元気、『首都高バトル』のヒットで息を吹き返す。赤字続きから一転「ここ10年で最高の黒字」を叩き出す

『首都高バトル』を手がける元気株式会社は6月27日、2025年3月期の決算公告を公開。近年赤字続きの同社であったが、大幅な黒字転換となっている。

元気株式会社は6月27日、2025年3月期の決算公告を官報にて公開した。近年赤字経営の続いていた同社であったが、大幅な黒字転換となっている。gamebizが伝えている。

元気は、『首都高バトル』シリーズや『湾岸ミッドナイト』シリーズ、『剣豪』シリーズなどを手がけてきたことで知られるゲーム会社だ。近年ではiOS/Androidやアーケード向け作品を手がけていたが、2024年7月にSteam向けに『Devil Road Run!』を発売(関連記事)。そして今年1月には『首都高バトル』シリーズのコンソール向け作品としては18年ぶりの新作『首都高バトル』が早期アクセス配信開始された。

そんな元気は2025年3月期、2021年3月期ぶりの黒字転換を果たしたという。官報の決算公告にて伝えられている。同社は純利益として2022年3月期に5700万円の赤字を計上したのち、2023年3月期に2億8800万円の赤字、2024年3月期には1億円の赤字を経てきた。一方で2025年3月期の純利益では、2億5900万円の黒字を計上。大幅な黒字転換というだけでなく、同社にとってこの10年で最大の黒字となっている。

黒字転換の具体的な要因は明かされていないものの、先述した『首都高バトル』の早期アクセス配信開始が大きいのだろう。同作は1月23日のリリース後、瞬く間に同時接続プレイヤー数1万5000人以上が集う大盛況を記録(SteamDB)。評判も高く、Steamユーザーレビューでは本稿執筆時点で約1万1000件中94%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得している。ちなみにレビュー言語の内訳は68.7%が英語ユーザー、11.9%が日本語ユーザー、4.5%が簡体字ユーザーとなっている。意外にも、英語圏から高い支持を受けていることがうかがえる。

ちなみに元気では『首都高バトル』新作のプロデューサーを務めた野口健太郎氏には、ずっと以前から本シリーズの新作を手がけたい想いがあったという。復活を望むファンの声を追いかけつつも月日が経過。そうしたなかで、海外での日本車人気を含めた「自動車文化の熱」がリブートの決め手になったという(弊誌インタビュー記事)。

先述した英語圏での好評ぶりも見るに、そうしたリブートのタイミングの見極めが功を奏したのかもしれない。売上本数は公表されていないものの、元気に大幅な黒字転換をもたらすこととなったようだ。

なお『首都高バトル』の早期アクセス配信は当初4か月間となる予定で、5月下旬に正式リリースとなる見込みであった。一方で、想定を大きく上回る反響を受けた収録内容の見直し、要望に応えるための追加開発期間の確保、難航していたライセンス交渉の進展による判断として、早期アクセス配信期間の延長が発表(関連記事)。新たな正式リリース予定時期を今年9月末ごろに定めて、さらなる開発が進められている。続報にも注目したい。


『首都高バトル』はPC(Steam)向けに早期アクセス配信中。Steamサマーセール 2025(関連記事)にあわせて初のセールが実施されており、早期アクセス限定価格3960円から10%オフとなる3564円で販売中だ(いずれも税込)。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

記事本文: 3124