Nintendo Switch 2と“ホッチキス”のセットがチャリティオークションに登場。なぜか「1500万円以上」の値をつけるお祭り騒ぎに
GameStopは7月10日、Nintendo Switch 2およびホッチキスのオークションを開始したと発表。これは「Staplegate」と呼ばれるある“事件”の証拠品でもあり、その話題性からすでに高値が付けられている。

ゲーム小売チェーンのGameStopは7月10日、Nintendo Switch 2および“悪名高い”ホッチキスのオークションを開始したと発表した。収益は小児医療支援団体Children’s Miracle Network Hospitalsに寄付される。入札受付は日本時間7月17日の午前1時51分まで。
GameStopは、アメリカを中心に英語圏やヨーロッパに展開しているゲーム小売チェーンである。2025年2月1日時点で3203店舗が存在するが、日本国内には展開していない。そんなGameStopは6月5日、Nintendo Switch 2(以下、Switch 2)の発売に際して、レシートを本体の箱にホッチキス留めした際に、本体の画面まで勢いよく貫通させてしまった騒動で話題となった(Eurogamer)。この件は、海外ではウォーターゲート事件にちなんでスキャンダラスに「Staplegate」事件と呼ばれるようになり、問題のホッチキスは伝説的な扱いを受けるまでになっていた。
なおGamesRadar+がGameStopに確認したところ、この事件に巻き込まれた顧客は補償を受け、交換あるいは修理対応を受けたそうだ。加えて従業員にも被害はない(no employees were harmed)とのこと。本件を引き金とした“二次被害”は起こっていないようだ。
今回オークションにかけられることとなったのは、そんな“伝説の”ホッチキスと、ホッチキス留めされたことが初めて公式に確認された修理済みのSwitch 2本体、生々しい穴が残った箱、慎重に取り出され保管されたホッチキス針の4点セット。GameStopのCEOであるRyan Cohen氏による証明書も添付される。オークションは「Staplegate 2025 Charity Auction」と題されており、GameStop自身がスキャンダラスな呼称を用いているかたちだ。
出品者による商品説明は、どれもこれも冗談交じりに仰々しく誇張されている。拙訳だが、ホッチキスの例を示すと「Switch 2の発売に沸き立つ夜、熱に浮かされてうっかりが生まれたその瞬間に、GameStopで使われていた黒いホッチキス。新品のSwitch 2の箱に直接レシートを留め、一瞬の素早い動きで箱も画面も貫通させた。実際に使われていた痕跡が随所に残されており、事件の直後に引退。今やこのホッチキスは0.5秒の過ちから生まれた伝説となっている」といった具合である。

さらに、CEOのRyan氏はオークションの開始後、「If this reaches six figures I will include my underwear(もし10万ドルを超えたら私の下着も付けよう)」と冗談を交えて投稿。この投稿はオークションの開始告知そのものよりも大きな反響を呼び、本稿執筆時点で1600回以上のリポストと7200回以上のいいね、そして1300件以上のリプライを獲得している。そんな投稿の影響もあってか、オークションにはすでに170件以上の入札があり、入札額は10万ドル(約1550万円)を突破。なお、現時点でもRyan氏の下着が出品リストに加えられた形跡はなく、あくまでオークションはSwitch 2とホッチキスに限ったもののようだ。
ちなみにオークションの収益は非営利団体Children’s Miracle Network Hospitalsに寄付される。同団体は、40年以上の歴史を持つ小児医療支援団体である。アメリカおよびカナダで活動しており、これまでに170箇所の小児病院のために90億ドル以上(約1兆3150億円)の資金を集め、子どもたちの命を救うための治療、研究、医療機器、家族支援などに充てている。今回のオークションの収益も、そうした活動に費やされるのだろう。

小売店のうっかりミスから生まれた伝説のホッチキスは、箱も画面も傷つけてしまった過去を背負い、今度は子どもたちを救おうとしている。これから先、Switch 2の歴史的なヒットとGameStopのほろ苦い事件を語る証拠品の一つとして語り継がれていくのかもしれない。