デベロッパーのHarebrainedは9月3日、『GRAFT』を発表した。対応プラットフォームはPC(Steam/Epic Gamesストア)で、2025年第2四半期に配信予定。ストアページの表記によると、ゲーム内は日本語表示に対応予定だ。
『GRAFT』はサイバーパンク・サバイバルホラーRPGだ。舞台となるのは「アーク」と呼ばれる巨大宇宙ステーションである。アークはかつては繁栄していたものの、現在はなんらかの理由で滅びかけている。内部は大陸サイズの大きさがあり、狂ったAIや実験で生み出された変異体などがうごめいているという。プレイヤーはそうした危険に満ちた地を探検し、アークの謎を解き明かしつつ脱出を目指す。
公開された開発中の映像を見る限りでは、本作はクォータービューのアクションゲームとなるようだ。銃器など武器を駆使して、敵と戦うことになる模様。また本作の世界ではバイオメカニクスが発達しており、体の部位を自由に移植することが可能。倒れた敵から部位をもぎ取って自らを補強し、武器とすることができるそうだ。主人公を変身させつつ、能力を構築していくことになるという。
ただし、体の部位には元の持ち主のアイデンティティが一部残っており、取り込むたびに主人公の意識に変化がもたらされるという。自分のものではない記憶の断片や、奇妙な欲求などが体内を駆け巡ることになるそうだ。取り込むべき断片は自分の意思で選択する必要があるとのことである。
またアークには主人公のほかにも生存者が存在しているという。プレイヤーは人々と交流し、同盟関係を築くことができるそうだ。ただし本作の人物はみな危険で不誠実であり、同盟は壊れやすいものになるとのこと。また、プレイヤー側から裏切りをおこなうこともできるようだ。本作では選択が旅を形作るとのことで、プレイヤーの決断次第で分岐する物語が描かれるのかもしれない。
ちなみに本作は「テセウスの船」がモチーフのひとつとなっている様子。テセウスの船とは、古代ギリシャの哲学上の問題だ。古い船の部品をひとつずつ取り替えていき、やがて元々あったパーツがすべて置き換えられたとき、その船はまだ元の船と同じものといえるか、といった問いである。本作ストアページの説明によると、本作の主人公はテセウスの船そのものであるとのこと。体のパーツを入れ替え続ける主人公の、自己の同一性などをテーマとしたストーリーが展開されるのだろう。
本作を手がけるHarebrainedはアメリカ・シアトルに拠点を置くゲームスタジオだ。過去にはメカストラテジー『BATTLETECH』を制作。同作はSteamユーザーレビューにて、本稿執筆時点で約2万900件中83%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得している。またほかにもサイバーパンクRPG『Shadowrun Returns』など、「非常に好評」ステータスを得ている作品を複数制作している。人気作を手がけてきた同スタジオの新作として、本作『GRAFT』が打ち出されるかたちとなる。
『GRAFT』はPC(Steam/Epic Gamesストア)向けに、2025年第2四半期に配信予定だ。ストアページの表記によると、ゲーム内は日本語表示に対応予定。