円居挽氏シナリオのSFミステリーADV『EDEN.schemata();』2026年発売へと再延期。開発が「人類には早すぎる」と苦悩しつつも、遊びやすい形を目指して奮闘中

『EDEN.schemata();』は2026年の発売へと延期。

パブリッシャーのAlliance Artsは11月29日、『EDEN.schemata();(エデン・スキマータ)』の発売時期変更を発表した。今冬発売予定とされていたが、2026年の発売へと延期。開発レターによると、本作は開発が続けられており、最終的な形が見えつつあるそうだ。

『EDEN.schemata();』は、ゲームでしか表現できない叙述トリックが手描きアニメの演出と共に描かれる、マルチエンディングSFミステリーADVである。本作の主人公は、記憶喪失の人物だ。ある時主人公が気がつくと、「博士」と呼ばれる首なし死体を前に、アンドロイドのイヴが佇んでいた。彼女は首なし死体を前に、「また会いましたね、はじめまして」と語りかけてくる。しかし主人公には記憶画はなく、自身が何者であるかもわからない。そんな状況の中、主人公はヒロインにして博士殺害の容疑者であるイヴと、殺人事件の真相へ迫る。イブの創造主である首なし死体の博士、閉ざされた研究室。手足のないアンドロイド。なぜか女児口調で煽ってくる統合法規インターフェース・ケルも登場し、ゲームでしか挑めない新しいミステリーが繰り広げられる。

記憶喪失の主人公は、世界から切り離された研究所を探索し、殺人事件の謎へ挑んでいく。本作ではマルチエンディングが採用されており、ゲームを繰り返しプレイしていくと、次々に新たな事実が浮かび上がる。さらに新たな真実が判明すると、UIそのものやゲームの前提が変化。ストーリーとUIが寄り添い、ゲームの進行に応じてゲームデザインが変わっていくという。動画や画像では、オーソドックスな探索ADV風のシーンや、『マインスイーパー』風の場面などが登場。物語やプレイヤーの行動に応じて遊びが変わる仕組みによって、ゲームでしか挑めない新しいミステリが展開されるのだろう。

演出面では、ゆたろう氏による手描きアニメーションによって、キャラクターたちが彩られる。開発・ディレクションは、同人ゲームサークルilluCalabのEIKI`氏が手がけている。またシナリオは、小説家の円居挽氏が担当。同氏のコメントによれば、本作のコンセプトは「何度も解きなおせるミステリ」であり、多重解決とは違ったゲームにしかできない謎解きが待っているようだ。

本作はWSS playgroundのパブリッシングタイトルとして、2021年6月に発表。発売時期の延期を経て、2025年1月時点では2025年春発売予定となっていた。しかし、4月にパブリッシャーがWSS playgroundからAlliance Artsへと変更されて、今冬発売へと延期。2月に配信予定とされていた体験版についても、「ゲームの体験が完成してから皆様に遊んでいただくべき」との判断から、公開中止となっていた。

今回の告知では、発売時期が今冬から2026年へと改められた。告知によると、本作の魅力である行動に応じて変化するゲームと物語の流れを、より遊びやすい形へ調整するため延期となったという。また開発レターによると、本作ではディレクターのEIKI`氏を中心に、日々開発が続けられているそうだ。本作は珍しい仕組みのゲームとなっており、本作の開発は人類には早すぎるのではないかと苦悩することもあったものの、試行錯誤を重ねて最終的な形が見えつつあるとのこと。完成まで、もうしばらく時間がかかるようだ。

『EDEN.schemata();』は、PC(Steam)向けに2026年発売予定だ。

Keiichi Yokoyama
Keiichi Yokoyama

なんでもやる雑食ゲーマー。作家性のある作品が好き。AUTOMATONでは国内インディーなどを担当します。

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