壮大歴史ストラテジー『Europa Universalis V』ついに発表、しかも日本語対応予定。14世紀から約500年に渡り国家を統治、「パラド史上もっとも詳細な世界を描く」

本作のゲーム開始の年となるのは1337年。

Paradox Interactiveは5月9日、『Europa Universalis V』を発表した。対応プラットフォームはPC(Steam)。ストアページの表記によると、ゲーム内は日本語表示に対応予定だ。

本作は歴史グランドストラテジーゲーム『Europa Universalis』(以下、EU)シリーズの最新作だ。本作のゲーム開始の年となるのは1337年。ヨーロッパでは英仏百年戦争がはじまり、ビザンツ帝国は新興のオスマン侯国に敗れて小アジアの領土をほとんど喪失。ユーラシア大陸の大部分を支配するモンゴル帝国も衰退しつつあり、日本ではちょうど南北朝時代が始まっている。そんな時代を舞台にプレイヤーは世界中から自分の勢力を選び、約500年に渡って導いていくことになる。

本作には6つの時代が存在し、年代の進行とともに移り変わっていくという。時代が進むと税収額や軍隊の規模が増加するなど、ゲームが扱う数字の規模が大きくなっていくそうだ。またそれぞれの時代ごとにテクノロジーツリーが用意されており、プレイヤーは時代にあわせて戦略を調整していく必要があるという。

さらに本作にはシチュエーションと呼ばれる、複数の国が関わる大規模なイベントシステムが存在。シチュエーションは各時代で一定の条件を満たすと発生し、たとえば黒死病の蔓延や紅巾の乱など、歴史に大きな影響を与えた出来事らが用意されているとのこと。シチュエーションが発生すると独自のシステムがオンになり、関連国家はそれぞれシチュエーションの解決を目指すことになるそうだ。

また本作にはPOPと呼ばれる民衆たちが存在。プレイヤーの主な収入源となる税金は土地から湧くのではなく、POPから取り立てることになるという。POPは所属階級や文化、宗教などで分類され、それぞれに満足度や資金などが存在。各派閥には特権を与えることもでき、裕福なPOPは自分の資金で建設をおこなうという。満足度が低いPOPの集団は反乱を起こすため、安定した国家の運営においてはPOPの管理が重要になるとのことだ。

そして本作にはシリーズ史上もっとも詳細な交易システムが用意されているとのこと。プレイヤーは建設をおこなって原材料を加工する施設を作ったり、あるいはよそのマーケットと交易をおこなったりして、マーケットの商品を管理していくことになるそうだ。マーケットは新たに作ったり廃止したりすることができ、ゲーム中に動的に変化していくという。物品はさまざまな種類が用意されており、遠方と希少な品を取引すれば非常に大きな利益を得ることができるそうだ。

本作を手がけるParadox Tintoは2020年に設立された、Paradox Interactive傘下のスタジオだ。スペイン・バルセロナに拠点を置き、『Europa Universalis IV』のディレクターを務めたJohan Andersson氏がスタジオを率いている。同スタジオは本作『EU5』の制作のために発足され、Mod制作者などを雇用。『EU4』のアップデートやDLCなどを制作して戦略ゲームの開発経験を積みつつ、本作の制作を続けてきたという。

ちなみに本作は2024年2月に『Project Caesar(仮題)』として仮発表されており、週に一回のペースで開発日誌が公開。その内容から、同作は『EU』シリーズの新作なのではと噂されていた。今回ゲームタイトルが正式に発表され、『Project Caesar』が本当に『Europa Universalis V』であることが確定したかたちとなる。これまでの開発日誌では、300以上の諸侯が登場する“細かすぎる神聖ローマ帝国”のマップなど、さまざまな情報が公開されてきている(関連記事)。興味のある方は公式フォーラム(英語)を確認してみるとよいだろう。

『Europa Universalis V』はPC(Steam)向けに配信予定だ。ストアページの表記によると、ゲーム内は日本語表示に対応予定。配信日は現時点で未定となっている。

Akihiro Sakurai
Akihiro Sakurai

気になったゲームは色々遊びますが、放っておくと延々とストラテジーゲームをやっています。でも一番好きなのはテンポの速い3Dアクションです

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