とあるゲーム業界人、「『PEAK』『R.E.P.O.』みたいなゲームを“フレンドスロップ”って呼ぶのやめよう」と訴える。イメージ悪い言葉なので
とあるゲーム投資家が、ゲームジャンルとして「Friendslop(フレンドスロップ)」というワードを使わないでほしいと訴えた。

とあるゲーム投資家が、ゲームジャンルとして「Friendslop(フレンドスロップ)」というワードを使わないでほしいと訴えた。海外メディアDexertoが報じ、話題を呼んでいる。
Friendslop(フレンドスロップ)は2025年に英語圏で広まった、ゲームジャンルの分類名だ。マルチ要素を中心としており、比較的低予算で作られたとみられる小規模ゲームを指し示すとされる。代表作としては、『Lethal Company』『R.E.P.O.』『PEAK』などが挙げられることが多い。英語版Wikipediaにて記事が作られるなど、にわかに認知度を高めている単語である。

そんななか、ゲーム投資家のBinni Erlingsson氏が自身のLinkedInアカウントにて、「フレンドスロップ」の使用を止めるように呼びかけた。同氏はゲーム業界に特化した投資ファンドBehold Venturesにてプリンシパルを務める人物。そんなErlingsson氏によると、フレンドスロップはSteamの新しいトレンドを象徴しており、言葉としても流行り始めているとのこと。「今後、企画資料やカンファレンスの場で頻出する単語になるだろう」としている。しかし言葉自体のネガティブなイメージが強いため、できれば完全に定着してしまう前に、新たな呼び名に変えたいと思っているのだという。
Erlingsson氏は投稿にて、「slopという言葉は自分にとって、ずさんで、出来が悪く、安っぽいという意味だ(”Slop” to me means that something is sloppy, not well done and a bit junky.)」と指摘。開発陣とユーザー双方を貶める表現だと感じているという。同氏自身は、代表作に挙げられることが多いゲームの呼称として用いたことはなく、一般的な使用は適切ではないと考えているそうだ。

そんなErlingsson氏の投稿について、英語圏を中心に大きな反応が広がっている。同氏の主張に賛同する声が多くあがる一方で、反論も存在。たとえばMassive EntertainmentのゲームディレクターFredrik Thylander氏は投稿へのコメントとして、「確かにフレンドスロップはちょっと軽蔑的すぎる」としつつも、使用を止めるほどではないとした。Thylander氏によると、このジャンルの作品は笑いを誘うために、意図的に安っぽく見えるように作られているという。『PEAK』のような作品がここに含まれるかは別としても、ゲーム内容を端的に示しており、ジャンルの呼称としては問題ないと考えているそうだ。
また『PEAK』の共同開発元であるAggro Crabの共同創設者・Nick Kaman氏は海外メディアInverseのインタビューにて、フレンドスロップと呼ばれることについてコメントしている。同氏も一見では軽蔑的な言葉であるとし、「友だちとふざける以外には何も中身がないゲーム」だと言っているようだとした。しかしKaman氏は、フレンドスロップと呼ばれることは、名誉の証のようなものだと思っているとのこと。友だちとふざけあうのは実際楽しいことだし、このジャンルにはまだまだ革新の余地がたくさん存在していると感じているという。そんなAggro CrabのX公式アカウントは昨年12月に「フレンドスロップ万歳(long live friendslop)」とポストしており、自分から呼び名として使う姿勢を見せている。
slopはもともと、泥水や残飯などを意味する英単語だ。そこから転じて、モノの価値が低いことをあらわすスラングとして流行。特に近年は、AI生成によって作られた低品質のコンテンツを指し示して使われることもある。slopは、アメリカで辞書を手がけているMerriam-Websterが2025年のワード・オブ・ザ・イヤーに選出するなど、注目されている単語ではある。しかし侮蔑的な意味合いが強く含まれており、一般的なゲームジャンルの呼び名として使うには刺激が強い表現ともいえるだろう。
とはいえ『PEAK』『R.E.P.O.』などに代表されるような、フレンドと笑いながら一緒に遊べる、低価格の協力プレイゲームが近年人気を博しているのは確か。呼称として“フレンドスロップ”が適切かはともかくとしても、実際にそうしたゲームの潮流がある一方で、ほかの呼び方が広まっていない現状もある。代替の呼び名が登場するのか、それともフレンドスロップが定着するのかも含めて、このジャンルの今後の動向が注目される。
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