『デジモンワールド』PC移植希望ファン投票、“不正な票”が2万6000票もあり主催のGOGが苦言。公正な投票を呼びかけ

GOG.comが実施しているイベント「Dreamlist」にて不正な投票があったと発表された。GOG.comは、公正な投票を呼び掛けている。

GOG.comは公式Xアカウントにて、同ストアに追加したいゲームにユーザーが投票するイベント「Dreamlist」にて、不正な投票があったことを発表した。不正な票は約2万6000票にのぼるという。

GOG.comはゲーム配信プラットフォームだ。『ウィッチャー3 ワイルドハント』や『サイバーパンク2077』の開発・販売元として知られるCD PROJEKT が2008年より運営している。競合サービスのSteamやEpic Gamesストアとの差異としては、配信作品を「DRMフリー」に限っている点がある。つまりGOG.comで購入したゲームタイトルは、認証の必要なくオフラインでもプレイできるわけだ。

そんなGOG.comでは2025年1月29日より新たな取り組みとして「Dreamlist」を導入した。GOG.comで追加あるいは復活させてほしいゲームにユーザーが投票できるコミュニティツールとなっており、リストにないゲームはユーザーが追加を申請することも可能だ。なおあくまでユーザー投票であり、投票の多さがGOG.comでの発売を確約するわけではなく、GOG.comがIP所有者にコミュニティの関心を伝えるための取り組みとなっている。

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現時点で特に期間は設けられておらず、人気のタイトルのうち、GOG.comへの移植の実現可能性があるとみられるタイトルが順次追加されているようだ。すでに『Quake』や『デビル メイ クライ HDコレクション』といったタイトルが、この投票をもとに追加されている。

このDreamlistにて、不正投票が確認されたようだ。GOG.comの発表によれば、不正投票がおこなわれたとみられるタイトルは『デジモンワールド』で、7月1日から7月21日までに獲得した5万2000票以上のうち、実に約2万6000票が偽造アカウントからの投票だったという。

『デジモンワールド』は、1999年1月に当時のバンダイから発売された、PS向けモンスター育成RPGだ。携帯型育成ゲーム機『デジタルモンスター』シリーズのモンスターである、デジモンたちが3Dグラフィックにて登場する点が特徴。主人公は『デジタルモンスター』世界に吸い込まれた少年で、相棒となるデジモンを育てながら、冒険を繰り広げる。

『デジモンワールド』は同作を皮切りにシリーズとしてさまざまなタイトルが登場し、一部シリーズ作品はマルチプラットフォームへの移植がおこなわれている。しかしシリーズ第1作の移植は韓国でPC移植版が登場したのみとなっており、ファンによって移植が望まれていたわけだ。そうした経緯もあり、本作はユーザーによってDreamlistに追加。追加から一週間ほどですでに約1万5000票を獲得し、ユーザー追加タイトルとしては、得票数がもっとも上位に食い込む人気タイトルとなっていた(関連記事)。

しかしGOG.comは先述の通り、7月1日から7月21日の間に『デジモンワールド』が獲得した票のうち約半数が偽造アカウントからの投票であると発表。GOG.comはDreamlistが公正で適切なものになり、信頼性が損なわれないように、不正な投票を削除したとのこと。

一方でGOG.comは正式な投票そのものは歓迎しており、『デジモンワールド』への“本当の支持”には深く感銘を受け、熱意を伝えてくれたファンには感謝しているという。実際にGOG.com上の『デジモンワールド』のページを確認すると、本稿執筆時点で8万2587票を獲得。『Black & White』や『ディアブロII』、オリジナル版『サイレントヒル2』に続いて10番目の得票数を獲得している。ユーザーによって追加されたリストはすでに1万件を超えており、その人気の高さがうかがえる。

今回大規模な“不正投票”に巻き込まれたかたちのGOG.comおよび『デジモンワールド』だが、その不正分を差し引いても高い人気を博しているかたちだ。先述したとおり得票数が“復活”を確約するわけではないものの、今後『デジモンワールド』がGOG.comに登場するかどうかも含め、Dreamlistの動向は注目されるところだ。

Kosuke Takenaka
Kosuke Takenaka

ジャンルを問わず遊びますが、ホラーは苦手で、毎度飛び上がっています。プレイだけでなく観戦も大好きで、モニターにかじりつく日々です。

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