『エルデンリング』DLCのボス「暴竜ベール」、“好き派と嫌い派”で議論白熱。ド派手攻撃連発されるバトルは楽しいかつらいか

『エルデンリング』のDLC「SHADOW OF THE ERDTREE」のボス「暴竜ベール」に向けて、ユーザーから愛憎入り混じる反応が集まっている。

エルデンリング』のDLC「SHADOW OF THE ERDTREE」のボス「暴竜ベール」に向けて、ユーザーから愛憎入り混じる反応が集まっている。豪華な演出とは裏腹に、理不尽に思える強さ・厄介さがある点から、複雑な感情が向けられているようだ。なお本稿では暴竜ベールや関連NPCについてのネタバレが含まれるため留意されたい。

『エルデンリング』は、フロム・ソフトウェアが手がけるアクションRPGだ。DLC「SHADOW OF THE ERDTREE」では新たな舞台となる「影の地」にて、神人ミケラにまつわる物語が描かれる。


DLC発売以来、コミュニティではボスである「暴竜ベール」に賛否入り混じるさまざまな意見が集まっている。暴竜ベールは、影の地におけるギザ山エリアのボスだ。ギザ山にはDLC序盤で到達可能なダンジョン「竜の穴」をクリアすることでたどり着くことが可能。その後は道中のボスを無視することも可能なため、竜の穴さえクリアすれば戦えるボスとなっている。

ただベールはDLCの本筋を進める上では倒す必要のないボスということもあってか、かなりの強敵。長時間挑戦し続けてようやく倒した、あるいは諦めたプレイヤーたちから「理不尽なほど強い」といった悲鳴も寄せられてきた。また発売から少し時間を経たこともあり、ベールを分析しつつ、強さや好き嫌いをじっくりと議論するユーザーも現れているようだ。


ベールの嫌なところ

たとえば海外掲示板RedditではユーザーのMarsupialPitiful7334氏がベールについての意見を募るスレッドを投稿。同氏は投稿時点で、8周目の周回プレイデータにて2度目のベールを撃破していたそうだ。同氏はベールについて素晴らしいボスだったとしつつ、『ダークソウル3』のDLCにおける「闇喰らいのミディール」よりも良いボスだったとの感想を述べている。ただ、それでもベールには“嫌いな部分”もさまざまあったという。

たとえば同氏は、頭突き攻撃やプレイヤーを直接狙うブレス攻撃が厄介だったとしている。中でも直接のブレス攻撃は見た目以上に当たり判定が大きいと感じたそうで、当たっていないのに体力をごっそり削られうる点に理不尽さを覚えていたようだ。このほか同氏は周回プレイデータ特有の不満として、体力が非常に高い点もつらかったと綴っている。

また同氏はベール戦でのカメラワークも問題点として指摘。ベールはほかの大きめの竜系の敵と違って、頭しかロックオンすることができない。にもかかわらずベールは長い尻尾をもつため、位置取りによってはカメラで状況を把握しづらく、またロックオンしながら足元で戦うといった戦法も取りにくい。同氏は足元ではベールの頭突き攻撃などを避けやすいのに、頭しかロックオンできないため戦いづらくなっているとしている。

スレッド内にはユーザーからの支持も寄せられており、カメラワークやプレイヤーを直接狙うブレスなど、MarsupialPitiful7334氏と同様の不満点を述べる投稿も複数見られる。またベールの体力が一定値を下回ったあとの“第2段階”における空中からのブレスなぎ払いが爆発を伴って非常に避けづらい点や、ベール戦で有効な武器が限られる点などを不満とする意見もある。これまでRedditで投じられてきたスレッドやSNS投稿なども見るに、ベールには苦手を通り越して“嫌い”といった印象をもつユーザーも多い様子だ。


でも好きなところもある

一方でMarsupialPitiful7334氏は先述のような不満を伝えつつも、ベールのさまざまな点を評価している様子だ。なかでも同氏は、避けにくい攻撃への不満を述べるユーザーには反論している。たとえば地面を広く爆発させる攻撃について、ジャンプで避けたあとに余裕をもって反撃するチャンスが設けられていると称賛。また先述した空中ブレスについても、タイミングは難しいもののブレスがなぎ払われる方向に回避すれば避けることが可能だと説いている。


さらに同氏は空中ブレスについて、本作でもっともクールな攻撃のひとつであるとも熱弁。そうしたド派手なボスの攻撃であっても避けることが可能で、かつ攻撃によっては反撃のチャンスにもなっている点を評価しているのだろう。先述のとおりMarsupialPitiful7334氏は嫌いなところをさまざま語っていたものの、それでもほかのユーザーに反論しつつ好きな点も紹介しているのは興味深い。またベールの攻撃方法・演出について評価を寄せるプレイヤーは同氏のほかにも見られ、「自分で戦いたくないけどベール戦を見るのは好き」といった意見さえある。

なおSNS上ではベールだけでなく、条件を満たすとベール戦で召喚可能な味方NPCエーゴンも話題を呼んでいる様子。「白鯨」を彷彿とさせるエーゴンとベールの因縁ある対決やその演出も、ベール戦の評価点とする感想がみられる。エーゴン召喚後の「Curse you,  Bayle!(ベエエエルよ!)」との熱のこもった台詞は、さっそくネットミームのように愛されているようだ。


ちなみに味方ながらもエーゴンにもまた好き嫌いの割れるユーザー反応が寄せられており、いわゆるボス霧前ではなくボスエリアに召喚サインがある点などが“嫌われている”様子。ボスエリア内の召喚であれば召喚してもボスの体力が増さない利点もあるものの、激しいベールの攻撃に気を付けながら召喚しなければならない点がネックとなっている様子だ。ベールの素早い動きに攻撃を当てられずターゲットを引いてくれないからか、苦労して呼んでも役に立たないといった厳しい意見もみられる。

苦手を通り越して“嫌い”という感情まで向けられている暴竜ベール。プレイヤーごとに嫌いな理由はさまざまあるようで、エーゴンと同じく怨みを募らせているユーザーも続出している。苦戦している人は、竜の穴のボス戦で入手できる「竜狩りの大刀」を使う、あるいは戦技「死の刃」や祈祷「黒き剣」で最大体力を削ったり、強力な指紋石の盾で攻撃をしのぎながら戦ったりと、さまざまな戦略を試してみるといいかもしれない(関連記事)。

また一方でベールには派手でかっこいい演出をもつ強敵として一定の評価も寄せられている様子。SNS上で好き嫌いの割れるユーザー反応を眺め、自分のベール戦を振り返ってみるのも面白いだろう。

エルデンリング』およびDLC「SHADOW OF THE ERDTREE」はPC(Steam)およびPS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One向けに発売中。ゲーム本編とDLCを同梱する「SHADOW OF THE ERDTREE EDITION」も販売されている。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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