幻の作品「Star Wars: Battlefront III」のファンリメイク作がSteamで無料配信へ。Valveが認可、ディズニーも権利的に許容?

2015年にElectronic Artsからリリースされた『Star Wars: Battlefront』が、発売から半年足らずで1400万本以上の売上を記録したのは記憶に新しい。同作は2004年から続く「Battlefront」シリーズひさびさの最新作として発売されたが、これ以前に『Star Wars: Battlefront III』と呼ばれる幻の続編があったのをご存知だろうか。開発チームFrontwire Studiosは、この幻の作品を一からフルリメイクしたものを、Steam上で無料リリースすると発表した

今回Steamでの配信が発表されたリメイクタイトルの名は『Galaxy in Turmoil』。最大32vs32に対応したマルチプレイヤー対戦アクションゲームで、本家「Battlefront」シリーズと同様に映画「Star Wars」の様々な戦いを舞台としている。ゲームエンジンにはUnreal Engine 4が採用されており、「Star Wars」の世界観や「Battlefront」のデザインを下敷きにしているものの、既存のゲームのアセットは一切使用していない。John Williams氏が作曲した「Star Wars」お馴染みのBGMの数々もゲーム内では使われない予定だ。

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発売日は明らかにされていないが、すでにFrontwire StudiosはValveからの認可を得ており、Steamでの配信が決定している。開発チームが海外メディアPolygonに伝えたところによれば、6か月間から9か月間はパブリックベータテストを実施するという。ファンメイドの作品ということもあり、今作は完全無料での配信であることが強調されている。

もともと『Star Wars: Battlefront III』は、今はなき「Free Radical Design」が開発してきたと噂されている作品だ。Lucas Arts側は一切このタイトルに関する情報を公的に出していないものの、現在まで多数の映像やスクリーンショットが流出しており、開発筋からの複数のタレコミなどもあって、その存在はほぼ確実視されている。長年にわたり開発中止の作品が噂されてきたこともあって、昨年発売された『Star Wars: Battlefront』は待望の最新作だったというわけだ。

また今年1月には、海外フォーラムRedditにてXbox 360版『Star Wars: Battlefront III』の開発ビルドが流出するという騒ぎもあった。『Galaxy in Turmoil』は、このXbox 360版の開発ビルドをプレイアブルにするというコンセプトのもと制作がスタート。当初はたった4人のチームが開発していたものの、現在ではインターネットを通じて世界中から50人以上のファンが参加する巨大プロジェクトとなっている。Frontwire Studios自体も開発スタジオとして正式始動しており、現在はモバイルゲームと未発表のトリプルA級タイトルの開発に望んでいるという。

launch『Galaxy in Turmoil』の唯一にして最大の問題は、「Star Wars」の世界観や登場キャラクターおよびメカを使用した”二次創作ゲーム”であるという点だ。ディズニーは現在、大型「Star Wars」ビデオゲームの開発をEAに一任する契約を交わしている上に、「Battlefront」シリーズの最新作を2017年に発売予定としている。アセットや楽曲こそ流用していないものの、まったく同じ世界観とコンセプトを持つ『Galaxy in Turmoil』は、ディズニーにとって気持ちのいい存在ではないだろう。また今回の作品を認めれば、ディズニーのIPを使用したビデオゲームは無料ならば誰でも開発し配信できることができるという、前例を作ってしまう可能性もある。

この点に関してFrontwire Studiosは、複数の弁護士を雇った上で調査をすでに実施していると海外フォーラムRedditにて説明している。米国の法律下では違法性はないとしているほか、同作を”模倣(Parody)”として認識していることもちらつかせており、「ウィアード・アル・ヤンコビックやサタデー・ナイト・ライブがStar WarsのIPを使ってお金を稼いでいる方法となんら変わりはない」と主張している。さらに『Galaxy in Turmoil』は完全無料で配信されるとも付け加えた。

また大きな焦点となりうるのが、ディズニーが公開している利用規約の一文だ。ディズニーは「文章や画像、音楽やビデオなどのユーザー作成コンテンツ」の利用をルールに従っていれば容認する”だろう”との考えを示しており、『Galaxy in Turmoil』がこれに抵触していないかどうかがポイントとなるだろう。最終的な判断は当事者たちあるいは司法が決定するところではあるが、モバイルやトリプルA級タイトルを開発しようとしている開発スタジオを”ユーザー”という範疇に収めていいのかなど、疑問符がつく部分は少なくない。

『バイオハザード2』の『Resident Evil 2 Reborn』や、『クロノ・トリガー』の『Chrono Trigger: Resurrection』など。事情はそれぞれ異なれど、ファンが旧来の作品をリメイクして世に出そうとし、権利関係の問題などで頓挫する例はよくある。開発陣は、ディズニーがLucas Artsを買収してから『Galaxy in Turmoil』に対して開発中止の通達などは一通も来ていないと説明している。

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