スクウェア・エニックスは11月15日、HD-2D版『ドラゴンクエスト III そして伝説へ…』のSteam版を発売した。同作はSteamでスクウェア・エニックスタイトルの中でもトップクラスの滑り出しを見せている。
『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』(以後、ドラクエ3)は、エニックスが1988年にファミリーコンピュータ向けに発売したRPGだ。『ドラゴンクエスト』シリーズの3作目であり、「ロト」シリーズ3部作の最終作である。勇敢な戦士オルテガの子として生まれた主人公が、16歳の誕生日を迎えた日。主人公は、亡きオルテガの遺志を継いで魔王バラモスを倒すという使命を与えられ、仲間たちと共に世界を救うための旅に出る。仲間を3人選び、それぞれのメンバーに職業を与え冒険するという点も同作の特徴だろう。
今回発売されたのは、同作をHD-2Dでリメイクした作品。開発にはアートディンクが参加し、Unreal Engineベースで開発されている。リメイク版では、HD-2Dによってドット絵に奥行きのある3Dグラフィックを融合。音楽はオーケストラベースに。また新たな職業としてまもの使いも追加。そのほかさまざまな新要素が加わっており、コア要素は据え置きしつつ、装い新しくも遊びやすくなった『ドラクエ3』として、令和に蘇ったわけだ。
シリーズ屈指の人気作の待望リメイクということで前評判も高く、その人気はSteamでの数字にも及んでいる。SteamDBによると、HD-2D版『ドラクエ3』のSteam同時接続プレイヤー数は11月17日夜に4万5357人を記録した。この数字は、スクウェア・エニックスの買い切りゲーム(体験版など抜き)としては、歴代3位に位置する記録である。
なおスクウェア・エニックスの人気作はこれまでコンソールのプラットフォーム先行独占で展開されることが多く、Steam版は後発になりがち。それゆえにSteam版の同時接続プレイヤー数は伸びづらかった。Steam同発が始まったのは最近になってからであり、本作も同時発売ということが賑わいの一因かもしれない。とはいえ、そうした背景を留意しても、好調な出足となっているのは間違いないだろう。
ちなみにSteamユーザーレビューでの言語を見ると、900ほど寄せられたレビューのうち、300近くが日本語レビューとなっており、ほかのタイトルと比べると日本人ユーザーが多く遊んでいる傾向が見て取れる。Steamレビューステータスは、好評率76%の「やや好評」。本作はグラフィックやサウンドは刷新されている一方で、コア部分は1988年に発売されたオリジナル作がベース。そうした要素を据え置きとしている点が、好評要因にも不評要因にもなっている印象だ。今後はクリアユーザーからの評価も増えていく見込みで、評価がどう変化していくかも注目点である。
HD-2D版『ドラゴンクエスト III そして伝説へ…』は、Nintendo Switch/PS5/Xbox Series X|S/PC(Steam/Microsoft Store)で発売中だ。