『ヘルダイバー2』開発元トップ、レビュー爆撃状況を受けて“バランスだけ重視しすぎた”と反省示す。QA体制を倍増し「もっと楽しく遊べる」調整方針にする

『HELLDIVERS 2(ヘルダイバー2)』の大型アップデートにおける“ナーフ調整“に多くの批判が寄せられている状況について、同社のCCOは「バランス調整を重視しすぎた」とユーザーに対して説明している。

Arrowhead Game Studiosは8月14日、『HELLDIVERS 2(ヘルダイバー2』の大型アップデートにおける火炎放射器などの“ナーフ調整“に多くの批判が寄せられている状況について、新たなバランス調整の方針を再検討すると発表していた。しかしユーザーコミュニティからの不満の声は収まらず、8月30日、同社のCCOは「当初の開発方針から外れてしまい、バランス調整を重視しすぎた」とユーザーに対して説明している。

本作は、見下ろし視点型シューター『HELLDIVERS』の続編となるTPSだ。プレイヤーはスーパーアース連邦のエリート部隊ヘルダイバーの一員となり、宇宙生物のムシ(ターミニッド)や、オートマトンと呼ばれる殺人ロボットの大群に立ち向かうミッションに挑む。自由と管理民主主義を守るため、銀河を舞台とした戦いに身を投じるのだ。PC版とPS5版の間でのクロスプレイがサポートされており、最大4人でのオンライン協力プレイに対応している。

本作に向けては先日8月6日に大型アップデート「自由の激烈(The Escalation of Freedom)」が配信された。同アップデートでは新たな最高難易度となる「難易度10 – スーパーヘルダイブ」の実装や、新種の敵などさまざまな新要素が実装。しかし戦略支援武器である「火炎放射器」が不具合修正の影響で“実質弱体化”した点などでコミュニティから多くの不満の声が上がっている。


そのコミュニティの不満はSteamレビューの状況にも反映されており、アップデートを受けてのち、本作のSteamユーザーレビューも8月6日付近を境に不評レビューが急増している。また直近30日間のユーザーレビューでは1万2000件中38%が好評とする「やや不評」ステータスとなっており、いわゆる“レビュー爆撃”のような状態といえる。

これを受けてArrowhead Game Studiosは8月14日に声明を発表。“弱体化” バランス調整への批判を受け止め、ゲームバランスは楽しくあるべきとの方針を発表し、今後60日間で計画されているアップデート内容を明かした(関連記事)。しかしそういった声明を受けてなお、レビュー状況の改善には至っておらず、ユーザーからの信頼は回復できていない状況ともいえる。

この状況について、Arrowhead Game StudiosのCCOであるJohan Pilestedt氏は現地時間8月30日、公式Discord上で発言。同氏は元々スタジオのCEOを務めていた人物で、今年5月からはCCOとして本作の開発により深く携わってきた。今回同氏はユーザーに対して、次回予定しているアップデートでは本作のローンチ時に意図していたような、楽しく、遊び心にあふれた体験を提供できると語っている。


加えて同氏は、Arrowhead Game Studiosの従来の調整方針についても述べた。本作の開発時には、バフやナーフといった調整よりもプレイヤーがワクワクするような楽しい体験を提供することを重視していたものの、リリース後は“メタ”や“バランス”といった点に調整の方針が重点的に置かれるようになってしまっていたという。

同氏はこういったユーザーからの反応を受けた上で、認識するのが「遅すぎた(In my view, too late.)」と反省を述べつつも、今回のアップデートのような事態が起こらないよう、QA体制を倍増させたとも語っている。批判を受け止めた上で、改善に取り組む姿勢を改めて明らかにしたかたちだ。

本作史上最大とされるアップデートと共にコミュニティで巻き起こった、バランス調整への批判。開発元はそうした声を受け止め、かねてより“60日間の計画”でバランス調整に対するアプローチを再検討していくことを述べていた。そして今回は同社のCCOからも「“バランスがとれている”ことを重視しすぎた」との反省と、改善のためのQA体制の強化がユーザーコミュニティに語られたかたちとなる。本作の次のアップデートでどういったかたちの調整がおこなわれるのか。そしてユーザーコミュニティからの信頼を回復することができるのか。今後の動きに注目したいところだ。

『HELLDIVERS 2』は、PC(Steam)/PS5向けに配信中だ。

Jun Namba
Jun Namba

埼玉生まれBioWare育ちです。悪そうなやつはだいたいおま国でした。RPG全般が好きですが、下手の横好きでいろいろなジャンルに手を出しています。

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