「ゲームイベントgamescom配信で映像流すには“1500万円以上必要”」として、個人開発者が自分のXアカウントで映像流し始める。節約

X上で、ゲーム開発者やゲームの公式アカウントなどが、「Gamescom trailer is more than 100k dollars,」と前置きつつ自作品のトレイラーを紹介する流れが盛り上がりを見せている。

X上で、ゲーム開発者やゲームの公式アカウントなどが、「Gamescom trailer is more than 100k dollars,」と前置きつつ自作品のトレイラーを紹介する流れが盛り上がりを見せている。現在開催中の大規模ゲームイベント「gamescom」のショーケース番組「Opening Night Live 2024」でトレイラーを放映する費用が高すぎるとこぼしつつ、自作品を宣伝するムーブメントとなっているようだ。

gamescomは、ドイツのケルンにて2009年から毎年夏に開催されている国際ゲームショウだ。東京ゲームショウや、昨年消滅したE3と並び、世界三大ゲームショウとされていた。今年は現地時間8月20日の「Opening Night Live 2024」を皮切りに開始されており、8月25日まで開催予定だ。


今回、ゲーム開発者やゲームの公式アカウントなどが「Gamescom trailer is more than 100k dollars,(Gamescomのトレイラーは10万ドル以上だから、)」としつつ自作品の映像を紹介する流れが盛り上がりを見せている。つまり、gamescomの「Opening Night Live」にてトレイラーを流すには10万ドル(約1500万円)以上の費用がかかるとして、費用のかからないX上でトレイラーを紹介する動きだろう。本稿執筆時点で、多数のゲームのトレイラーやgif動画などが投じられている。

なかにはWazen K氏が手がける3Dアクション『マイトレイア』や(関連記事)、『HELLDIVERS 2』にてワールドディレクターを務めたLinus Larsson氏の手がけるホラーメトロイドヴァニア『Silver Pines』など、実績ある開発者によるタイトルもさまざま見られる。gamescom開催の盛り上がりにうまく“便乗”して自作品を紹介するムーブメントとして、多種多様な作品の動画が投稿されている格好だ。


なお、実際のところgamescomの「Opening Night Live」へのトレイラー出展にはどの程度の費用が必要なのか。今年の金額については公表されていないものの、たとえば2022年には30秒枠で8万5000ユーロ(約1400万円)からとなっており、30秒増えるごとに4万ユーロ(約680万円)ずつ増加。90秒で16万5000ユーロ(約2800万円・いずれも現在のレート)という価格設定であったとされる(PC Gamer)。

また弊誌で把握する限りでは、今年のgamescom「Opening Night Live」への出展には1分の映像に2000万円程度の費用が必要になったとの情報もある。先述したトレイラー紹介の流れで示されている“10万ドル以上”という費用感は、大きくは間違ってはいなさそうだ。いずれにせよセルフパブリッシングする開発者や小規模パブリッシャーなどにとって、gamescomの「Opening Night Live」へのトレイラーの出展はかなり難しい価格設定といえそうだ。

現在の業界では、gamescomのほか、6月のSummer Game Festと9月の東京ゲームショウ、年末のThe Game Awardsが毎年恒例の大規模ゲームイベントといえる。そしてたとえばSummer Game Festについては、今年はトレイラーの放映に約4000万円が必要であったと報じられたことがあり、多額の費用が必要な点は注目を集めていた(関連記事)。ちなみにThe Game Awardsのトレイラー放映には、さらに費用が必要になる。


とはいえ「Opening Night Live」に出展できなかった開発元・販売元も“gamescomのトレイラー出展費用が高額だ”とこぼしつつ、業界が盛り上がるタイミングを宣伝チャンスとして活かしているようだ。Xにて「Gamescom trailer is more than 100k dollars」で検索をかければ、そうしたさまざまな作品をチェック可能。ショーケースの放送を視聴する代わりにそうした作品群を確認してみるのもいいかもしれない。

ちなみにSummer Game Festやgamescomといった大規模イベントの開催時期には、海外メディアPC Gamer主催の「PC Gaming Show」や、Games Radar+主催の「Future Games Show」、Wholesome Games主催の放送など、大規模タイトル以外に向けたショーケース番組も存在。また今年にはインディーゲーム専門のショーケースイベント「The Triple-i Initiative」が発足した(関連記事)。このほか東京ゲームショウ2024ではインディーゲーム開発者が無料でリアル出展できる、「Select Indie 80」が設けられるという。それぞれ出展には応募やイベント運営側からのオファーなども条件はまちまちとみられるものの、大型以外のゲームの宣伝をおこなう場も増加を見せているだろう。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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