『Escape from Tarkov』にて0キル縛りで「トレーダーレベル全員Max」チャレンジ達成される。無法地帯に現る徹底平和お散歩おじさん

PvPvE脱出FPS『Escape from Tarkov』において、敵を1人もキルすることなく全てのトレーダーの信頼度を最大にするというチャレンジを成し遂げたプレイヤーが現れた。

脱出シューター『Escape from Tarkov』において、敵を1人もキルすることなく全てのトレーダーの信頼度を最大にするというチャレンジを成し遂げたプレイヤーが現れた。同氏は本作で出会ったプレイヤーと「仲良くなること」を目指しており、究極の平和主義ゲーマーであるとして注目を集めている人物だ。

『Escape from Tarkov』は、PvPvE要素をもつハードコア脱出シューターだ。本作の舞台となるのは、政治的混乱から無法地帯となり隔離された架空の都市Tarkov。プレイヤーはソロまたはフレンドと部隊を組んでマッチに参加し、NPCやほかのプレイヤーと戦いつつ貴重な戦利品を獲得して、最終的にマップから脱出することを目指す。死亡した場合、持ち物や装備をロストするハードコアなゲームルールも特徴だ。

ストリーマーのThatFriendlyGuy氏はその名が表す通り、“フレンドリー”に『Escape from Tarkov』を遊ぶプレイヤーだ。同氏は本作において、ハードコアなゲームプレイよりも他のプレイヤーとの友好的な関係を楽しんできた。そんな同氏が今回挑んだのは、敵を1人もキルすることなく全9人のトレーダーの信頼度を最大にするというチャレンジだ。また同氏は追加のチャレンジとして、AからZまでの各アルファベットではじまる名前のプレイヤーと交流するという目標も掲げた。

トレーダーの信頼度は、基本的にはPMCレベル・親密度・総取引額という3つの条件に応じて1から4まで上昇していく。PMCレベルは自身の経験値に応じて、親密度はトレーダーから与えられるタスクをこなすことで、そして総取引額はトレーダーとアイテムを売買することでそれぞれ上昇する。このうち、PMCレベルと親密度については特にハードルが高い。というのも、本作でプレイヤーがまとまった経験値を得る手段はおもに敵のキルやタスクの達成だ。つまり、0キルを目指す以上は難しいタスクも安易に避けることはできない。本作では、プレイヤーのデータが一斉にリセットされるいわゆる「ワイプ」が約半年おきに実施されるため、期間内に最終的に必要となる42レベルまで上げるのは至難の技だろう。


キルを完全に封印した同氏の武器となるのは、銃ではなくコミュニケーション能力だ。NPCであるScavからは逃げ回ることしかできないものの、プレイヤーと遭遇した際には自分から積極的に話しかけて意思疎通を図る。もちろん生存するのは難しいが、なかには同氏を見逃してくれたり脱出にむけて護衛してくれたりと、手厚い対応をしてくれるプレイヤーもいる。同氏の優しい人柄には皆どこか惹かれるところがあるのだろうか。

そうして一期一会の交流もしつつ、アイテムの納品や特殊なタスクアイテムの回収・設置など、キルを条件に含まないタスクをなんとかこなしていく同氏。トレーダーによってはキル系のタスクが中心となってしまうため、代わりに毎日ランダムな内容で発生する「デイリータスク」などを用いて地道に親密度を稼ぐことも必要だ。なお同氏は『Escape from Tarkov』と並行して、5対5のタクティカルシューター『Escape from Tarkov: Arena』も辛抱強くプレイしていた。Refというトレーダーのレベルを上げるために同作のプレイが必要となるためだが、こちらでもキルをしないように徹底。マッチングする味方には感謝を伝えながら、目標地点の確保や敵の位置報告、ときには“おとり”になる場面も。できるかぎりの役割で貢献していた。

Image Credit: ThatFriendlyGuy on Twitch


そして3月24日、ついに最後のトレーダーの信頼度がマックスに。0キルで全てのトレーダーの信頼度を最大にするチャレンジを見事達成してみせた。統計画面のキル数の欄には、たしかに0という数字が輝いている。『Escape from Tarkov』の歴史上初めての偉業だろうとして、自身を誇らしげに祝福した。

なお、Peacekeeperというトレーダーに至っては、クリアした通常タスクの数が0個。なぜなら、Peacekeeperの最初のタスクを開放する条件として、Skierから受けられるタスク「Friend From the West – Part 1」などのクリアが要求されるからだ。このタスクは、USEC陣営のPMCを7人キルするという目標を含んでおり、同氏が課した条件ではどうやってもクリアすることができない。そのためPeacekeeperの信頼度はデイリータスクを活用して上げきったようだ。同氏のチャレンジで「ピースキーパー(平和を保つ者)」という名のトレーダーに特別な手間がかかるというのは、皮肉さも感じるところだ。

『Escape from Tarkov』はそのままでも十分ハードコアなゲームだが、プレイヤーの間ではたびたび難しいチャレンジとともに遊ばれてきた。特に「Zero To Hero」と呼ばれる挑戦は人気で、これはナイフ1本だけの状態からレイド内で装備を集め、最終的にプレイヤーたちを蹂躙して成りあがるという企画だ。もともとストリーミング配信での人気がある作品だけに、今回のThatFriendlyGuy氏の挑戦も含めさまざまな企画がみられる点も本作の持ち味だろう。

ちなみにThatFriendlyGuy氏は、5月27日の発売日に先駆けて先行リリース中のサバイバルアドベンチャー『Atomfall』を配信で遊び、こちらもさっそく0キルでのクリアを達成している。難易度はもっとも高い「ベテラン」で、クリア時間は9時間25分。キルをしないでクリアする実績がないことを残念がりながらも、素晴らしいゲームだとして非常に満足げな様子をみせた。過酷な戦場でも“フレンドリー”を貫く同氏の「平和主義プレイ」からは、カジュアルな遊び方の新たな可能性を感じ取ることができる。同氏が次はどのようなゲームで遊ぶのかもチェックしていきたい。

Escape from Tarkov』はPC向けにクローズドベータで配信中。

Shion Kaneko
Shion Kaneko

夢中になりやすいのはオープンワールドゲーム。主に雪山に生息しています。

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