『Escape from Tarkov』初心者への“安全な戦利品どっさりスポット紹介“が怪しげに白熱。初心者洗礼いじわる情報戦

『Escape from Tarkov』の国内外のユーザー間で“初心者への偽アドバイス”がネットミームのような賑わいを見せている。

Battlestate Gamesは11月15日、『Escape from Tarkov』を正式リリースした。本作の国内外のユーザー間で“初心者への偽アドバイス”がネットミームのような賑わいを見せている。

『Escape from Tarkov』は、PvPvE要素をもつハードコア脱出シューターだ。本作の舞台となるのは、政治的混乱から無法地帯となり隔離された架空の都市Tarkov。プレイヤーはソロまたはフレンドと部隊を組んでマッチに参加し、NPCやほかのプレイヤーと戦いつつ貴重な戦利品を獲得して、最終的にマップから脱出することを目指す。死亡した場合、持ち物や装備をロストするハードコアなゲームルールも特徴だ。

本作は2016年末にクローズドアルファが実施され、2017年からは公式サイトにて購入できる有料のクローズドベータとして配信。そして今年11月15日、ついに公式サイトとSteamにて正式リリースを迎えた。

そんな本作のユーザーコミュニティでは、正式リリースにあたって増えたであろう初心者に向けてのアドバイスも飛び交っている。親切なアドバイスも多数ある一方で意地悪な“偽アドバイス”も混ざり込み、賑わいを見せているようだ。

そんな偽アドバイスの筆頭として国内外のユーザーを賑わしているのが、初心者用マップにあたる「Ground Zero」についての助言だ。たとえば後述のXユーザーWEXSSA氏は、Tarbankのある部屋を安全で良い戦利品スポットとして紹介。また別のXユーザーであるGTH氏は“新規プレイヤーへの素晴らしいコツ”として同じ部屋を紹介し、非常に大きな戦利品チャンスが期待できるとアピールしている。

ところがこの助言は真っ赤な嘘ともいえる。この部屋にはクレイモア地雷が確定で仕掛けられており、設置場所も椅子の裏という外からではかなり気づきづらい位置にある。そのため知らずに足を踏み入れて即死したというプレイヤーが後を絶たず、いわゆる“初見殺し”のトラップとしてプレイヤー間で悪名を轟かせてきた。

今回は正式リリースに際して初心者が増加するタイミングを見計らってか、そんなクレイモア部屋について“戦利品を期待できるスポット”といった嘘をつく意地悪なジョークが流行を見せているかたちだ。国内外で同様の偽アドバイスはみられ、中には親切に危険な場所であると教える正直なアドバイスを、嘘呼ばわりして初心者を誘い込もうとするユーザーも。またそうした投稿を嘘だと指摘しつつも地雷に耐えられる良い防具がおすすめといった真実と嘘を織り交ぜるような反応も寄せられており、混沌とした様相だ。

なお本作では先述したとおり、死亡時に持ち物や装備をロストすることとなる。そのため単に意地悪な嘘というだけでなく、偽アドバイスには地雷で死んだプレイヤーから戦利品をせしめることも狙いのひとつとしてあるのかもしれない。

このほかにもたとえば脱出がやや難しいマップを初心者におすすめするといった、初心者アドバイスに嘘も混ざり込む“情報戦”が展開されている様相がみられる。過去にもほかのゲームで嘘アドバイスが賑わった例はあるものの(関連記事)、嘘と真実が織り交ざる一風変わった賑わい方に発展しているのはシステムがかなり複雑かつ死ぬリスクも大きい本作ならではの現象といえそうだ。

ちなみに“地雷部屋”への道中の壁には英語で「Keep Out!(入るな!)」という赤い文字が大きく書かれている。さらに直前の曲がり角にはロシア語で「Не лезь !(近づくな!)」との注意書きもあり、ゲーム内で確認できる情報だけでも何となく危ない雰囲気は漂っている。SNS上では魅力的な場所のように偽るアドバイスが囁かれているが、ゲーム内ではしっかりと警告が記されている、というわけだ。いずれにせよ本作では、Wikiなども活用しつつさまざまな情報を自力で判断することも重要となるだろう。

また本作では公式に認定された特別なプレイヤーが、初心者の案内などを担う助っ人「シェルパ(Sherpa)」として有志で活動中。日本国内には本稿執筆時点で3人のシェルパがおり、どうしてもプレイが難しい場合は日本向け公認Discordサーバー「Escape from Tarkov Japan」にて依頼してみるのもいいかもしれない。

『Escape from Tarkov』はPC(公式サイト/Steam)向けに配信中。それぞれセールが実施されており、Steamでは11月29日まで各エディションが15%オフとなっている。なお現在本作ではさまざまなエラーが報告されており、近日中にゲーム内インフラを拡張してマッチング時間が短縮される見込み。各種不具合に対する修正パッチも準備されているとのことだ。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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