ドリームキャストやPS3のWebブラウザで、今になって「Google」が利用不可に。むしろ今まで使えた
セガの家庭用ゲーム機「ドリームキャスト」のWebブラウザ機能にて、Googleが閲覧不可となっていることが明らかになった。

1998年に発売された家庭用ゲーム機「ドリームキャスト」のWebブラウザ機能にて、Googleが閲覧不可となっていることが明らかになった。最近まで閲覧できる状況であったこと、今になって廃止されたことなどに対し、コミュニティでは驚きの声が集まっている。PC Gamerなどが報じている。
ドリームキャストは、セガが1998年に発売した家庭用ゲーム機だ。本体にインターネット通信用のアナログモデムを標準搭載し、のちにオプションとしてブロードバンド接続用のLANアダプターも発売。固定電話回線を利用したダイヤルアップ接続でインターネットに接続し、オンラインゲームをプレイすることができた。本体にはWebブラウザ機能である「ドリームパスポート」が同梱されており、インターネット環境があればWebサイトの閲覧ができる。のちのアップデートにより、メガドライブとPCエンジンのゲームをダウンロードできる「ドリームライブラリ」や、専用周辺機器を介したインターネット電話機能「DreamCall」といったオンライン機能も利用することができた。

今回、そんなドリームキャスト向けWebブラウザがGoogleにアクセスできなくなったことが話題となっている。これはドリームキャストのオンラインゲーム愛好家コミュニティであるDreamcast LiveがX上で報告したもので、添付のスクリーンショットでは、Googleのトップページの代わりに、ブラウザのアップデートを促すメッセージが表示されていることが見て取れる。
これはつまりGoogle側がブラウザからのリクエストに応答しなくなったということで、1999年から約四半世紀にわたり続いていた、ドリームキャストでのGoogle検索とそれを用いたWebサイト閲覧が事実上不可能になったということを意味する。もっとも、この変更によりインターネット機能がまるまる利用不可になったわけでなく、あくまでGoogleを用いた検索が不可能になっただけだが、それでも約27年動いていた機能が今になって止まったという事実に、レトロゲーマーたちは驚きをもって受け止めているようだ。
なお、そもそもセガ公式によるドリームキャスト向けオンラインサービスは、本体生産終了後まもなく数年以内に次々と閉鎖されている。ゲームのオンライン機能に関しては有志のファンコミュニティが独自のサーバーや手段を構築しており、一部のタイトルは現在もプレイすることが可能だ。その一方で、他の電子機器で簡単に代用可能なWebブラウザ機能は当然ながら有志ユーザーによるアップデートもなく、SSLを用いた暗号化通信に対応した「ドリームパスポートプレミヤ」へのアップデートが2001年に実施されたことを最後に、20年以上サポートは途絶えている。

本来であれば、2000年代以降の急速なWeb技術の進化に取り残されて動かなくなっていても不思議ではない状況だが、最近までGoogle検索が動作していた点も興味深いところだろう。ちなみにこの変更はドリームキャストだけでなく他のハードにも影響しており、今年秋ごろからは任天堂のニンテンドー3DSや、ソニーのPS3に内蔵されたブラウザでも同様にGoogle検索が利用不可になったという報告も見られる。この問題がドリームキャストだけに起きたものではなく、複数の旧式ハードに搭載されたWebブラウザ機能においてGoogleが使えなくなっていることがうかがえる。
なぜ今このタイミングで廃止となったのか、その直接的な理由はGoogleから公式に説明されていないものの、現在のGoogle検索ではAIによる要約といった新たな機能も追加されてきた。そうした中でセキュリティ技術やJavaScriptエンジンなど軒並み旧式の技術が用いられていたゲーム機用ブラウザのサポートが打ち切られた可能性も推察されている(Tom’s Hardware)。
またこのほか、インターネット黎明期の代表的な接続方法だったというAOL(America Online)のダイヤルアップインターネットサービスが今年9月にサービス終了したこととの関連を指摘する意見もある(The Verge)。いずれにせよ、今回のGoogle検索のサポート終了は、むしろ最近まで旧式ハード用のブラウザでGoogleが利用可能であったという点に意外性のある報告かもしれない。なお、「FrogFind」のようなレトロハード向け軽量検索サービスを活用することで、ドリームキャストからでも引き続きウェブ検索を楽しむ方法は残されている。

このほかゲームのオンライン機能に関しても先述したとおり有志のファンコミュニティが熱心に活動を続けており、『ファンタシースターオンライン』など一部のゲームを遊ぶことが可能なようだ。ドリームキャストの作品を日常的にプレイしているユーザーが一定数いたことも、今回のGoogle検索のサポート終了が発見された背景としてあるのだろう。今後コミュニティがどこまでドリームキャストを“延命”していくのか、動向に注目したいところだ。
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