あるホラーゲーム開発元、新作に「“飽き性向け”新アクセシビリティを用意した方がよいか」と珍提案。むしろ気が散る  

Housefireは、PC(Steam)向けにホラーゲーム『Eclipsium』をリリース予定。同スタジオが1月21日に公開した“新アクセシビリティ”が一風変わっており、にわかに注目を集めている。

デベロッパーのHousefireは、PC(Steam)向けにホラーゲーム『Eclipsium』をリリース予定だ。同スタジオは1月21日、SNS上で『Eclipsium』について“飽き性な人向け”アクセシビリティを実装すべきだろうかと問いかけた。そのアクセシビリティの内容が話題となっている。

『Eclipsium』はホラーゲームで、一人称視点のウォーキングシム形式で繰り広げられる。プレイヤーは寝室で目を覚ますと、悪夢のような世界に迷い込んでしまっていた。どうして不思議な世界に迷い込んでしまったのかを解き明かすため、プレイヤーは世界を探索することとなる。探索ではあらゆる場所に発見、そして恐怖が盛り込まれているという。また謎解きとして、数々のパズルも登場するそうだ。

本作を手がけるHousefireは、スウェーデンのヨーテボリに拠点を置くインディーゲームデベロッパー。少なくとも2023年12月頃から『Eclipsium』の開発が続けられているようで、同スタジオにとって初めてリリースするゲームとなるようだ。

Housefireは、XやBlueSkyといったSNSに向け、『Eclipsium』のゲームプレイの一部を定期的に公開している。具体的には、バルブを回して仕掛けを解く場面や、探索の最中、平原に家を見つける場面などが映されている。そんな中、1月21日に投稿した動画が、にわかに注目を集めている。

「飽きっぽい人のためにこのアクセシビリティを実装すべきだろうか」との投稿に添付された動画には、設定画面に「BRAINROT MODE」なる項目が存在。同モードをオンにすると、ゲーム画面が小さくなり、上下に別の画面が追加。ゲームとは別の、YouTubeなどの動画サイトが開かれているものと思われる。上下の画面の追加によって、一人称視点で見える手を除き、肝心のゲーム画面は縮小。とはいえゲームが中断されたわけではなく、探索やインタラクトは通常のゲームプレイと同様におこなえているようだ。

Housefireの公開した動画のモードは、いわゆる「複窓/多窓」と呼ばれるスタイルをゲーム内で実現するもののようだ。複窓/多窓とは主に、ブラウザなどでYouTubeやTwitchといった動画、配信を複数開き、同時に視聴することを指す。飽き性(short attention span)向けとのことで、ゲーム中にも動画/配信を見ずにいられないプレイヤーを想定した機能と思われる。

この“新機能”のお披露目には多くの反応が集まっている。全体的には好意的、あるいは面白おかしく思っているユーザーが多くみられる。実際に複窓をしているユーザーからの声も寄せられているようで、ゲーム内で複窓が完結することから、2台目のモニターを使わずに済むと喜ぶ反応が散見された。また上下に新規にウィンドウを出すのではなく、ゲーム内の携帯電話を見るかたちで“複窓”をしてもよいのでは、といったアクセシビリティのスタイルについてのアイデアも寄せられている。

なお「Should we add~(追加すべきだろうか)」との問いかけがおこなわれている通り、まだ飽き性向け新機能の実装は決定していないものとみられる。現在配信中のデモ版でもこの機能は見当たらない。加えて添付されている動画についても、あくまでイメージとしての動画であり開発中のゲームプレイの映像ではないかもしれない。ホラーゲームである本作の雰囲気にはそぐわない機能であり、ジョークの可能性もあるだろう。

とはいえ、ユーザーからは新たなアクセシビリティのアイデアとして注目を集めている様子。ゲームジャンルによっては、見かけ上ゲームに「集中」することに役立つ機能かもしれない。ただし先述の動画のような実装スタイルでは、ゲーム画面が縮小してプレイがかなり難しくなりそうだ。もし実際にこの機能が『Eclipsium』に実装された際には、どのようなゲームプレイになるかも気になるところだ。

『Eclipsium』はPC(Steam)向けに開発中だ。2025年のリリースを予定している。現在デモ版が配信中だ。

Kosuke Takenaka
Kosuke Takenaka

ジャンルを問わず遊びますが、ホラーは苦手で、毎度飛び上がっています。プレイだけでなく観戦も大好きで、モニターにかじりつく日々です。

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