『エルデンリング』DLCの老兵アンスバッハがやたらと愛される。モーグ陣営の“嫌なイメージ”を振り払うダンディ爺様

 

エルデンリング』のDLC「SHADOW OF THE ERDTREE」にて登場した新NPC「老兵、アンスバッハ」の魅力に惹かれるプレイヤーが続出しているようだ。落ち着いた人物像のほか、本編のある人物との“ギャップ”も関係していそうである。なお本稿にはDLC内のネタバレを含むため、留意されたい。

『エルデンリング』は、フロム・ソフトウェアが手がけるアクションRPGだ。広大なオープンワールドとして構築された「狭間の地」を舞台に、プレイヤーは褪せ人としてエルデの王となることを目指す。そして本作にとって最初で最後の大型DLC「SHADOW OF THE ERDTREE」では新たな舞台となる「影の地」にて、神人ミケラにまつわる物語が描かれる。


影の地にもさまざまな非敵対NPCがおり、狭間の地における勢力やキャラとゆかりのある人物も登場。そして、序盤に出会うNPCのひとりである「老兵、アンスバッハ」が国内外のコミュニティで妙な人気を博している。

アンスバッハは、黒い装束に身をまとった老練な人物だ。多くの褪せ人は、DLC序盤の祝福「正門前の十字」にて出会うことになるだろう。会話のなかで彼はかつて「血の君主、モーグ」に仕えていたとしつつ、“しがない老兵”を自称。もはや荒事では役立てないものの、影の地ではミケラが何を為そうとしているのかをずっと調べているという。

そんなアンスバッハの人気が、XReddit上で高まっている様子がみられる。たとえばThe Washington Post紙のゲーム担当記者Gene Park氏は、アンスバッハはDLCにおける最高の新キャラであると称賛。理由として、論理的で理にかなった考えや忠誠心をもつ点などを挙げている。このほかにもアンスバッハにラブコールを送るユーザーは散見され、DLCにおける旅の“戦友(real brother)”としたり、ファンアートが描かれたりとDLCのキャラのなかで特に高い人気を見せている。


なぜそこまでアンスバッハ人気が高まっているのか。理性的な人物像や落ち着いた声、お洒落なルックスなどさまざまな理由が考えられる。またGene Park氏が述べるように、ストーリー上での人物像も魅力のひとつだろう。このほか、SNS上を見ると、アンスバッハの魅力や特徴として“ギャップ”を挙げるユーザーが複数みられる点に注目したい。

というのも、アンスバッハは先述のとおりかつてモーグに仕えていた人物。そして本編における代表的なモーグの配下(純血騎士)といえば、白面のヴァレーだろう。多くの褪せ人の旅のスタートを「巫女無し」といった無礼なセリフで彩ってきたであろう、性格に癖のあるキャラクターだ。褪せ人に対して慇懃無礼な態度で接し続ける人物であり、モーグの配下のイメージをかなり損ねていたとみられる。

またヴァレー以外の血の君主陣営は、侵入NPCなどとして問答無用で戦う者ばかり。そのためモーグ配下の新キャラとして現れたアンスバッハも、初めは“異常者”といった疑いの目を向けられがちなのかもしれない。一方、旅を進めて理性的で紳士的な人柄に触れる中では特にヴァレーとのギャップが浮き彫りになるからか、アンスバッハの魅力に引き込まれる褪せ人が続出しているようだ。アンスバッハひとりの影響で、モーグ陣営へのイメージを改めたという声もみられる。よほどの人徳である。


なおDLCでは特定の条件を満たすことでNPCとの関係性が当初から変化を見せる。アンスバッハについても同様で、条件達成後に会話を経て「正門前の十字」付近から移動。影の城の種の保管庫にて再開することができる。やや見つけにくい場所にいるため、注意深く探してみるといいだろう。共闘も含めさまざまなイベントが用意された人物であり、人によっては関わり深いキャラとなることも、人気の一因かもしれない。

さまざまな新キャラクターが登場するDLC「SHADOW OF THE ERDTREE」。本編に連なるキャラや陣営同士の因縁も垣間見え、会話やアイテム説明などを吟味しながら壮大な『エルデンリング』の物語に想いを馳せるのもいいだろう。なおNPCとの会話やイベントは進行状況に応じて発生しなくなる場合もある。時にはキャラがいそうな場所をじっくりと探索したり、イベントが進展しそうなアイテムを探してみたりするといいかもしれない。

エルデンリング』およびDLC「SHADOW OF THE ERDTREE」はPC(Steam)およびPS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One向けに発売中。ゲーム本編とDLCを同梱する「SHADOW OF THE ERDTREE EDITION」も販売されている。