無法地帯なマルチプレイ法廷ゲーム『Guilty as Sock!』さっそく大人気。証拠・速報・屁が入り乱れる混沌アドリブロールプレイ裁判

Demon Maxは5月29日、法廷パーティーゲーム『Guilty as Sock!』をリリースした。さっそく人気を博している。

インディーゲームデベロッパーのDemon Maxは5月29日、法廷パーティーゲームGuilty as Sock!をリリースした。対応プラットフォームはPC(Steam)。本作はさっそく人気を博している。

『Guilty as Sock!』は法廷を舞台にしたパーティーゲームである。プレイヤーは弁護士・検察官・裁判長・ジャーナリストといったさまざまな立場で法廷に参加し、審理を進行していくことになる。弁護士および検察官は裁判長に従いつつ、証拠カードを駆使して自らの勝利を目指す。審理の進行中にもジャーナリストによる「速報」で“新事実”が明らかになるほか、誰でもエモートやおならで法廷を盛り上げることができ、ものを投げつけるといった妨害行為も飛び交う。裁判長はそんな審理の円滑な進行をするため、秩序を乱す者にガベル(木槌)を振るう。コミカルでカオスな法廷を味わえるだろう。

ゲームプレイはまず、検察官による起訴事実の確認から始まる。ただし、被告人の名前や、起訴内容については自由記述となっている。検察官となったプレイヤーは、ゲーム開始時には誰も知らない「事件」がさも存在したかのようにその場で創作するわけだ。

審理が始まったら、各プレイヤーは役職をロールプレイしながら議論を展開していく。弁護士と検察官はそれぞれ「証拠カード」を所持しており、カードの内容に基づいて証拠を提示することが可能だ。カードには物証や目撃証言などさまざまな種類があるが、書かれている内容は「期限切れのクレジットカード」「監視カメラ」「エナジードリンク」など、大雑把なものである。カードを出しながら、それがどのような証拠なのかをその場で創作していくのだ。

ジャーナリストとなったプレイヤーは、任意のタイミングで「速報」を出すことができる。速報に掲載されている「証拠写真」は、ジャーナリストのプレイヤーだけが手描きで作成可能だ。直接の論戦には参加しないが、揺るぎない新事実を1ゲーム中に3回繰り出すことができるため、影響力は大きいだろう。

裁判長はそうした議論を取りまとめつつ、どの証拠を事実として認定するかの決定権を持っている。また、妨害行為などで秩序を乱すプレイヤーをガベルで殴りつけて一時的にスタンさせることも可能だ。さらに、裁判長の席の傍らには動画配信サイトTwitchのロゴが付いた天秤が置かれている。これを使用すると、Twitchの視聴者に任意の質問をおこない、1分間の投票をしてもらえる仕組みだ。最終的な判決は裁判長が有罪・無罪のボタンをガベルで叩いて決定することになるが、Twitchで配信する場合は有罪・無罪を視聴者投票に委ねることもできるわけだ。

こうして、ゲーム開始時には存在すらしていなかった「事件」について、さも事実かのようにロールプレイして設定を広げていくさまは、あたかもTRPGのようでもある。1プレイにつきかかる時間は、証拠カードの枚数や速報の回数制限などの制約により、20〜30分程度になることが多いようだ。

そんな本作はリリースからさっそく人気を博しており、Steamユーザーレビューは本稿執筆時点で約100件中95%が好評とする「非常に好評」のステータスを獲得している。また、Steam同時接続プレイヤー数はピーク時に3000人を超えている(SteamDB)。連動機能が存在するTwitchで本作のタイトルを入力してみると、英語圏やフランス語圏を中心に、多くのストリーマーやVTuberが配信している様子も見受けられる。

本作はゲーム内表示が日本語に対応していないが、ゲームプレイは議論が中心となるため、日本語話者同士でプレイすればそれほど支障はないものと思われる。もちろん証拠カードなどを読めるほうが円滑にプレイできるため、今後多言語に対応するかどうかについても注目したい。


『Guilty as Sock!』はPC(Steam)向けに配信中。現在はリリース記念セールを開催中で、6月13日までの期間限定で定価の10%オフとなる税込630円で購入可能だ。

Naoto Morooka
Naoto Morooka

1000時間まではチュートリアルと言われるようなゲームが大好物。言語学や神話も好きで、ゲームに独自の言語や神話が出てくると小躍りします。

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