デスクトップ隅・放置系全方位防衛シューティング『Desktop Defender』デモ版、いきなり人気爆発。「プレイヤー数3人」から一躍話題の作品に

Conradical Gamesが手がけた『Desktop Defender』について、現在人気が大爆発中となっている。Steam Nextフェスにて注目を集めたかたちだ。

デベロッパーのConradical Gamesは10月21日、同スタジオが開発中のゲーム『Desktop Defender』のデモ版が、Steam Nextフェスでもっとも多くプレイされたデモ版の一つだったというメールを受け取ったと報告した。これまで注目を集めることのなかった作品が、イベントへの参加をきっかけに多くの人の目に留まったかたちだ。本作の対応プラットフォームはPC(Steam)、ゲーム内は日本語表示に対応している。

『Desktop Defender』は、デスクトップの一部に常駐する放置型ディフェンスゲームである。対応プラットフォームはPC(Steam)で、ゲーム内は日本語表示に対応している。ゲームを起動すると小さな画面がデスクトップの右下に出現し、画面中央にいる自機はプレイヤーが操作せずとも自動で戦闘をおこなう。四方八方からやってくる敵を撃退し、獲得したお金や経験値で自機を強化して、なるべく長く生き延びることが目標となっている。

現在公開されているのはデモ版であるものの、ゲーム内容はすでにかなり充実している。自機のアップグレード要素としては、発射する弾の威力アップ、連射速度アップ、弾速アップといった攻撃性能を上げるものや、ノックバックや耐久力アップといった防御面に関わるもの、獲得経験値やお金へのボーナスといった成長を加速させるものが存在している。また、倒した敵はまれに戦利品をドロップすることがある。獲得した戦利品はスロットに装備するアイテムとなっており、各種性能強化を自由に付け外しすることができる。中には連射性能を犠牲にして威力をアップさせるなど、癖の強い効果も存在するようだ。

また、経験値によるレベルアップでは、レベルごとに特定の強化や新要素の解禁がおこなわれる。デモ版では、レベル5でさっそく「転生」が解禁される。これは、こうした放置系ゲームでよく見られる、進捗をリセットする代わりに特別な報酬を獲得するシステムだ。本作の転生では進捗状況に応じて経験値やお金の獲得量ボーナスや「転生ニウム」を入手できる。転生ニウムは通貨の一種で、武器庫での新しい武器の入手や、戦利品スロットの拡張など特定のアップグレードに必要となっている。

ちなみに、自機がやられてしまったときのペナルティはほとんどなく、獲得したお金や経験値はそのまま残される。気軽に放置して、たまに様子を見て一気にアップグレード、そしてまた放置というサイクルで、どんどん自機を強化していく楽しみを味わえるだろう。

そんな本作は、開発者の投稿によれば「1週間前には3人しかプレイヤーがいなかった」のだという。ところが、多くのPCゲームやインディーゲームのデモ版が集まるイベントSteam Nextフェスへの参加をきっかけに状況は一変。本稿執筆時点で本作のデモ版に寄せられたSteamユーザーレビューは約200件にのぼり、そのうち99%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得している。レビューの多くは放置しておくのにちょうど良い存在として高く評価している様子で、デモ版ながらすでに100時間以上プレイしている人も複数見られる。

また、Steam同時接続プレイヤー数は平均しても1000人以上、ピーク時には1500人を超える盛況ぶりだ(SteamDB)。開発者は大喜びで、プレイヤーに感謝の言葉を述べている。

本作を手がけるConradical Gamesは、スイスを拠点とするインディーゲームデベロッパーだ。過去にSteamでは、レビューで「やや好評」ステータスを獲得している見下ろし視点ローグライクアクション『Soul Stalker』をはじめ、多くの作品をリリースしている。現在は本作と並行してモンスター使役アクションRPG『Synth Beasts』の開発もおこなっており、こちらはクラウドファンディングサービスKickstarterで目標額5000スイス・フラン(約95万円)のところ、約1万8600スイス・フラン(約350万円)の調達に成功している。過去の多くの作品の開発で得た経験から、思わぬかたちで注目作を生み出したわけだ。

『Desktop Defender』はPC(Steam)向けにデモ版を公開中。製品版は11月5日にリリース予定となっている。

Naoto Morooka
Naoto Morooka

1000時間まではチュートリアルと言われるようなゲームが大好物。言語学や神話も好きで、ゲームに独自の言語や神話が出てくると小躍りします。

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