『エルデンリング』プレイのうまさで名高い“全裸ツボ”プレイヤー、「DLCは難しすぎではない」とコメント

 
Image Credit: Let me solo her on YouTube

エルデンリング』DLC「SHADOW OF THE ERDTREE」の難易度を巡る賛否について、本編にて“マレニア狩り”をしていた人気ユーザー、Let me solo herことKlein Tsuboi氏が意見を伝えている。同氏としては、DLCの発売からまだ1週間しか経っておらず、新要素も含めて公平には評価できないと考えているそうだ。海外メディアGamesRadar+が伝えている。なお本稿にはDLCの内容が含まれるため留意されたい。

『エルデンリング』は、フロム・ソフトウェアが手がけ2022年2月に発売されたアクションRPGだ。広大なオープンワールドを舞台としつつ、『ダークソウル』シリーズなど同スタジオ過去作のゲームプレイを色濃く継承。サインからのゲスト召喚による協力プレイ、およびほかのプレイヤーのセッションに侵入する敵対プレイが可能なオンライン要素も健在だ。またボス戦をはじめ、手強い調整となっている戦闘なども特徴となっている。

そして、本作にとって最初で最後の大型DLC「SHADOW OF THE ERDTREE」では新たな舞台となる「影の地」にて、神人ミケラにまつわる物語が描かれる。なおディレクターを務める宮崎英高氏からは、DLCが本編終盤程度の難易度が想定されていると伝えられている(関連記事)。


マレニアを倒し続けたプレイヤー

『エルデンリング』本編においては、強力なボスの筆頭として「ミケラの刃、マレニア」が存在。広範囲・高火力・高頻度の猛攻のほか、体力を回復するギミックや状態異常も兼ね備えているボスだ。

一方で本編発売後、このマレニアをゲスト召喚された協力プレイにて討伐し続けるプレイヤーの存在が海外コミュニティを中心に話題を呼んでいた(関連記事1関連記事2)。全裸にツボを被った頭がトレードマークの「Let me solo her(ひとりで倒させて)」ことKlein Tsuboi氏だ。「壺頭」以外の防具を付けない状態にて、単独でもマルチプレイ基準に強化されたマレニアを鮮やかな手並みで狩り続ける活動から、マレニア戦突破を助けてくれる謎のヒーローとしてネットミームのように注目を集めていた。

Tsuboi氏のマレニアの撃破数は2022年7月には1000体を突破。米国のバンダイナムコエンターテインメントから、表彰とともに記念品を贈呈されている。また今年2月に同氏はIGNのインタビューにて、プレイ時間が約1200時間となり累計で「だいたい6000~7000体」のマレニアを倒したことを伝えていた。


難易度についての見解

Tsuboi氏に向けて今回、海外メディアGamesRadar+がインタビューを実施。DLCの“難易度”について同氏の見解を訊いている。というのも本DLCは、レビュー集積サイトMetacriticでメタスコア95、ユーザースコア8.3を獲得するなど非常に高い評価も受ける一方、Steamユーザーレビューでは一時「賛否両論」ステータスを記録(現在は「やや好評」ステータス)。一部ユーザーからは、ボス戦を中心に難易度が高すぎるといった指摘も寄せられている。

Tsuboi氏としては、難易度への賛否について、DLCの発売からまだ1週間しか経っておらず、新要素も含むDLCの難易度を正確に判断するのは難しいとの見方を述べている。同氏としては、難易度について公平に評価できるのは2~3か月後になると見ているそうだ。

一方現状でTsuboi氏はDLCのボスについて、まだ分析していない最終ボスを除けばDLCにマレニアに匹敵する強さのボスはいないとの見解をもっているという。「串刺し公、メスメル」は倒し方をマスターするまで時間はかかったとしつつも、かなりスムーズに攻略できたとのこと。インタビュー時点では最終ボスまでたどり着いてはいるがまだ倒していないそうなので、今後同氏がDLCの最終ボスはマレニアよりも強いといった評価を示す可能性もありそうだ。いずれにせよTsuboi氏のボス評価は、一ユーザー意見ではあるものの、マレニアを6000回以上倒した人物の見解として、説得力を感じるところかもしれない。


またTsuboi氏は、DLCは全体として、本作にとって“最大の難関”になっているとの意見を述べている。戦闘においては反撃のタイミングを慎重に見定めて身に付けるといった、プレイヤースキルを試されるバランスになっていると見ているそうだ。

ただTsuboi氏は、ソウルシリーズのプレイヤーは「ゲームの難易度を下げる要素を避ける」層と「使えるものはなんでも自由に使う」層に分かれるとの見解を示している。同氏としてはボスに挑む前にあまり探索しないプレイスタイルだそうで、その点を踏まえるとDLCの難易度は妥当だと考えているとのこと。先述した“最大の難関”との表現は、あくまで同氏のプレイスタイルにおける評価なのだろう。


使えるものはなんでも使うべき

そのためTsuboi氏は、“難易度が高すぎる”として苦戦しているプレイヤーに向けては「使えるものはすべて自由に使った方がいい」と助言。DLCということもあり、バランスとしては本編でのさまざまな強化要素を得ていることが想定されている可能性を指摘している。そのため遺灰で味方NPCとなる霊体を召喚したり、探索して影樹の破片を集め影樹の加護を強化したりと、戦いを楽にできる要素をなんでも使うべきだと考えているそうだ。

ちなみに本作ディレクターの宮崎氏も、「使えるものはなんでも使う」といったプレイスタイルをとっているようだ。同氏は海外メディアThe Guardianのインタビューにて、自身のゲームの腕前を「超下手(absolutely suck)」だと説明。DLCの開発に向けて『エルデンリング』本編をプレイした際にも、ゲーム内の“お助け要素”や開発者としての知識をフル活用してプレイに臨んだという。『エルデンリング』にて、自由度の高いオープンフィールドとなったことの恩恵を、身をもって感じていたそうだ。その後開発されたDLCでも、多彩な攻略アプローチを活用して突破するプレイスタイルは念頭に置かれているのだろう。


発売後難易度について賛否が分かれている状況もある『エルデンリング』のDLC「SHADOW OF THE ERDTREE」。今回「Let me solo her」として数多のマレニアを葬ってきたTsuboi氏から示された、難易度に関する考えは興味深いユーザー意見かもしれない。なお本作では6月26日には最新レギュレーション1.12.2が配信され、主に影樹の加護の強化段階前半におけるステータス強化率が向上。また同氏を含むさまざまなコンテンツクリエイターやメディア関係者、そして公式が“影樹の破片集め”を勧めており、手詰まりとなった場合は影の地の探索に繰り出してみるのもいいかもしれない(関連記事)。

ちなみにTsuboi氏はYouTubeチャンネルにて、召喚先で単独でメスメルに挑む「Let me solo him」とする動画(リンク先ネタバレ注意)を投稿している。同氏はマレニアの次の“標的”として、さっそくメスメルに狙いを定めているようだ。

エルデンリング』およびDLC「SHADOW OF THE ERDTREE」はPC(Steam)およびPS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One向けに発売中。ゲーム本編とDLCを同梱する「SHADOW OF THE ERDTREE EDITION」も販売されている。