『エルデンリング』DLCは「影樹の破片集め」で乗り切れというアドバイス集まる。実際どれだけ効果があるのか、“ボス完全無視”で何個集まるのか検証
フロム・ソフトウェアは6月21日、『エルデンリング』のDLC「SHADOW OF THE ERDTREE」を発売した。本DLCはメディアやシリーズファンなどから高い評価を受ける一方、「難易度の高さ」を巡って一部ユーザー間では賛否分かれる意見も存在する。
一方、攻略に苦戦しているユーザーに向けては、公式やメディア関係者などが口を揃えて“影樹の破片集め”を勧めている様子がみられる。実際のところ影樹の破片を集めると何が変わるのか。ボスや強敵と一切戦わずにいくつ集められるのか。本稿後半では弊誌の検証結果も紹介しているので、参考にしてみてほしい。なお本稿にはDLC内の特定エリアのスクリーンショットが含まれるため留意されたい。
『エルデンリング』のDLC「SHADOW OF THE ERDTREE」にて追加される「影の地」にたどり着くためには、「神人眠りの繭」に触れる必要がある。そして、このためには本編のボスである「星砕きのラダーン」と「血の君主、モーグ」を倒さなければならない。このうち「血の君主、モーグ」ついては本編終盤級の高難度エリアの攻略が必要なうえ、ボス自体も同様の進行度が想定されているとみられる強敵となっている。
そんな「血の君主、モーグ」を倒して訪れることになる影の地の、難易度の高さに注目が集まっている。影の地ではボスも雑魚敵も高い火力を誇り、また一部の敵は耐久力もかなり高め。ディレクターを務める宮崎英高氏により本編終盤程度の難易度が想定されていると伝えられていたこともあり、手強い難易度となっている(関連記事)。
高難易度への賛否
そしてDLC「SHADOW OF THE ERDTREE」は発売後、高い難易度を巡る賛否両論が寄せられている。レビュー集積サイトMetacriticではメタスコア95、ユーザースコア8.2と非常に高いスコアを獲得。その一方でSteamユーザーレビューなどにおいて“難易度が高すぎる”といった不評が寄せられている状況だ。本稿執筆時点でSteamユーザーレビューでは約4万7000件中好評率が68%の「賛否両論」ステータス。メディアや批評家を中心に高評価が集まっているものの、高い難易度から楽しみづらいと感じるユーザーも一部いたようだ。
こうした発売後の“難易度への悲鳴”を受けてか、本作のコンテンツクリエイターやメディア関係者、そして公式が口を揃えてとあるアドバイスをおこなっている。それは「影樹の破片(Scadutree Fragments)」を集めることだ。影樹の破片とは、DLCにて新登場したアイテム。影の地に点在しており、祝福にて一定数消費することで、「影樹の加護」の段階を高めることが可能。影樹の加護を高めれば、影の地内限定で褪せ人(プレイヤー)の攻撃力とカット率(防御力に関わるステータス)を上昇させることが可能だ。レベルアップとは別軸の強化要素といえる。
たとえば海外メディアBloombergのJason Schreier氏は“大事なお知らせ(PSA)”として、DLCが難しすぎると思うなら、影樹の破片をもっと集めようと呼びかけ。DLCでは影樹の加護が重要な強化システムであり、探索せずに力ずくでボスを倒そうとすると楽しみにくいことを説いている。またバンダイナムコエンターテインメントの海外向け公式Xアカウントや、フロム・ソフトウェアの公式Xアカウントも発売後間もなく“影樹の破片集め”を推奨するアドバイスを投稿している。
影樹の破片は、ミケラの十字の根本には確定で配置。また各地にある像の前や光る壺をもつ敵のドロップなどからも入手できる。ボスや強敵を倒さずに入手できる影樹の破片も数多く用意されているわけだ。さらに同様の仕組みとして、霊灰を集めて消費し、遺灰で呼べる霊体やトレントの攻撃力・カット率を高められる「霊灰の加護」というシステムも存在。褪せ人や味方として呼べる霊体を一定まで強化が可能である。
また6月26日には最新レギュレーションとなる1.12.2が配信され、難易度調整が実施。「影樹の加護」による攻撃力とカット率の強化率の上昇曲線が、前半の強化率上昇が高めになるように調整された。つまり、特に影樹の加護が低い段階で強化した際に、効果が従来以上に上昇する調整だろう。あわせて、最大強化時の強化率も僅かに上方修正されているとのことだ。
どれくらい効果があるのか
公式やプレイヤーが攻略アドバイスとして口を揃えて伝えている“影樹の破片集め”。では影樹の加護を上げると具体的にどれくらい効果があるのかを検証をしてみた。検証においては最新レギュレーション1.12.2にて防具とタリスマンを何も装備しない状態で、序盤エリアで戦うことのできる「孤牢の騎士」との戦闘をおこなった。ステータスは以下の画像のとおり。
検証においてはまず、影樹の加護が「1」の状態では、孤牢の騎士の特定の攻撃から1042ダメージを受けた。一方影樹の加護を1段階上げた「2」の状態では同じ攻撃が955ダメージに減少。さらにひとつ上げた「3」の状態では917ダメージに減少を見せていた。また孤牢の騎士に与えられるダメージについては、たとえば影樹の加護「2」ではこちら側の特定の攻撃で754ダメージを付与。そして「3」では812ダメージといった上がり幅であった。
なお弊誌ではさらに、ボスや強敵を一切倒さずにどこまで影樹の破片を集められるかも検証。封印された霊気流などもくまなく探しつつ影の地を巡り巡って、ボスや強力な敵を一切倒さずに、31個の影樹の破片を集められることを確認した。すべて使えば影樹の加護は「13」まで上昇。影樹の加護「3」の状態と比べて、孤牢の騎士からの先述の攻撃は917ダメージから611ダメージにまで減少する頑強な肉体を手に入れた。さらにこちらからの攻撃は812ダメージから1218ダメージまで上昇を見せた。影樹の加護の段階が低い場合と比べて、攻略はかなり楽になるだろう。
ただし検証で集めた31個のなかには一部、ダンジョンの攻略が必要な影樹の破片も存在。また一部ボス戦にて召喚できるNPCが、特定の場所を訪れることで呼べなくなりうる点にも留意したい。ダンジョンの外にあるものも根気強く探索が必要な破片があるため、ある程度集め終えたら再度苦戦していた場所に挑戦する方が手っ取り早いかもしれない。
いずれにせよ、公式もおすすめするように本作DLCでは新たな強化システム「影樹の加護」を活用することも有効な攻略手段のひとつといえそうだ。また前述したようにレギュレーション1.12.2配信により、特に序盤においてはさらに効果的になったとみられる。ボスを倒さずとも手に入れられる影樹の破片は多めに用意されており、手詰まりとなった場合は影の地の別の場所に目を向け、のんびりと探索してみるのもいいだろう。
『エルデンリング』およびDLC「SHADOW OF THE ERDTREE」はPC(Steam)およびPS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One向けに発売中。ゲーム本編とDLCを同梱する「SHADOW OF THE ERDTREE EDITION」も販売されている。
【UPDATE 2024/6/27 10:00】
NPCイベントに関して追記