傑作探索型ホラー『霧雨が降る森』フリーゲーム版、7月26日に提供終了へ。サポート継続が難しく、作者としてリメイク版を決定版にしたい思いがあるため

ゲーム制作者の真田まこと(星屑KRNKRN)氏は6月27日、ふりーむ!にて公開中のホラーADV『霧雨が降る森』を7月26日に提供終了すると発表した。

ゲーム制作者の真田まこと(星屑KRNKRN)氏は6月27日、ふりーむ!にて公開中の『霧雨が降る森』を7月26日に提供終了すると発表した。同日には、『霧雨が降る森』がプレイ可能なスマホ向けアプリ「ゲーマガ」も配信終了予定。オリジナルの『霧雨が降る森』の公開が終了するかたちだ。なお本作はリメイク版がPC(Steam)向けに発売されている。

『霧雨が降る森』は、真田まこと氏が制作し2013年にPC向けのフリーゲームとして公開された、探索型ホラーADVである。本作の主人公・神埼シオリは、両親を交通事故で亡くし、天涯孤独となった女子大生だ。本作ではシオリが遺品整理中に、両親の部屋から1枚の写真を発見。写真には幼い頃の自分と両親などが映っており、「阿座河村」という地名も記されていた。神埼シオリは両親の故郷を訪ねてみたいと考え、村へと向かう。しかし阿座河村は、シオリが決して行ってはいけない約束の場所なのだった。キャラクターとしては「森に入るな」と警告する不気味な青年や、村にやってきたばかりの熱心な警官なども登場。一夜の不思議な恐怖体験を通して、阿座河村内に隠された真実が明かされていく。


本作は、ゲーム作家の真田まこと氏が制作し、2013年10月にフリーゲームとして公開された。公開後、プレイヤーからの反響を受けてメディアミックスなども実施。真田まこと氏の公式サイトによれば、コミカライズ版が40万部 ノベライズ版が20万部を超えているという。また2022年には、真田まこと氏による『霧雨が降る森』リメイク版がSteamにてリリース。同バージョンでは、ビジュアルからストーリーまで全面的に制作し直されており、「阿座河村」を探索できる「第2章」や新たなストーリーも追加されていた。リメイク版はSteamのユーザーレビューでは、記事執筆時点で284件中97%の好評を得てステータス「非常に好評」を獲得している。なお同氏の作品としては、『殺戮の天使』も公開中だ。

リメイク版のスクリーンショット

今回の告知では7月26日をもって、ふりーむ!にて公開中の『霧雨が降る森』が提供中止となることが発表された。同日にはゲームマガジンのアプリ「ゲーマガ」も配信終了予定となっており、オリジナルの『霧雨が降る森』が公開終了となる。

真田まこと氏は公式サイトにて、提供終了は本作の未来を見据えた決断であると説明。同氏としては、オリジナル版から改良を重ねたリメイク版をより多くの人に遊んでもらえる決定版にしたい強い思いがあるのだという。一方、オリジナル版は無料な点もあり、現在も実況配信などで多く扱われている。オリジナル版は同氏によって初めて作ったゲームであり思い入れがあるものの、同時に現在ではプレイし辛い点も多く、今後同氏が活動していく中でサポートを続けるのは困難と判断。そういった事情がある中、リメイク版より手に取りやすい形で古いバージョンが配信され続けることに作者として向き合った結果、ひとまず取り下げようと考えるに至ったようだ。経緯の全文については、同氏の公式サイト内を確認してほしい。


霧雨が降る森フリーゲーム版は、7月26日に提供終了予定。「ゲーマガ」アプリについても、7月26日をもって配信終了となっている。また『霧雨が降る森』リメイク版は、PC(Steam)向けに通常価格税込1680円で配信中。7月12日までの期間は、30%オフのセールも実施されている。

Keiichi Yokoyama
Keiichi Yokoyama

なんでもやる雑食ゲーマー。作家性のある作品が好き。AUTOMATONでは国内インディーなどを担当します。

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