『フォートナイト』公式、チート業者などに“謝罪動画”を公開させる。全世界公開けじめ
Epic Gamesは7月15日、『フォートナイト』にて不正行為をおこない、規約に違反した2名に対し法的措置を講じたと発表。さらにEpic Gamesは2名について、全世界向けに“謝罪動画”を作成、公開させたようだ。

Epic Gamesは7月15日、『フォートナイト』にて不正行為をおこない、規約に違反した2名に対し、法的措置をとったと発表。あわせて2名は、コミュニティへ向けて“謝罪動画”を公開している。
『フォートナイト』はUnreal Engineなどを手がけるEpic Gamesが開発・運営している、基本プレイ無料のTPSバトルロイヤルゲームだ。対応プラットフォームはPC(Epic Gamesストア)/Nintendo Switch/PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/Android。 Xbox Cloud GamingやNVIDIA GeForce NOWを通じてiOS上でもプレイ可能だ。本作は2017年より早期アクセス版として配信開始。リリースより8年ほど経った現在でも幅広い年齢層から人気を博している。
Epic Gamesは7月15日、チート使用者、そして規約違反者の2名に対し、法的措置を講じたと発表。1名はチートの販売と使用していたとされ、そしてもう1名は、『フォートナイト』のコンテンツクリエイターに対し、複数システムから大量のトラフィックをDDoS(分散型サービス拒否)攻撃をおこなったという。
この発表だけであれば、以前よりEpic Games Newsroomにてたびたび投稿されている訴訟提起などの発表と大差ない。しかし今回の発表では、この2名の“謝罪動画”が紹介されているのだ。
まずチートの販売と使用をおこなったMirroredなるユーザーは、7月14日に30秒ほどの動画を投稿。黒背景に白字で、謝罪と具体的な違反行為について記載されている。動画によれば、Mirrored氏は、『フォートナイト』のトーナメントにおいて、不正行為をおこなっただけでなく、不正行為を可能にするチートやハードウェアの販売・配布をおこなったという。この行為は当然Epic Gamesの規約に違反する行為であり、法的措置がとられるとともに、『フォートナイト』からの永久BANが実施。さらに“再犯”した際には、改めて法的措置を受けることになるという。
DDoS攻撃をおこなったZebsi氏もMirrored氏と同日の7月14日に動画を投稿した。同氏は「TTV Humpty.LLC」のユーザー名のアカウントを用いて『フォートナイト』に向けDDoS攻撃を実行。この攻撃は、『フォートナイト』ストリーマーのマッチに参加していたユーザーに影響を与えたとのこと。これが規約違反となり、Zebsi氏のアカウント「TTV Humpty.LLC」は『フォートナイト』からBANされることとなったようだ。
なおこれらの動画については、両動画とも同一のフォントが使用されているとみられ、公開タイミングも揃っていることなどから、Epic Gamesから指定を受けて制作・投稿された可能性もありそうだ。どのような経緯があったかは不明ながら、Epic Gamesと不正者が示談したうえで謝罪動画を投稿する運びになったのかもしれない。なお法的措置もとられたことが伝えられているものの、その詳細は明かされていない。
いずれにせよ、悪質ユーザーについて、BANや法的措置だけでなく、“謝罪動画”を全世界向けに公開させるという珍しい対応がとられたかたち。動画の公開は悪質行為をおこなったユーザーに強く反省を促すだけでなく、同様の行為に手を染めているユーザーへの「見せしめ」としても効力を発揮することだろう。ユニークなアプローチによって悪質行為が減少するかどうか動向が注目されるところだ。