開されているものの、どうやらまったく簡単な道のりではなかったようだ。ゲーム開発に興味がある方は見てみるのも良いだろう。いずれにせよ、その際に開発されたゲームをベースに『The Deadseat』としてitch.io版がリリース。そしてこのたび追加要素と共にSteam版がリリースを迎えた。

ちなみに上述したYouTube動画の概要欄には、「24時間で完成したオリジナル版」がダウンロードできるGoogle ドライブへのリンクも存在している。itch.io版や、完成度を高めたSteam版と比較するのも面白いかもしれない。


『The Deadseat』はPC(Steam)向けに配信中。通常価格の税込350円で購入可能だ。

Naoto Morooka
Naoto Morooka

1000時間まではチュートリアルと言われるようなゲームが大好物。言語学や神話も好きで、ゲームに独自の言語や神話が出てくると小躍りします。

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