PS1風サバイバルホラー『Heartworm』大好評スタート。ローポリホラーと現代風システムの融合、敵を「撮影」してやり過ごす緊迫逃走劇

DreadXPは日本時間8月1日、『Heartworm』をリリースした。本作は1990年代後半テイストのサバイバルホラーゲームだ。

パブリッシャーのDreadXPは日本時間8月1日、Vincent Adinolfi氏が手がけるサバイバルホラーゲーム『Heartworm』をリリースした。対応プラットフォームはPC(Steam)。ゲーム内は日本語表示に対応している。本作はリリース直後からさっそく高い評価を受けている。

『Heartworm』は1990年代後半テイストのサバイバルホラーゲームである。主人公は、祖父の死から立ち直れずにいる女性「サム」。サムは祖父ともう一度会いたいという想いに駆られ、日々インターネット検索にのめり込んでいる。ある日、死後の世界とつながりがある謎の家が山中深くにあるという情報を見かけたサムは、危険も顧みずその家へと向かうことにする。

ゲームプレイでプレイヤーはサムとして探索することになる。移動の操作方法は、前進・後退・方向転換の「タンク操作(いわゆるラジコン操作)」と、入力方向に移動する「モダン操作」を選ぶことが可能。また、攻撃時のエイム操作も、構えたときに三人称視点に切り替わるかどうかを選択できる。昔ながらのラジコン操作で懐かしさを感じるもよし、慣れた操作方法で快適にプレイするもよしというわけだ。なお、筆者が確認したところ、タンク操作に限り、後退しながらダッシュ入力をすることでその場で反転をおこなえるようだ。

そして探索で重要となるアイテムのひとつがカメラである。フィルムを消費して写真を撮ると、敵を一時的にスタンさせることができる。接敵時にはフィルムの残量を気にしながら、戦うか逃げるかを選択することになるだろう。また、一部の場所ではカメラで撮影することで除去可能な障害物が道を阻んでいることもある。フィルムは多めに配置されているため、基本的に詰み状態になることは少ないと思われるが、計画的に使っていきたいところだ。

ゲームを進行していくとパズル的な謎解き要素を随所で攻略することにもなる。本作では戦闘よりも謎解きのほうに重点を置いたとのことで、その内容もさまざま。中にはメモを取らないと解くのが難しいものも存在しているため、行く先々で見つけられる情報はなるべく整理しておくと良いだろう。ちなみにエンディングは複数存在している。ゲーム中のどういった行動が分岐に関わるかは伏せるが、良い結末を迎えるためには注意深く探索する必要がある。

そんな本作はリリースからさっそく高い評価を集めている。本稿執筆時点でSteamユーザーレビューは63件と、まだ数はそれほど多くないが、そのうち98%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得している。

本作は1990年代後半の『バイオハザード』や『サイレントヒル』といった作品をオマージュしているとのことで、レトロなグラフィックならではの不気味さが漂う作品だ。一方で、亡くなった祖父に会いたいという動機から始まるストーリーや、不可思議な世界の演出など、本作独自の特徴も多い。古典的でありながら、先述した肩越し視点のエイムシステムなど、当時にはなし得なかったような真新しさも見られるわけだ。レビューでは、1990年代後半のテイストがうまく再現されていることを高く評価している声が多く聞かれるが、本作ならではのストーリーや演出、そして操作方法を選べる親切さなど、現代風のゲームデザインに落とし込まれている点も好評につながっているようだ。

なお本作を手がけたVincent Adinolfi氏は、アメリカを拠点とする個人ゲーム開発者だ。本作がSteamでリリースする初作品となる。2019年ごろから開発が始まり、2020年にはデモ版が公開されている。実に5年以上にもわたり開発を続けてきた作品が、満を持してリリースされたかたちだ。


『Heartworm』はPC(Steam)向けに配信中。現在リリース記念セールが開催されており、8月15日までの期間限定で定価の10%オフとなる税込1530円で購入可能だ。

Naoto Morooka
Naoto Morooka

1000時間まではチュートリアルと言われるようなゲームが大好物。言語学や神話も好きで、ゲームに独自の言語や神話が出てくると小躍りします。

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