『エルデンリング』DLCの「影樹(Scadutree)」、読み方分からず“スカドゥーツリー”として親しまれる。その正体は「古英語」モチーフか


フロム・ソフトウェアは6月21日、『エルデンリング』のDLC「SHADOW OF THE ERDTREE」を発売した。本作の象徴的な存在である「影樹(Scadutree)」の英語発音が海外ファンの間で話題にのぼっている。「へんてこな発音の名前」と多くの人に思われていたこの表記は古英語をモチーフにしており、実際の発音を知り愕然とする者も散見されるようだ。

『エルデンリング』は、フロム・ソフトウェアが手がけるアクションRPGだ。DLC「SHADOW OF THE ERDTREE」では新たな舞台となる「影の地」にて、神人ミケラにまつわる物語が描かれる。同DLCでは、影の地限定の新たな強化システムとして、「影樹の加護」および「霊灰の加護」が用意。このうち「影樹の加護」では影樹の欠片を祝福にて消費することで、褪せ人の攻撃力とカット率(防御力に関わるステータス)を高めていくことが可能だ。


本作英語版における「影樹」の表記は「Scadutree」となる。この綴りは、名称が明らかになった直後から変な名前として話題になっていた。Tree(木)はともかく、Scaduは見慣れない単語だろう。実際、英語圏メディアやユーザーによる実況プレイでは、「Scadutree Fragment(影樹の加護)」といったアイテム名の読み上げにて「スカドゥー」との発音が散見。そう読み上げつつも、トンチキな響きに思わず自分で吹き出すプレイヤーなども見られる。


人や文化圏によって、この発音への感じ方はさまざまだろう。しかし「スカドゥーは変」と感じる者が多数派なのは間違いなさそうだ。Redditの本作コミュニティでは、アニメ映画「カンフー・パンダ」の合言葉的セリフ「スカドゥーシュ(Skadoosh)」を思い出してしまうとの意見に多くの賛同が寄せられている。

しかし、「Scadu」の発音にまつわる新たな情報が浮上し、波紋を広げることとなる。「Scadu」は古英語をモチーフにした「Shadow(シャドウ)」の綴りであり、発音も「シャドウ」に近いというのだ。やや綴りが違うものの、古英語「Sceadu(影)」は、発音表記からも「/ˈʃɑ.du/ (シャドゥー)」のような発音となるようだ。

また、古英語の「Sc」は現代英語の「Sh」のように発音するとされる。たとえば、Biscop(Bishop/ビショップ)・Scip(Ship/シップ)・Fisc(Fish/フィッシュ)といった具合だ(Old English Online)。すなわち、「Scadutree」の発音は「シャドウツリー」に近く、少なくとも「スカドゥーツリー」ではないと考えられる。

RedditやSNS上では、こうした発見を受けて驚きを口にする者のほか「やはりスカドゥーシュと呼ばせてもらう」と頑なになる者も多数いるようだ。そうしたプレイヤーらは、これからも「影樹の破片(Scadutree Fragment)」を拾うたびに「スカドゥーシュ!」と喜ぶのだろう。

また、本作では以前にも発音に戸惑う古い単語が用いられていたケースがあり、類似例として挙げる声も見られる。たとえば、「Blaidd(ブライヴ)」や牢獄洞窟の「Gaol(牢獄/ジェイル)」などだ。本作での「Scadutree」との表記も、『エルデンリング』の様式に則った表記といえるだろう。


なお、読み方で迷うのは「影樹」も同様といえる。「えいじゅ」と読むべきか「かげじゅ」と読むべきか、読み上げ方が分かれそうなところだ。なお、影の地限定の新強化システムとなる「影樹の加護」に用いる影樹の破片は、公式含む各方面からDLC攻略にあたっての収集が強く推奨されている(関連記事)。読み方に迷いつつも取り逃がさないようにしたい。

エルデンリング』およびDLC「SHADOW OF THE ERDTREE」はPC(Steam)およびPS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One向けに発売中。ゲーム本編とDLCを同梱する「SHADOW OF THE ERDTREE EDITION」も販売されている。