『ディアブロ4』開発元、“想定より強すぎた”新クラスはシーズン中に弱体化しないと明言。来シーズンまでは今あるものを楽しんでほしい


Blizzard Entertainmentは10月8日、『ディアブロ4(Diablo IV)』にて大型拡張パック『ディアブロ IV:憎悪の器』(以下、『憎悪の器』)をリリースし、現在はシーズン6「憎悪蔓延」が開催中。開発元は新シーズンで追加されたとある新クラスが想定よりも強すぎたことに触れつつ、少なくともシーズン中は弱体化しないことを明言している。

『ディアブロ4』は人気ハクスラARPGシリーズ『ディアブロ』の最新作。本作の舞台は前作『ディアブロ III』から数十年後。ゲームプレイやグラフィックを大幅にパワーアップし、140以上のダンジョンなどを実装。過去作の魅力を踏襲しつつ、豊富なキャラクターカスタマイズや、さまざまなゲームプレイ要素を盛り込んで新たな冒険が描かれる。

本作については初の大型拡張パック『憎悪の器』がリリースされ、現在はシーズン6「憎悪蔓延」が開催中。そんな中、Blizzard Entertainmentは11月13日にMid-Season Campfire Chatを放送。放送の中でBlizzard EntertainmentにてコミュニティディレクターのAdam Fletcher氏、リードクラスデザイナーのAdam Z.Jackson氏、デザインディレクターのColin Finer氏の三名によって、開催中のシーズン6の振り返りや、来週実装されるというミッドパッチの方針などが語られた。

その中では、新たに登場したクラス「スピリットボーン」についても触れられている。開発元いわく、スピリットボーンはほかのクラスよりも優れたパフォーマンスを発揮している状況にあると認識しているという。これについては開発側も予期していなかった相互作用(unintended interactions)が関係しているとのこと。他のクラスは、スピリットボーンを考慮しなかった場合、比較的クラス間のバランスが取れている状況であるとの認識も明らかにしている。


この相互作用が何かについては放送内で明言されていない。しかし非公式データベースサイトhelltide.comにおける、本作のエンドコンテンツダンジョンである名匠の奈落のシーズン6のタイムアタックランキング「Pit Leaderboard」のクラスごとのトップ記録を見ると、スピリットボーンが頭一つ抜けた記録となっており、記録のほとんどが「大羽根の猛襲」を採用したビルドとなっているのが確認できる。「大羽根の猛襲」ビルドのスピリットボーンが主にエンドコンテンツで猛威を振るっているかたちのようだ。なお米テスラ社のCEO、イーロン・マスク氏も、「大羽根の猛襲」を採用したスピリットボーンを愛用。最大ティア150にて2分45秒のタイムをたたき出し、「Elon Musk」の名でランキングに掲載されている(関連記事)。

Blizzard Entertainmentはそうした“スピリットボーンが強すぎる”状況を踏まえたうえで、来週リリース予定のミッドパッチではスピリットボーンを弱体化(nerf)する予定はないと明らかにしている。現在の計画としては、次に開催予定のシーズン7で、予期していなかった相互作用(unintended interactions)を修正し、他のクラスと同じ水準に調整する予定であるとのこと。「それまでは、今あるものを楽しんでほしい」とAdam Z.Jackson氏は語っている。少なくともシーズン中は弱体化されることはないようだ。なお来週リリースされるミッドパッチでは、スピリットボーン以外のすべてのクラスに強化調整が入る予定。しかし現在のスピリットボーンの水準までは強化されないとも述べられている。


『ディアブロ4』はジャンルとしてはハクスラARPGに該当し、PvE要素が主体の作品。そうした作品ではバランスを考慮して強すぎるクラスを弱体化することは、強いビルドを楽しみたいというプレイヤーの楽しみを奪う側面も大きい。そのため開発元としても、弱体化には慎重になっているということもあるかもしれない。いずれにせよ、シーズン6では弱体化がされないことは明言されたかたち。スピリットボーンを楽しんでいるプレイヤーにとっては朗報かもしれない。なお来週リリース予定のミッドパッチの詳細やパッチノートについても、後日公開予定とのこと。

ディアブロ4』はPC(Steam/Battle.net)/PS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S向けに配信中。