『原神』、「ヌヴィレットの高速回転」を不具合として修正するも批判受け“修正前に巻き戻しへ”。原石1600個配布とあわせて謝罪


HoYoverseは7月18日、『原神』にてヌヴィレットの不具合修正をロールバックすると告知した。同作においては、7月17日実施のアップデートVer.4.8にて、ヌヴィレットの高速回転に伴う不具合が修正されていた。しかしながら一転して、今後のバージョンで不具合修正がロールバック予定。つまり修正前の状態に戻るようだ。補填として原石1600個が配布されるという。

『原神』は、HoYoverseブランドから展開中のオープンワールドアクションRPGだ。プレイヤーは旅人と呼ばれる主人公の視点から、7つの国や元素が存在する世界テイワットを冒険。相棒のパイモンと共に各国を巡る、壮大な旅が繰り広げられている。要素としては、さまざまな元素を活かしたバトルや、オープンフィールド上探索などが存在。いわゆるガチャシステムも用意されており、アップデートごとに登場する新キャラクターがガチャを通して入手可能となっている。


ヌヴィレットは、2023年9月に実施されたアップデートVer.4.1にて実装された、星5の水元素キャラクターだ。スキルの中でも専用の特殊な重撃が特徴的で、前方へ放つビームによってダメージを与え、非常に高いDPSを叩き出す。プレイヤーの間では火力の高さから、『原神』現バージョンにおける最強格のアタッカーの1人として捉えられている。

またプレイヤーはヌヴィレットの重撃中、移動やカメラ操作が可能。ビームは画面正面の敵を攻撃し貫通する特性ももつため、マウス感度を高めるなど高速で画面を回転させることで、全方位の敵へ高いダメージを出すことも可能だった。そうしたテクニックはプレイヤー間では2023年9月の実装時より知られており、画面の高速回転を利用したコンテンツの攻略もおこなわれてきた。


7月17日に配信されたアップデートVer.4.8では、ヌヴィレットの高速回転による全方位攻撃が、「ヌヴィレットが重撃を放つ際、予期せぬ高速回転が可能となり、攻撃が届く範囲に異常が生じてしまう」不具合として修正された。具体的にはカメラ操作に手が加えられており、修正後はヌヴィレットのビーム発射中は高速回転ができなくなっている。高速回転による全方位攻撃は修正されたものの、高いDPSなどは健在で、通常の操作であれば影響の少ない不具合対応となっていた。

しかし同修正は、国内外のプレイヤーから批判を受けることとなった。国内で指摘されている問題点としては、初実装後に復刻ガチャの実施を経たキャラクターであり、実装当初から存在していた仕組みが変更されたこと。同現象が不具合である旨などの告知がなく、実装から約10か月を経たアップデートにて唐突に修正されたことなどが多く挙げられている。つまり、実装から時間を経たキャラクターの性質が告知なく変更されたことで、運営姿勢が不安視されていたのである。修正を妥当と受け入れる声や、弱体化と嘆く声もありつつ、信用が揺らいでしまっていた。なお本件は、中国でも大きな話題となっていた。

そんな事態を受けて、HoYoverseは不具合修正のロールバックを告知したわけだ。発表によると、開発チームは特定の状況下で操作デバイスの感度などを調整し、重撃時のヌヴィレットを高速回転させると、キャラクターを中心とした範囲内へダメージを与えられる現象を発見したという。しかし、一部デバイスを利用しているプレイヤーは、操作の再現が困難に。高速回転時のカメラ速度が非常に速く、背景などが不明瞭となるために、通常のプレイ体験と大きな差が生じてしまうと判断したという。そのため、通常操作のヌヴィレットのダメージや重撃操作に影響がない方法で不具合修正が実施されたそうだ。また修正にはさまざまな要素を考慮する必要があり、議論やテストを重ねたために、Ver.4.8での不具合修正になったのだという。

しかしアップデート後、プレイヤーからは「ヌヴィレットの重撃時の操作に違和感を覚える」など、修正に対する多数のフィードバックが届く。開発チームはプレイヤーの議論から、不安と焦りを深く感じたという。また、どのような意図であっても登場後のキャラクター修正はプレイヤーを傷つけてしまうと痛感。意見を受けて、ロールバックが決定されたようだ。補填として、原石1600個が配布予定。今後の更新では、プレイヤーによい良いゲーム体験が届けられるように、リリース内容の決定をより慎重に進めていくそうだ。本作に限らずガチャで排出されたキャラの性能が変わることについて、特に弱体化する点については批判を受けやすい。今後の運営に関わることも考慮して、素早い一手を打ったと予想される。

原神』は、PS4/PS5/PC/iOS/Android向けに基本プレイ無料で配信中。ヌヴィレットの不具合修正に対するロールバックは、今後のバージョンにて実施予定だ。