イーロン・マスク氏、突如「AIゲームスタジオを立ち上げる」と表明。「ゲームを再び素晴らしいものにする」と意気込む
イーロン・マスク氏は11月28日、自身のXアカウントにて「AIゲームスタジオ」を立ち上げると表明した。海外メディアPC Gamerなどが報じている。
イーロン・マスク氏は、米テスラ社のCEOだ。世界有数の資産家であるほか、SNS上での言動などでもしばしば注目を集める人物だ。同氏は2022年10月末にTwitter社のCEOに就任し、同社はXに改称された。なお現在はX社のCEOを退任し、同社の執行会長兼最高技術責任者(CTO)の座に就いている。
今回イーロン氏の“ゲームスタジオ設立宣言”の発端となったのは、Shibetoshi NakamotoことBilly Markus氏による投稿だ。Markus氏は仮想通貨Dogecoinの共同創設者だ。同氏はXアカウントにて「ゲームの開発者とゲームジャーナリズムはイデオロギーに捕らわれてしまっている」との主張を投稿。また同氏には、ゲーマーは常に貪欲な企業などを敵視してきたとの見解があるという。にもかかわらず昨今のゲーム開発者とゲームジャーナリズムは、ゲーマーが拒絶してきたような思想に傾倒している、といった考えに基づく批判のようだ。
イーロン氏はMarkus氏のこの発言に反応。数多くのゲームスタジオが巨大企業によって所有されているとの考えを示した。そうして先述したようなMarkus氏の主張を支持してか、イーロン氏自身がゲームスタジオを設立し、「ゲームを再び素晴らしいものにする」という。
イーロン氏の“決意表明”にあたっては、xAI社を活用し「AIゲームスタジオ」の設立を目指すとしている。xAIはイーロン氏が2023年に設立した、人工知能の開発をおこなう企業だ。X社とも連携を図っており、X上で利用可能なAIチャットボット「Grok」を提供している。スタートアップながら今年5月には60億ドル(約9000億円)の資金を調達するなど、勢いを見せる企業だ。
なおxAIで設立されるというAIゲームスタジオについては、AIをどう活用するのかという詳細は特に語られていない。仮にAIによるコンテンツ生成が活用されるのであれば、これまでxAI社がXで投稿されたコンテンツから収集した学習データが利用される可能性もありそうだ。ほか、スタジオ設立の日取りについても、現時点でxAIからの公式発表はない。
ちなみにイーロン氏はゲーム好きとしても知られており、先日人気ポッドキャスト番組「Joe Rogan Experience」に出演した際には、『ディアブロ4』の高難易度コンテンツ「名匠の奈落」にて、タイムアタックの世界ランキングトップ20位以内に入っていると明かすなど、やり込みゲーマーの一面ものぞかせていた(関連記事)。
そんなイーロン氏が「ゲームを再び素晴らしいものにする」との意気込みを示しつつ表明したゲームスタジオ設立がどのように進展していくのかは注目される。同氏が問題視する“ゲームスタジオが大企業に所有されがち”との考えに基づいて設立されるとみられ、どのような運営方針がとられるかも気になるところだろう。