MMORPG『ファイナルファンタジーXI』が今になって大混雑し、一部ワールドで“新規参入制限”中。RMT業者横行報告など混乱も
スクウェア・エニックスは10月1日、MMORPG『ファイナルファンタジーXI』の人口が集中しているワールドについてのお知らせを公開した。

スクウェア・エニックスは10月1日、MMORPG『ファイナルファンタジーXI』の人口が集中しているワールドについてのお知らせを公開した。Bahamutワールドの混雑が深刻化しているとして、新規キャラクターの作成停止や、ワールドへの転入の利用停止などがおこなわれている。
『ファイナルファンタジーXI』(以下、FF11)は2002年にリリースされた月額課金制のMMORPGだ。舞台となるのは、中世ファンタジー風の世界ヴァナ・ディール。プレイヤーは5つの種族から分身となるキャラクターを作成し、ミッションやクエストを攻略しながらキャラを育成。ときにはほかのプレイヤーと交流したり協力したりしながら、この世界を自由に冒険していく。MMORPG黎明期の人気作品でありながら、2025年現在も継続的にアップデートがおこなわれている。
本作にてプレイヤーは、スクウェア・エニックスのサーバーに接続してゲームをプレイする。サーバーは「ワールド」として人数上限が設けられており、同じワールドのプレイヤー同士で冒険したり交流したりできるわけだ。現在、ユーザー向けには16のワールドが稼働しており、キャラクターがほかのワールドへ移動するには、有料の「キャラクターワールド移転サービス」を利用する必要がある。
そんなワールドの一つ、Bahamutワールドが混雑の度合いを深めており、対策が必要な水準に達したことが発表された。もともとBahamutワールドは全ワールドのうち2位の同時接続数を誇っており、これまでの総キャラクターもAsuraワールドに次ぐ規模として、新規プレイヤーに選ばれやすいワールドであったという。しかしながら、同時接続の集中により不具合を誘発する可能性があるため、10月9日より以下の対応が実施予定となっている。
・Bahamut ワールドへの「キャラクターワールド移転サービス」の「転入」利用停止
・Bahamut ワールドへの新規キャラクターの作成停止 (※1)
・Bahamut ワールドを対象とした「冒険者紹介システム」の新規利用停止
※1:すでにBahamutワールドにキャラクターが存在する場合は除く。
また、今年7月にもAsuraワールドにて同様の対応が実施されていた。こちらの発表によれば、新たなプレイヤーの参加や、復帰プレイヤーの存在により、全体人口が増加傾向にあるそうだ。AsuraワールドとBahamutワールドが突出してプレイヤーが多いとされているものの、23年前の作品の人口が増加傾向にあるのは驚異的と言えるだろう。
人口増加の一因としては、同じくスクウェア・エニックスにて運営中のMMORPG『ファイナルファンタジーXIV』(以下、FF14)が影響していそうだ。『FF14』は2013年にリリースされ、2024年にはパッチ7.0「黄金のレガシー」が発売。そして、パッチ7.1において『FF11』とのクロスオーバーコンテンツ「エコーズ オブ ヴァナ・ディール」が実装された。

「エコーズ オブ ヴァナ・ディール」は『FF14』における8人×3パーティのアライアンスレイドとなっており、2024年11月に第1弾、2025年8月に第2弾、そして第3弾以降も予定されている。『FF11』のストーリーやキャラクター、ボスやBGM、さらには当時のネットミームなども再現されており、原作を知らなくても『FF11』を遊んでみたいと思えるものを目指したという(ファミ通.com)。その思いが通じて、新規プレイヤーや復帰するプレイヤーが増加しているのかもしれない。
一方でユーザーからは、ゲーム内アイテムを現実世界で売買する、いわゆるRMT目的の「業者」の存在も報告されている。業者にとっては人口が多いワールドで活動する方が効率がいいと思われるため、人気ワールドに集まりやすいという傾向があるのかもしれない。いずれにせよRMTは規約違反であり、混雑状況にあるサーバーでは特に素早い対処が望まれるところだろう。
リリースから23年を経てもなお賑わいを見せている『FF11』。ちなみにMMO系ゲームの非公式人口推計サイトMMO Populationsでは、本日の『FF11』の人口推計がなんと『FF14』を上回る6位となっていることも一部ユーザーの注目を集めている。しかしながら同サイト内で表示されている人口は、Redditなどでの盛り上がりなども加味された推計値とのこと。今回の発表も踏まえて話題が広まったことで一時的に多めに推計されている可能性がある点には留意したい。
なお、当時の『FF11』はプレイヤー同士で協力しないとクリアできないようなコンテンツが多かったものの、現在は「フェイス」というNPCとパーティーを組むことでソロでも冒険することが可能。公式よりレベル99までの冒険ガイドも公開されているため、この機会にプレイしてみてはいかがだろうか。
『ファイナルファンタジーXI』は、Windows向けにスクウェア・エニックスe-STOREにて販売中だ。