坂口博信氏、『ファイナルファンタジータクティクス』の試作グラフィックらしきデータを発掘。「なんだこりゃ?」な画像に松野泰己氏からも開発秘話飛び出す

Image Credit: 坂口博信氏 on X

『ファイナルファンタジー』シリーズの生みの親である坂口博信氏は6月21日、自身のX(旧Twitter)アカウントを更新。『ファイナルファンタジータクティクス』関連で試作したと思われる画像を添付し、「なんだこりゃ?」と疑問を顕にしている。同投稿には『ファイナルファンタジータクティクス』にてディレクターと脚本を担った松野泰己も反応。「見覚えのないグラフィック」としつつも、『ファイナルファンタジータクティクス』の企画段階のこぼれ話を披露している。


『ファイナルファンタジータクティクス』は1997年6月20日に初代PlayStation向けに発売されたシミュレーションRPGだ。プロデューサーに坂口博信氏、ディレクターおよび脚本を松野泰己氏が担当し、硬派な戦記的物語が描かれる。同作は昨日6月20日に27周年を迎えており、先述の坂口氏の投稿はそれを受けてのものだった。

発掘されたバックアップファイルはスーパーファミコン時代の『FF』シリーズ定番の、真横から見たキャラクターグラフィックのようだ。髪色は主人公のラムザに似ているが、『ファイナルファンタジータクティクス』は頭身高めのクォータービュー作品のため、このアングルで見られるグラフィックは登場しない。坂口氏自身も言っているように「FFTはじまるまえに、いろいろ試作してたやつ」の可能性が高いだろう。

一方のディレクターの松野泰己氏はグラフィックには見覚えがないとしつつ、『ファイナルファンタジータクティクス』の当初の企画メモについて言及。「戦闘中に異なるジョブ同士が一時的に合体して上位ジョブになる」というアイデアがあったことを明かした。無限の組み合わせが特徴のシステムだが、グラフィック面がネックでお蔵入りになったそうだ。


発売から27年が経過してもなお人気が高く、ファンに愛される『ファイナルファンタジータクティクス』。坂口氏が「27歳」を祝っていることから、制作陣からの思い入れも窺えるだろう。印象深い作品だからか当時お蔵入りになったとみられるデータが発掘されたり、開発者間のこぼれ話が飛び出したりした点は興味深い。

なお、坂口博信氏が設立したミストウォーカーが手がけ、現在Apple Arcade向けにリリースされているファンタジーRPG『FANTASIAN』はスクウェア・エニックスと共にコンシューマー向けに移植作業中。『FANTASIAN Neo Dimension』として、PC(Steam)およびNintendo Switch/PS5/PS4/Xbox Series X|S向けに2024年冬発売予定だ。