Epic GamesのCEO、「お金周りの心配はなくなった」と報告。“再建”成功をアピール
Epic GamesのCEOであるTim Sweeney氏は日本時間10月2日、アメリカのシアトルにて開催されている「Unreal Fest Seattle 2024」のオープニングセッションに登壇。Sweeney氏はイベント内でEpic Gamesの状況に触れ、昨年のレイオフなどで経営再建をおこなった結果、現在は財務的に健全(financially sound)になったとアピールした。海外メディアPC Gamerなどが報じている。
Epic Gamesはゲームエンジン「Unreal Engine」のほか、『フォートナイト』などの開発元として知られる米国の企業だ。エンジン・ゲーム開発のほか、デジタルゲームストア・プラットフォーム「Epic Gamesストア」を運営している。
またEpic Gamesはイベント「Unreal Fest」を例年開催しており、Unreal Engineについての最新情報や、Epic Gamesストアに関する情報、方針などが発表される。このUnreal Festは、今年は東京を含めた6都市で開催。9月30日から10月3日の期間には、アメリカ・シアトルで開催されている。
そのUnreal Fest Seattle 2024では、日本時間10月2日にオープニングセッションが実施され、Epic GamesのCEOであるTim Sweeney氏も登場した。このなかでSweeney氏は、現在のEpic Gamesの状況について、財務的に健全であると報告した。
Sweeney氏がEpic Gamesの現状について「財務的に健全だ」とあえて発言した背景には、昨年に実施されたレイオフの影響を不安視する見方があると思われる。Epic Gamesは昨年9月、同社の従業員の約16%にあたる、800名規模のレイオフを実施。コンテンツ制作ツール「Unreal Editor for Fortnite(UEFN)」でコンテンツを制作したクリエイターなどへの収益分配や、成長を続ける『フォートナイト』への投資といったビジネス構造が変化した結果、“収支の持続可能性を確保するため”としてレイオフに踏み切っていた(関連記事)。
また、Epic Gamesはこのレイオフにあわせ、楽曲配信プラットフォームBandcampも売却。Bandcampは2022年3月にEpic Gamesに買収されたものの(関連記事)、コスト削減にともなう事業売却の一環として、買収から約1年という短さで売却されていた。
こうした背景もあり、Sweeney氏は昨年を着実な再建に費やしていたと言及。そしてレイオフから1年ほど経ち、財務状況の改善がアピールされた格好だ。なおは、財務面の報告にあわせ、『フォートナイト』およびEpic Gamesストアが順調に成長しているとも報告。具体的には、『フォートナイト』について、ホリデーシーズン中に月間アクティブユーザーが1億1000万人を突破したとのこと。さらにEpic Gamesストアについては、今年9月に月間アクティブユーザー数が7000万人を記録したという。主力となる『フォートナイト』およびEpic Gamesストアでの成長も、財務状況の改善につながったのだろう。
財務このほか同イベントではUnreal Engineの最新バージョンとなるUnreal Engine 5.5 Previewがリリースされたほか、Epic Gamesストア向けにも発売される作品のUnreal Engineの利用料を安くする新制度「Launch Everywhere with Epic」も発表(関連記事)。今後のEpic Gamesストアのラインナップの増加も期待される。