EAのPCゲーム向け旧アプリ「Origin」、ついに4月17日に“ほぼ消滅”へ。マイクロソフトの「32ビットソフトウェアサポート終了」に伴って
Electronic Artsは現地時間1月17日、PCゲームプラットフォーム「Origin」が4月17日に利用できなくなることを発表した。Originを利用し続けていたユーザーに向けて「EA app」への移行が促されている。
EAは、自社ストアでPCゲームを販売するなかで、2011年からOriginを提供開始。その後Steamから撤退し、自社タイトルをOrigin独占で配信するようになっていった歴史もある(Steamには2019年に再参入)。そして同社は2020年に、Originに置き換わる新たなPCゲームプラットフォーム「EA app」を発表。オープンベータテストを経て、2022年10月に正式リリースされた。
EA appのインストール時にはOriginはアンインストールされるため、以降はEA appのみでゲームを管理・プレイすることになる。またEA appの展開に伴ってOriginの提供も終了。とはいえ過去にOriginをインストールしていれば、EA appを導入せずに使い続けることも可能であった。
しかし今回EAは、現地時間4月17日にOriginが利用不可能(shut down)となることを案内している。マイクロソフトが同日に、Windows OSでの32ビットソフトウェアのサポートを終了するためだという。マイクロソフトは2020年5月よりOEM向けの32ビット版のWindows 10の提供を終了。Windowsの64ビット版への完全移行が進められ、Windows 11では64ビット版のみの提供となった。
なお32ビット版と64ビット版のWindowsの違いとしては、処理速度の違いなどが挙げられる。64ビット版の方が一度に扱えるデータ容量が大きく、素早い処理が可能。対して32ビット版では認識できるメモリ(RAM)が最大4GBまでといった制約もある。処理能力の違いから32ビット版のWindowsでは、64ビット版Windows向けのソフトウェアは利用できない。一方で64ビット版Windowsでは、これまで一部を除く32ビット版Windows向けのソフトウェアへの互換性があった。
今回のEAの発表を見るに、マイクロソフトは現地時間4月17日にそうした32ビット版Windows向けソフトウェアのサポートも終了予定のようだ。Originも32ビット版Windows向けのソフトウェアであり、影響を受ける格好だろう。
なおOriginでのアカウントや所有ゲーム、プレイ時間記録、クラウドセーブなどは、すべてEA appに移行が可能だ。ただしEA appは64ビット版のWindows向けのソフトウェアであり、32ビット版のWindows OSを搭載している場合は利用できない点には留意されたい。ちなみにmacOSを利用している場合は、EA appに対応していないOS Mojave以前のPC向けには引き続きOriginが提供される見込みだ。