『エルデンリング』のDLC「SHADOW OF THE ERDTREE」の終盤、とある山場にて登場するNPCが「誰かわからない」として奇妙な注目を集めている。本作の物語が一気に収束する、山場となる戦闘に“まったく知らない人”が出てくる点が面白がられているようだ。なお、本稿には本作終盤にかけてのネタバレが含まれるため、留意してほしい。
『エルデンリング』は、フロム・ソフトウェアが手がけるアクションRPGだ。DLC「SHADOW OF THE ERDTREE」では新たな舞台となる「影の地」にて、神人ミケラにまつわる物語が描かれる。
本DLCでプレイヤーは、ミケラの足跡を追い、影の地全土を巡っていくことになる。そのなかでは、さまざまなNPCとの出会いも待っている。特に、ミケラの忠実なる騎士である「針の騎士、レダ」やその同志たちについては物語の本筋にも絡み、プレイの仕方によっては幾度も顔をあわせることとなる。それぞれの背景もしっかりと描写され、ボス相手に共闘する場面もしばしばだ。
しかし、本DLCにてプレイヤーは、最終的にレダおよび同志たちと刃を交えることとなる。ミケラの宿願を遂げさせんとするレダたちとプレイヤーは敵対。ストーリー進行の仕方によって人数は変動するものの、最大5人のレダ陣営を相手に、最大2人の協力NPCを呼び出し(追加でマルチ協力プレイヤーも召喚可能)、共に大乱戦を繰り広げることになる。
この戦闘は、本DLC最終ボスの前に立ちはだかる最後の難関。ここまで共に歩んできたレダたちと袂を分かつ衝撃もあり、物語の大きな山場となる。複数名による大乱闘というシチュエーションの珍しさもあり、盛り上がるプレイヤーも多いだろう。また、協力NPCについても、ティエリエやアンスバッハといった、サイドクエストをこなしていると非常に印象に残る者たちが駆けつけてくれる。そして、アンスバッハが参戦できない場合には、かわりとなる協力NPCが登場する。その名は「血の貴族、ナタン」。ここまで、一切出番のなかった人物である。
ナタンは、アンスバッハが参戦できない場合、そのかわりにプレイヤーに協力してくれるNPCだ。ティエリエのイベントもこなしていない場合は、唯一の協力者となる。しかし、ナタンに関する情報は非常に限られている。なにしろナタンは本編・DLC通じて、少なくともプレイヤーにそれとわかる形式では出現しない。そればかりか、NPC会話やアイテムのフレーバーテキストでも言及されていない人物のようなのだ。いわば“ポッと出”で運命の戦いに参戦する謎の人なわけである。
現在SNS上では、そんなナタンについて話題にあげるプレイヤーが散見される。特に国内プレイヤーからの関心が高いようで、「誰?」といった疑問や、決戦で急に“知らない人”が出てくるシュールさを口にするプレイヤーが見られる。ナタンの正体について考察する者もいるようだ。また、それまで出番が一切ないためNPCかどうか判断がつかず「これはプレイヤーかNPCか?」と質問する海外プレイヤーなども見られる。
なお、『エルデンリング』本編でも、出自の情報が乏しい協力NPCは見かけられた。にも関わらずナタンが特に注目されるのは、そうしたNPCのなかでも情報が少なく、終盤の山場で1回だけ出てくる特異性ゆえだろう。
情報に乏しいナタンながら、その名前や装備からは、モーグ配下の人物であることはわかる。同じくモーグに仕えるアンスバッハの代理として馳せ参じた人物と解釈しておくのがよいだろう。また、ナタンは「レドゥビア」と見られる武器二刀流による火力重視のビルドをしており、敵との相性もあって“いきなり出てきた知らない人”とは思えない戦果をあげることもある。どのようなルートを選んでも、褪せ人に1対多の孤独な戦いをさせない救済措置としての調整だろう。知らない人ではあるが、レダ戦で苦労している場合は、しっかり協力して立ち回るとよいかもしれない。
『エルデンリング』およびDLC「SHADOW OF THE ERDTREE」はPC(Steam)およびPS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One向けに発売中。ゲーム本編とDLCを同梱する「SHADOW OF THE ERDTREE EDITION」も販売されている。