『ハースストーン』公式、「さらに10年続けたいから開発方針を変えた」と強調。“開発終了が近いのでは”との懸念にアンサー

Blizzard Entertainmentは7月27日、『ハースストーン(Hearthstone)』の今後の展望について説明。「本作の開発規模が縮小されているのではないか」といった噂が否定されている。

Blizzard Entertainment(以下、Blizzard)は7月27日、『ハースストーン(Hearthstone)』公式サイトにて本作の今後の展望について説明する記事を公開した。コミュニティの一部で囁かれていた「本作の開発規模が縮小されているのではないか」といった噂を否定しつつ、懸念を招いた点への謝罪が綴られている。

本作は、基本プレイ無料のデジタルカードゲームだ。Blizzardが手がけるファンタジーRTS『ウォークラフト』シリーズの世界観をベースにしている。あらかじめデッキを組んで戦うスタンダードモードのほか、ドラフト方式でデッキを組んで戦う「闘技場」モード、自動対戦ゲームの要素を組み混んだ8人対戦の「バトルグラウンド」モードなど、さまざまなモードが用意されている点が特徴だ。本作は2014年3月にリリースされ、今年で10周年を迎えた。


今回『ハースストーン』公式サイトにて、エグゼクティブプロデューサーのNathan Lyons-Smith氏により、本作の今後の展望が明かされている。このなかではまず、過去1年半にわたり、ユーザーが本作に求めるものとは異なる変更をおこなっていたと言及。ユーザーに開発元の戦略をきちんと伝えられていなかったとして、謝罪が綴られている。

というのも本作においてたとえば直近では、新拡張「大ピンチ!パイレーツ・パラダイス」にて新たなゲーム盤が用意されなかったことで、コミュニティの一部で新展開の開発規模が縮小されているのではないか、といった懸念が生じていた(PC Gamer)。ゲーム盤とはカードをプレイする盤面を変えられる装飾アイテム。ゲームプレイには関わらないが、中にはアニメーションやギミックが用意された凝ったアイテムもある。ゲーム盤自体は装飾アイテムに過ぎないものの、今回新拡張としては珍しく実装されなかった点から、開発規模縮小といった方針のあらわれではないかといった不安も寄せられていたかたちだ。

一方で今回Nathan氏は、開発チームは本作にとって意義のある研究開発をおこなっており、今後10年間、またその先もサポートを続けていけるように取り組んでいると表明。そして本作ではデッキ構築・バトルグラウンド・闘技場がコミュニティ内でもっとも親しまれているため、リソースを集中させて開発されているとのこと。これらのモードに今年前半に実装された「バトルグラウンド・デュオ」のようなアップデートをおこなう予定だそうだ。中でも現在は闘技場向けの大規模アップデートが計画されており、来年の初め頃にリリース予定だという。


また新たなゲーム盤については1年に1種類ずつ実装する方針になったそうで、ひとつに絞ることで“めいっぱいクール”でダイナミックなゲーム盤要素実現を見込んでいるという。たとえば、「お気に入りのゲーム盤を設定しておく」といった機能やペット要素などが例として紹介されている。ヒーロースキンについてもクトゥーンの好評を踏まえつつ、“革新的なスキン”を制作中だそうだ。

そうした方針変更の背景として、プレイヤーへのアンケート結果も一因だったという。アンケートでは、プレイ空間のカスタマイズについてもっとも関心を寄せているというプレイヤーが大半を占める結果が得られたとのこと。そのため装飾アイテムについてはこれまでと実装方針を変更する運びになったようだ。

なお声明にてNathan氏は、「大ピンチ!パイレーツ・パラダイス」向けにはゲーム盤を作成しないと決定された時点で発表するべきであったとも説明。今後は同様の方針が決定された場合、代わりに何に注力しているかも含めて、より早い段階でユーザーに案内するとしている。

今回、新拡張「大ピンチ!パイレーツ・パラダイス」の内容から一部ユーザー間に生じた“今後規模縮小、開発終了に向かうのではないか”といった懸念に対して、今後も長期展開を続ける方針が明言された点は興味深い。今年で10周年を迎えた『ハースストーン』では、さっそく次の10年を見据えた新展開が予定されているようだ。

ハースストーン(Hearthstone)』はPC/iOS/Android向けに基本プレイ無料で配信中だ。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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