Bethesda Softworksが提供しているマルチプレイタイトル『Fallout 76』のパブリックテストサーバーにおいて、建築要素であるC.A.M.P.のオブジェクトを「火炎放射器トラップで壊せなくなった」との報告が上がっている。この報告は『Fallout 76』プレイヤーの間で瞬く間に広がり、“建築におけるとある懸念”から悲嘆の声が集まっているようだ。
『Fallout 76』はマルチプレイ型のオープンワールドRPGだ。開発はBethesda Game Studiosが手がけている。舞台となるのは、核戦争から26年後のアメリカ・ウェストバージニア州。核シェルターVault 76から足を踏み出した主人公は合衆国の再建を目指し、アパラチア・ウェイストランドでの冒険を始めることになる。本作では通常、各サーバーに最大32人のプレイヤーが参加可能。ほかのプレイヤーと協力あるいは敵対しながらのゲームプレイが特徴となる。
そして本作にはC.A.M.P.(以下、CAMP)と呼ばれる拠点建築要素が存在。マップに設営することで、壁や床などさまざまなオブジェクトを組み合わせて自分だけのCAMP拠点を作る事が可能だ。オブジェクトの組み合わせ次第でレイアウトに凝る事もでき、同じサーバーのプレイヤーのCAMPを訪れることも可能。本作の魅力のひとつとなっている要素だ。
そんなCAMP作りにこだわるユーザーたちの間では、建築にかかわるさまざまなテクニックが共有されている。その中でも有用とされているのが「火炎放射器トラップ」を使った建築テクニックだ。トラップから放出される火炎放射をオブジェクトに当てることで、CAMPで設置したオブジェクトを壊すことが可能というテクニックである。
一見するとただオブジェクトを壊すだけに見えるが、オブジェクトの壊れた部分は判定がなくなるため、たとえば壁を破壊し柱だけにした状態にして、柱の間に他のオブジェクトを設置したりすることが可能。その後火炎放射器で壊したオブジェクトを修復すれば、通常ではできないようなオブジェクト配置が可能となる。CAMP作りの見た目にこだわるユーザーからは、レイアウトの幅を広げるテクニックとして知られていた。本来は襲撃する敵への罠となる火炎放射器が、建築に活用されているわけだ。
しかし、本作のパブリックテストサーバー(以下、PTS)において、参加しているユーザーから「火炎放射器トラップで壁が壊せなくなった」との報告が上がっている。本作では火炎放射器トラップを使う以外に、プレイヤーだけで能動的にオブジェクトを破壊する手段は基本的に存在していない。そのため、「火炎放射器トラップで壁が壊せなくなった」という変更がもしおこなわれれば、CAMPのレイアウトの自由度が大きく狭まるだろう。PTSでの仕様は将来的にライブサーバーにも実装されうるため、PTSに参加していない『Fallout 76』ユーザーのあいだで「将来的にCAMPのレイアウトの自由度が大きく下がるのではないか」と危惧する声などが多く寄せられている。
ただ、この“仕様変更”とおぼしき挙動はPTSのパッチノートなどにも言及がみられない。またこの事象については、開発元であるBethesda Game Studio公式Discord内にてバグの可能性のある挙動としてPTSプレイヤーから報告が上がり、問い合わせが行われている。そして本作のコミュニティーマネージャーを務めるDani “VioletLight”氏は8月24日にこれに返答。いわく報告は確認しており、現在チーム内で調査中であるとのこと。また調査結果は追って連絡するとも述べている。VioletLight氏の返答を踏まえると、これは開発元の意図していなかった仕様である可能性も考えられるだろう。
本稿執筆時点で「火炎放射器トラップで壁が壊せなくなった」現象は不具合なのか、もしくは仕様なのかは不明。ユーザーからは、火炎放射器トラップを利用した建築テクニックを削除しないでほしいという要望が多数上がっている状況で、今後の動向が注目される。
『Fallout 76』はPC(Bethesda.net/Steam)/PS4/Xbox One向けに発売中だ。